2024.03.06 トピックス 【経営学部】インターンシップ モノづくりの街を舞台に職業理解を深める キャリア・就職 学生生活 教育・研究 社会連携

経営学部の1・2年生を対象としたインターンシップが開催されました。
本学がキャンパスを構える大阪府八尾市は、隣接する東大阪市と合わせて産業集積地域と呼ばれています。この地域は独自の技術で業界でもトップクラスのシェアを誇る「モノづくりの会社(メーカー)」が多数存在していることが特徴です。
 
そんな「モノづくりの街」を舞台に、経営学部生のインターンシップが3日間にわたり実施されました。
最終日である2/22は八尾市にあるコンペイトウミュージアムを訪問しました。
 

 

■お菓子を通して歴史と文化を伝える「コンペイトウミュージアム」

 だれもが1度は食べたことのあるお菓子「金平糖」。コンペイトウミュージアムは、ただ金平糖を販売しているではなく、「見て・聞いて・体験できる」施設として、コンペイトウの製造工程や歴史を学ぶ体験やコンペイトウの手作り体験ができます。コンペイトウを売ることを目的とするのではなく、コンペイトウなどのお菓子の販売を通して、歴史や文化を学べる施設となっています。

 
 

■西日本で最大の出荷量を誇る!!ブランディングと差別化で売り上げを伸ばす大阪糖菓株式会社

コンペイトウミュージアムは、今となってはよくある「体験型」の施設かもしれません。しかし大阪糖菓株式会社がコンペイトウミュージアムをオープンしたのは2003年。食品ミュージアムの先駆けともいえる挑戦でした。
学生たちはコンペイトウミュージアムをオープンした理由や、これまでの大阪糖菓株式会社の歩みなどを野村社長から聞くことで、経営者だけが知り得る「モノを売る秘訣」を学びました。
 
「口の数が減れば、それだけ売れなくなる」先代社長に野村社長が言われていた言葉だそうです。人口減少が続く日本社会だけで販売を続けていても、「口の数」は減っていくだけ、経営を続けるためにはコンペイトウをより多くの人に「知ってもらい、食べてもらう」そのためのPRや他商品との差別化が必要でした。「口の数」の減少に対抗するべく野村社長は様々な試みを行っていきました。時には多角化経営が災いして4億円の赤字を出し、「大仏さまの鼻くそ」というインパクトのある商品を販売した際はあるお寺に激怒されるなど、苦労も多かったそうです。近年では、コンペイトウを海外に広めるべく、コンペイトウ漫画の掲載や、ゆるキャラによるPRを実施するなど、広報活動においても他社との差別化を行っています。また、大人を対象とした新ブランドを立ち上げ、パウダーシュガーを使用したシュガラブ石鹸や、リップクリームの販売など、若い女性にも興味を持ってもらえるよう、コンペイトウの新たな需要獲得などにも力を入れています。
こうした多彩な商品企画や、メディア出演・TikTokなどを通じたPR活動により、日本中はもとより、海外からのお客様も増えたそうです。社内組織においても外国人人材の積極採用や留学生の方のインターンシップの受け入れを行っておられるとのことで、社内はとてもグローバルな雰囲気でした。

 
 

■「モノづくり」は理系だけの仕事ではない

 「機械の部品を設計する」「新しい味のため実験を繰り返す」メーカーの仕事と聞くと数学的素養や科学的知識を持った方が活躍するイメージを持つ方は多いかと思います。しかし、モノを作るだけでは商売は成り立ちません。「興味を持ってもらえるキャッチフレーズを考える」「人々が欲しがる商品を調査する」「商品を知ってもらうため広報をする」「グローバルな社内を円滑にまわせる語学力を有する」など、文系と言われる方々が「得意」とする領域で活躍できる場面も多数あるのです。
 野村社長からは「経営の知識はもちろん、文系の方々が得意とする文章力や発想力をもってメーカーで活躍してほしい」と学生たちにメッセージを送ってくださいました。
 
 インターンシップを通じて学生たちは「モノづくり」を身近に体験し、メーカーでの仕事の奥深さや苦労、そして面白さを知り、自身の活躍の場を考える気付きを得ることができました。経営学部の学びを通じて今後も職業理解を深め、経営知識を蓄え、自身の希望進路を実現するための力を伸ばしていくことでしょう。
 

■コンペイトウの豆知識

 コンペイトウは、安土桃山時代にポルトガルの宣教師が持ち込んだことで日本に広まったと言われており、かの織田信長も愛したという逸話が残っています。そんなコンペイトウ、実は出来上がるまで15日もかかる非常に手間のかかるお菓子なのです。1㎜にも満たないグラニュー糖に釜で蜜をかけることによって1日に1㎜ずつ大きくなっていきます。商品として目にするサイズになるまでは約2週間かかるそうです。