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関西国際空港でのフィールドワークに挑戦

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経済学部と法学部の2~3年生が3/22(金)に実施されたフィールドワークに取り組みました。

行政職公務員を目指す学生が集まる「都市経済研究会」の学生が多く参加した今回のフィールドワークでは、日本でも数少ない民間企業が管理・運営している「関西国際空港」について調査。

今回のフィールドワークでは関西国際空港の成り立ちや、時代に合わせた変化の様子など、普段空港を利用するだけではわからない関西国際空港の裏側や、空港のビジネススキームを学修。国や地方自治体が運営する「空港」と民間企業が運営する「空港」の違いや、地域経済における空港の重要性とその役割、空港運営に求められる経済知識について調査しました。

■関西国際空港 とは

 関西地域と国内外の交通の要所である関西国際空港。運航路線は国内各所に加えアジアやヨーロッパ、北アメリカなど多数の直行便が運航されています。年間総旅客数は2335万人、飛行機の総発着回数は年間約15万回を超える、日本を代表する拠点空港の一つです。
関西国際空港の特徴として、民間企業が管理・運営していることがあげられます。

■ フィールワークでの学び

①経済への知見が重要となる空港運営

 各国の情勢や経済事情に大きな影響を受ける航空業界。ウクライナとロシアの戦争に際しては、戦争地域の上空を避けるなど、飛行ルートを選ぶ必要があり、航空機の航路が変更になったり、コロナ禍では、航空機の発着陸が激減したりするなど、世界の航空会社が乗り入れる空港運営には世界情勢への知見が必要不可欠です。
他にも、コロナ前は関西国際空港の旅客者は中国からが40%以上を占めていましたが、現在は韓国からの旅客者が中国からの旅客者を上回っているそうで、日韓関係の改善や円安ウォン高の国際情勢や経済の動向が大きく関わっていることがわかりました。

②格安旅行の拡充が、地域経済の発展に寄与する

 格安旅行を実現するLCC*¹。安さの秘密は、LCCを運営する企業の努力もありますが、実は「空港」にも秘密があるそうです。

空港は、航空機が着陸するたびに航空会社から「着陸料」が支払われます。空港の運営コストがかさみ、着陸料が値上がりすると旅客者が購入する航空券も値上がりするとのこと。

関西国際空港ではLCCが発着するターミナルの建設コストを大幅に削減することで、LCCが利用しやすい空港に挑戦しました。
「コストを抑える」とは、言葉では簡単ですが、実態はそう簡単ではありません。しかし、関西国際空港は新たなターミナルを通常の1/3の予算で作り上げたそうです。
建物を全て平屋にし、エレベーターの設置費用を抑えたり、地形をそのまま生かした建物作りに取り組んだり、自然光を取り入れた照明や空調の工夫など、建設費を抑えることでそれを利用する「航空会社が負担する費用」も抑えることができるのです。
関西国際空港はこのようにLCCが利用しやすい空港づくりに取り組むなど、様々な企業努力が、地域経済の発展につながることが今回のフィールドワークを通じてわかりました。

「航空業界」と聞くとエアラインを思い浮かべることも多いですが、フィールドワークを通じて、エアラインと空港の関係性や、行政との関わり、そして地域にとっての空港の役割など、多くの学びと経済と空港の関わりを体感することができました。

*¹【LCCとは】
「Low Cost Carrier」の略で、「格安航空会社」を指します。既存の大手キャリアと比較すると1万円以上も航空券の価格が変わることもあり、多くの旅行客から支持を集めています。

参加した学生の声

【Voice1】
 普段、空港を利用する際には行けないような場所を見学することができ、日常の裏側を知ることができました。また空港と行政との関わりを学ぶことができ、公務員を目指すにあたってとてもいい体験になりました。

【Voice2】
 普段何気なく利用している建物の構造や地形にも、企業努力や意味があることを知ることができました。普段は行政の視点で考えることが多いですが、今回はビジネスの話を聞けて面白かったです。

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