トピックス

【国際学部】錦城護謨株式会社を訪問

  • 学部・大学院/教育
  • 研究・社会連携

2023年11月29日 【国際学部】フィールド・プロジェクトA(留学生日本プログラム)の授業で、学生たちが錦城護謨株式会社を訪問しました。

 この授業の目的はSDGs(持続可能な開発目標)の視点から、日本社会、経済、文化と労働について学ぶことです。さまざまな社会問題がある中、先進国の日本にとってもSDGsへの取り組みはもはや他人事ではありません。そして、ビジネス環境、投資家や消費者の意識が変化する中、多くの日本企業は新たなイノベーションとビジネスチャンスを目指してSDGsに取り組んでいます。「企業の皆さんは実際現場でどのように努力をしているのだろうか?」、学生たちはこの疑問を持って、錦城護謨株式会社を訪問しました。

 錦城護謨株式会社は大阪府八尾市に本社を置く、ゴム製品のメーカーです。工業用ゴム・樹脂製品の製造・販売だけでなく、自社ブランド土木資材・製品の生産・販売をも主力事業としており、視覚障がい者歩行誘導マットの製造・販売・施工にも手掛けています。
コスト競争が激しいなか、錦城護謨は確かな品質と顧客のニーズに応える開発力、提案力で選ばれ続けています。そして、「選ばれる会社から応援され続ける会社へ」を目指して錦城護謨はCSR活動の一環として2010年に国連グローバル・コンパクトに署名しており、SDGsにも積極的に取り組んでいます。これらの努力は短期的に利益を出せるわけではないが、中長期的には企業利益と社会利益を同時に実現できると期待されています。
 社員の方による説明では、加工時間短縮や廃材利用によるエネルギー節約とCO2排出量削減のほかに、食べられなくなった備蓄米を利用したバイオマスプラスチックの開発、製造などの努力が紹介されました。そして、SDGs周知するための社内研修会や廃材を活用した工作体験を通じた啓発イベントといった地道な取り組みも紹介され、学生たちが熱心に説明に耳を傾けて、積極的に質問をしていました。

工場見学の機会もいただきました

 説明のあと、社員の方が学生たちに工場の中をご案内くださいました。テキストに載っている内容や普段の授業だけでは、学生たちは現場のことを知ることができません。工場見学を通じて、学生たちはものづくりの魅力を感じただけでなく、経営の課題と社会の課題に同時に取り組むことの意義を学べました。社員の皆さんは学生たちの質問に丁寧に答えてくださり、成果だけでなく、企業がSDGsを取り組む際の課題についてもご紹介くださいました。
 以下では、会社訪問に参加した学生たちの声を紹介します。

学生の声 : 1年生 トゥアンさん

 今回の会社訪問を通じて、錦城護謨株式会社さんは、ゴム製品の製造・販売・施工を行う企業であると同時に、社会の課題に対しても積極的に取り組んでいる企業でもあると感じました。その取り組みは、国連グローバル・コンパクトに署名し、SDGsの理念やゴールに沿って行われています。
 中でも、私にとって特に印象的だったのは、視覚障がい者と車椅子利用者を含む多くの人たちが快適に移動できる歩行誘導マット「歩導くん」や、地球環境にやさしいシリコーンゴム製のグラス「KINJO JAPAN」の開発でした。これらの商品は、ゴムの可能性を追求し、社会に貢献するという錦城護謨のコアパーパスを体現していますが、社員のものづくりへの思いやプライドを高めるといった目的も兼ねているのではないかと考えました。錦城護謨株式会社さんは、持続可能な社会環境づくりに貢献するだけでなく、自社の成長や人材育成にも努める企業だと強く感心しました。

学生の声 : 1年生 チャンさん

 私にとって今回の工場見学は製造プロセスへの理解を深める貴重な機会でした。さまざまな形のゴム製品の成形は、理論的な説明だけではなく、実際に従業員たちの作業や機械の動作を自分の目で見ることができました。工場内で見られた様々な成型方法や素材の扱いには驚きと感動を覚えました。
 特に印象的だったのは、製品に使用されている材料や製品の背後にあるエンジニアリングの複雑さでした。そして、自分の身近にあるものに高性能なゴムパーツが使われていると知り、それらのパーツの役割の重要性と製造技術の高さに感心しました。また、生産の過程で発生したゴム製品の余剰部分を有効活用するための様々なアイディアと工夫は、子供たちの環境保護への意識とモノづくりへの興味関心を同時に促進する素晴らしい取り組みだと思います。
 今回の見学を通じて得た知識や感動は、今後の学びや仕事において大いに役立つだろうと思います。貴重な機会を与えていただき、心より感謝いたします。

一覧へ戻る