深瀬澄先生(経営学部)

専門分野:ビジネス統計学、マーケティングリサーチ

『仕事に役立つ統計学の教え-ビジネスの結果は99%統計的に決まる』

斉藤広達
日経BPマーケティング 2013年
新卒の営業マンは、契約締結の成否を運・不運ととらえがちですが、現代では、逆境さえも自責化して有利な方向に変革する力が求められます。本書はこのようなビジネスパーソンに「データ思考の基礎知識」を紹介し、ビッグデータ時代の働き方を示唆する啓蒙書です。「ビジネスの結果は99%統計的に決まる」という副題のとおり、営業もマーケティングも、段階的なプロセスに分解して考えると、成約確率はもはや偶然の結果ではなくなり、統計的なルールに従うメカニカルな世界なのです。このような統計法則を知り味方につければ、運命を科学的に変えることができるということです。この発想に学生時代に出会って下さい。
かつて、NHKのTVで、数学を学ぶ天才女子大生(橋本愛)が活躍する「ハードナッツ」というミステリーのドラマが放映されましたが、第5話の「ワインと殺意の方程式」は、本書のpp.94-103の内容がベースになっていたのではないかと思われます。
本書では、正規分布に基づく統計理論のエッセンスが図解されて説明しているので、数学が嫌いな人にもわかりやすく、統計学への興味が深まると思います。統計科目の授業を履修しなくても理解できると思いますので、一読してみて下さい。