2022.02.03 トピックス 【国際学部】1年生の基礎演習でビブリオバトルを実施 教育・研究


 国際学部1年生の基礎演習最終授業では、3クラス(張 雪斌准教授、吉良 悟助教、岡部 友樹助教担当)合同でビブリオバトルを実施しました。読書が好きな方はもちろん、本を手に取ることはほとんどないという方も楽しめるイベントが、ビブリオバトルです。
 

ビブリオバトルとは?

 ビブリオバトルとは、立命館大学教授の谷口忠大先生が、京都大学大学院生時代に考案した本を紹介するゲームで、ルールは、つぎの3つです。第1に、自分が面白いと思った本を1人5分間で紹介する(5分間使い切らなければならない)。第2に、2分から3分の質疑応答時間を設ける。第3に、聴衆からの投票によって、チャンプ本(優勝作品)を決定するというものです。
 
 5分という限られた時間で本の魅力を語ることは、実際にやってみると難しいものです。あらすじだけを話しても、時間は大幅に余ってしまいますし、感想だけを話していては、聞き手にその本を読みたいと思わせることはできません。

 このように、ビブリオバトルは、要約力、プレゼンテーション能力、そして何より本に対する思い入れが試されるものなのです。
 ビブリオバトルは、教育の場で広がりを見せており、現在では大学生から小学生までビブリオバトルに親しんでいます。
 

紹介された5冊

 今回のビブリオバトルで紹介された本は、次の5冊です。
 
 ①小坂流加『余命10年』(文芸社、2017年)。
 ②ヴィクトール・E・フランクル、池田香代子(訳)『夜と霧』(新版)(みすず書房、2002年)。
 ③菊池聡『<超・多国籍学校>は今日もにぎやか』(岩波書店、2018年)。
 ④上野千鶴子『女の子はどう生きるか』(岩波書店、2021年)。
 ⑤キム・イェジ、小田ミハル(訳)『私、幸いなことに死にませんでした』(オーム社、2021年)。
 
 5名のビブリオバトラーたちが、それぞれ本の魅力を語り、日本語を勉強する留学生もビブリオバトルに果敢に挑戦しました。聴衆からは本に関することや、本を読んだことで紹介者が受けた影響などについて質問がありました。中には、死生観に関する問いかけもあり、質問タイムも意義深いものになりました。
 
 投票の結果、チャンプ本は、上野千鶴子『女の子はどう生きるか』に決しました。

 なお、この5冊の書籍のうち、①②は本学図書館に蔵書しています。③④⑤についても近日中に配架される予定ですので、ぜひ手に取ってみてください。
 

今後の展望

 ビブリオバトルに参加した学生からは、「新しく面白い本を知ることができた。早速読んでみたい」、「自分もビブリオバトルで本の紹介をしたい」といった声が聞かれました。春休みでは、多くの学生が本に触れ、新たな知見を身に付けていくことでしょう。

 本学では「読書する経法大生」の育成に努めており、国際学部においても、引き続き読書推進の取り組みを進めていく予定です。アンケートの結果からも、今後もビブリオバトルの開催を希望する学生が多く、継続的に開催することを計画しています。