2023.02.22 トピックス 【経済学研究科】修士2年の大学院生が(株)NTTデータ数理システム「学生研究奨励賞」に入賞 教育・研究

中国市場における日本のアニメコンテンツに対する受容意識について研究

 日本は、アニメやマンガ、コスプレ、ゲーム、アイドルなどの文化を世界中に広げようとクールジャパン政策を推進してきました。特にファンタジー要素の強い日本のアニメは、中国でも人気が高く、中国は重要な輸出国の一つとなっています。しかし、中国では若者に対する愛国教育が学校から職場まで必須であり、この傾向は近年、更に深化しています。国益優先、外来文化に排外的な「エスノセントリズム(自文化中心主義)」の意識も高まっており、このような動きから中国人の外国のサブカルチャーに対する楽しみ方やコンテンツ消費に対する考え方への影響が懸念され始めているのです。

 金さんはこのような中国人における「消費者エスノセントリズム」意識の変化と自国コンテンツ市場の拡大、その他の影響要因も含め、日本のアニメコンテンツに対する受容意識への影響を実証的に研究ました。国民感情のデータには、日本・中国・台湾地域・韓国の共同研究「東アジア社会調査プロジェクト」(East Asian Social Survey)によるEASS 2008とEASS2018の2時点における調査データ(有効回答数7,499)をもとに研究。「ベイジアンネットワーク」という高度なAI手法を用いて、網目状に広がる要因間の因果関係を構造学習させて考察し、確率的因果推論というシミュレーションによって影響を連鎖させて日本アニメの輸出振興に向けた打開策を模索しました。

 金さんは、2021年に本学国際学部から経済学研究科(経営学専攻)に進学し、修士1年次より研究室の先輩である劉さんとの共同研究でデータ分析を担当して、AIのスキルを修得しました。
国際学部出身のバックグラウンドと、趣味のサブカルチャーの知識を研究に活かしています。
 
 
※(株)NTTデータ数理システムの「学生研究奨励賞」は、DX社会の担い手となる人材育成への貢献と学生の学術研究支援を目的として、2003年度に設立した公募型の研究奨励賞であり、優れた数理科学領域の研究成果に対して毎年表彰を実施しています。
 
 
(株)NTTデータ数理システム学生研究奨励賞
2022年2月 学生研究奨励賞を受賞
2023年2月 佳作を受賞
https://www.msi.co.jp/solution/stuaward_bayolinks.html
 
2021年8月 日本ホスピタリティマネジメント学会で報告(B会場)
https://hm-ac.jp/2021/06/zenkoku-29
 
 
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深瀬教授は消費行動や行動経済学を専門とされており、ゼミでは行動経済学におけるナッジ(nudge)理論を応用した企業戦略をテーマとし、「キャンパス内おける問題解決」を実践的な学修を展開されています。
 
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