2022.08.31 トピックス 【経営学部】ICT特別演習「ウクライナとのIT連携・ウクライナ支援について」 学生生活 教育・研究

≪経営学部の特色あるゼミ≫

今回はICT(情報通信技術)関連の知識の修得や資格取得をめざす学生が集う津田ゼミをご紹介します。津田ゼミでは6月23日・7月21日の2回を通じて、特別講師の新宮様(日立システムズ)を招き、「ウクライナとのIT連携・ウクライナ支援について」をテーマに学修と発表を行いました。

 
ウクライナと株式会社日立システムズ
皆さんはウクライナがどのような国かご存知でしょうか?
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻により、国の名前をニュースで目にする機会も増えましたが、ウクライナのIT事情について知っているという方は少ないのではないでしょうか。
実はウクライナは「東欧のシリコンバレー」と呼ばれるほどのIT大国で、優秀なIT人材が多く、その数は約18万人(人口の0.5%)ともいわれています。
新宮様の勤める株式会社日立システムズは、日本のIT黎明期から、データセンターやネットワークなどのサービスインフラを提供し、IT業界を牽引してきた大企業です。実はウクライナとの繋がりもあり、グループ会社には約7,000名ものウクライナ社員が今も働かれているそうです。
また、優秀なウクライナのIT人材の力も借りながら、企業や官公庁などのDX化(デジタルトランスフォーメーション)をグローバルに取り組まれています。

今回の授業では、新宮様からの特別講義を聴講したうえで、豊富なIT人材を抱えるウクライナと日本のIT連携や、ウクライナへの支援をテーマに学生がグループワークに取り組み、プレゼンテーションを実施しました。

 
チームに分かれての発表
 例えばチームAは、ウクライナから日本への避難民を対象にデータ分析を行いました。避難民の6割が女性であること、彼女らが料理・言語に課題を抱えていることから、料理教室の開催や日本語のオンライン講座の開講といった提案を行いました。
他のチームでは、日本の空き家問題に着目し、ウクライナ避難民を日本の空き屋で受け入れるといった提案や、日本における農業人口の減少を解決するために、ウクライナの方々を受け入れ、そのIT知識を活かしたスマート農業を鹿児島県で導入するといった提案など、社会問題とウクライナの方々への支援を掛け合わせた提案が見られました。



新宮様からは各チームに質問やフィードバックをいただきました。例えば、スマート農業の案では、「導入場所に鹿児島県を選択しているが、鹿児島県とウクライナの農業特性に差があり、知識をうまく活用できる方法を考える必要がある」など、机上の空論ではなく、アイデアを実現するために文化や気候の違いなど、もっと視野を広く調べる必要があるといったアドバイスをいただきました。

常に世界とつながり続けている現代社会において、世界をつなぐITの知識は必要不可欠なものとなりました。しかし、IT知識を持っていれば、それだけで活躍できるわけではありません。
協働する人々の文化や歴史、風土など、相手を知って初めて知識を活用できるのです。



今回の発表では、ウクライナから避難してきた方々の心情に寄り添った発表を行ったチームAが優秀賞に選ばれました。学生たちもこの2回の演習を通じて知識を活かすために大切なことを学んだことと思います。

ITに関する知識や、その知識の活かし方を学びたい方、情報系の資格にチャレンジしてみたいと感じた方は、ぜひ津田ゼミを訪れてみてくださいね。

津田 博 教授
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