2022.01.06 トピックス ​【経営学部】ゼミ活動「営業・社長のかばん持ち」 キャリア・就職 学生生活 教育・研究 社会連携

本日は、経営学部・登坂ゼミの活動「営業・社長のかばん持ち」をご紹介します。希望者限定で、ビジネスの最前線で働いている営業の方や社長に一日密着し、社会人としての心得を学ぶプログラムです。
 
今回のプログラムでは、東大阪市で牛乳せっけんなどのパッケージを製作している「作道印刷株式会社」と、八尾市で介護施設を複数展開する「株式会社あぷり」に全面的にご協力いただきました。就職活動を間近に控えた3年生4名が本プログラムに参加しました。
 

営業のかばん持ち<作道印刷株式会社>

 
作道印刷株式会社は牛乳せっけんをはじめ、食品やスキンケア、化粧品など、多様な大手メーカーのパッケージ制作を手掛ける企業です。作道印刷株式会社の営業は、いわゆるBtoB(法人向け)の企画営業。今回は学生3名が、ベテラン営業マンに1日密着しました。
 
営業前の下準備。まずは、製品を知る。
 営業において基本的なことですが、自社が取り扱う資材や製品の特長、製作できる数量や納期などをお客様に説明するにあたり、自社の強みを理解することは、当たり前のことです。学生たちはまず、作道印刷が取り扱う資材や、製品の制作工程、作道印刷の強みなどを知るべく、オフィスや工場を社員の方に案内していただきながら、パッケージ制作について学びました。
 
初の営業同行
基礎知識を身に付けた後は、さっそく営業同行に移ります。
営業同行では、食品関連企業やデザイン会社、製作会社、印刷会社など、4社ほどの企業に同行しました。
 
一言に営業といえども、その仕事は多岐にわたります。新規顧客獲得のための純粋な営業活動をはじめ、関連の深い会社に広告などで使用する素材の説明、納品した製品の組み立て、協力関係のある他社への挨拶など、「モノを売る」だけではない、そのプロセスを一手に担う真の営業活動に触れました。
 
その中で学生たちは、営業の面白さや奥深さ、第一線で活躍する社員の方々のスキルを体感しました。また、社員の方々は、学生たちの素直な疑問にも快く答えてくれ、営業という仕事への理解を深めることができました。
 
例えば作動印刷は、パッケージ制作を手掛ける印刷会社ですが、同業の印刷会社へも営業に行きます。印刷にも様々な型の切り抜きや加工があり、自社の機械だけでお客様のニーズに答えられない場合は、同業他社とも協力して、作業を進めるのです。
 
 
今回「営業のかばん持ち」という活動を通じ、学生たちは営業職の重要性と、営業戦略の深さについて学ぶことができました。「どんなに良い商品でも、利益をもたらすきっかけは営業だ」とは、今回担当してくださった営業部長の長谷川様の言葉です。営業では常に相手とのコミュニケーションが求められ、営業の言葉一つで商談が成立していきます。そのために作動印刷の社員の方々は、お客様にとって最適な提案ができるよう、日々事前の準備や信頼関係の構築を大切にされているとのことです。それはまさに、学生たちがゼミで学んでいる「顧客創造型マーケティング営業」にもつながる話であり、経営学部の学びである、『理論と実践』を体現する活動となりました。
 

社長のかばん持ち<株式会社あぷり>


八尾市で複数の高齢者向けの介護施設を運営する株式会社あぷりの社長、三宅様に3年生2名が1日密着。経営者の仕事内容や仕事に対する考え方を直に学びました。
 
三宅社長の理念は、「人の死に方を変えること」。
 
日本の平均寿命と健康寿命(日常生活に制限のない期間の平均)は、男性で約9年、女性で約10年の乖離があります。つまり、日本人の多くは約10年程度、寝たきりや認知症など、介護が必要な老後生活を送っていることになります。このような高齢化社会・日本で、三宅社長は「年をとっても、いつまでもイキイキと暮らせる介護施設」をビジョンとして掲げ、「サービス付き高齢者向け住宅 あぷり」を運営されています。学生たちは、まず、社長の理念が詰まった施設の見学や、そこで行われるイベントに参加しました。
 
介護事業へのイメージが覆る半日
 
利用者が安心して食事ができるオープンスタイルのキッチン、BBQができるテラス、外との繋がりを感じることができる多様なイベント。あぷりには、老人ホームが抱えてきた「断絶された閉鎖的な空間」という課題への三宅社長なりのアイデアがあふれています。学生たちは、三宅社長から直接話を聞くことで、経営者の掲げる理念の重要性、それを体現する施設運営の手法や、組織風土の醸成など、大学の授業だけでは学ぶことのできない“リアル”な経営に触れることができました。学生たちにとっては、これまで介護業界に抱いていたネガティブなイメージがたった3時間で一変するほど刺激的な体験となりました。
 
社長の仕事
 
 施設見学とイベント参加の後には、社長ならではの仕事に密着。社長の仕事には、経営者として事業内容の決定や、人材育成、そして資金調達などがあります。今回は、会社の資産運用を行っている証券会社へ同行し、運用益の報告を三宅社長とともに拝聴しました。今の社会情勢や、最新の値動き状況について、チャート表を見ながら語り合う社長とトレーダー。専門用語が飛び交う中、学生たちは一言も聞き逃すまいとメモを取りながら必死にくらいついていきましたが、ただただ社長の仕事っぷりに圧倒されるばかりでした。
 最後には質疑応答の時間をいただくことができ、すでに少額投資にチャレンジしていた学生は、自身の経験に基づいた質問を投げかけるなど、学生の疑問にも優しく回答していただきました。
 

多くの社会人との出会いを通じて


今回の経験は、授業だけでは学ぶことができない “社会”で活躍する人々との出会いを通して、学生たちに新たな発見をもたらしてくれたと感じます。これから就職活動を始める学生たちにとっては、貴重な機会になったようです。
 
ご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。