2022.11.19 トピックス 【経済学部】ゼミでの研究を紹介〜藤田ゼミ・演習Ⅱ(3年生) 教育・研究

11月8日(火)、経済学部・藤田准教授の演習ⅡB(3年生)では、10日後に本番をむかえる学生研究発表大会に向けて、発表内容の確認とリハーサルを実施しました。

学生研究発表大会とは、年に1度、経済学部の各ゼミが日頃の研究成果を披露する大会です。ゼミ毎に小グループに分かれて、それぞれ関心のあるテーマでエントリーし、自主的に探究してきた成果を経済学部の教員や学部生の前で発表する一大イベントです。
※学生研究発表大会についてはコチラ
経済学部で学んだ理論を活用して社会が抱える課題の構造を考えて社会がより良くなるための提案を行います。発表の中身はもちろん、プレゼンテーション能力、グループのチームワークも試されます。


授業の冒頭で藤田准教授より各グループの進捗確認とともにプレゼンで意識すべき留意点をまとめた資料が配布され、発表のポイントをお互いに確認し、4つのグループに分かれ、仕上げに入っていきました。

各グループからは、経済学部で学ぶキーワードが出ていました。
3年生になり、より専門的な知識を得て2年生よりも研究内容は深くなっています。
社会の構造や諸課題を経済学的な視点で理解し、世の中の変化に対して学んだことを活用した見解を示すグループが目立ちました。
例えば、ゴミの分別問題や不法投棄、排ガス問題解消など、社会全体で解決していく必要がある課題、私たちの身の回りにある問題が取り扱うテーマになっています。そこで使用している経済学用語は『囚人のジレンマ、εナッシュ均衡、ESS(進化的に安定な戦略)、社会的総余剰、クールノー均衡、シュタッケルベルク均衡』などです。

産業組織論におけるクールノーモデル・シュタッケルベルクモデルを活用した研究のグループでは、寡占(複占)企業がどのように生産量を決めるのかを分析する手法で利益を最大化するためにどのような戦略を取れば良いかについて数式等を使って分析していました。今回は、「民営企業だけで競争が行われる市場と、公営企業が混在する市場について、どちらが社会的に望ましいのか」について、グループで導き出した結論を発表します。

リハーサルでは、タイムキーパーがプレゼンの改善箇所を確認しながら、一つひとつのスライドに戻り、説明する言葉や表現についてグループメンバーと意見交換をしながら検討し、適切な表現を導きだしていました。
発表のリハーサルをする傍らで、英語論文の翻訳をしてエビデンスを確認する役割、スライドの修正を進める役割など、互いに協力しながら時間を有効に活用していました。
担当教員からは、プレゼン内容や発表の精度を上げるための問いかけがあり、学生たちはその問いに対して深く考え、改善していく過程を繰り返します。

本番まで学生たちの熱い議論は続きます。



経済学に関する研究への取り組みは、社会の構造を質的・量的に理解して社会的課題を見出すことだけでなく、課題解決に至る情報収集能力、論理的思考力、数的データの処理スキル、プレゼンテーションをはじめとした表現能力などを修得することができます。このような能力は、実社会で活躍する際に欠かせないスキルです。
経済学部では、これらの能力を培うために4年間で順を追って専門的な学修ができるカリキュラムを用意しており、少人数制ゼミで学生一人ひとりの成長を支えています。