2023.12.01 トピックス 【国際学部】国際NGO職員ゲストレクチャー「ウクライナ難民支援の最前線」開催! 教育・研究


 11月21日、国際NGO「AAR JAPAN[難民を助ける会]」職員の今野 聖巳さんをお招きし、ウクライナの隣国モルドバでの難民支援の現状について、モルドバ現地からリモートでご講演いただきました。

 モルドバには約12万人の難民が滞在すると言われています。現地ではどんな支援が必要とされているのか、国際問題の解決に向けて個人にはいったい何ができるのか。学生たちは真剣な表情で講演の内容に耳を傾け、その後、質疑の時間をめいっぱい使って今野さんと議論を交わしました。


 

国際問題を現場から学ぶ



 「AAR JAPAN[難民を助ける会]」は国連に公認・登録された日本生まれの国際NGOです。その職員として難民支援の最前線に立つ今野さんは、ウクライナから国外へと逃れてきた人々を支えるため、モルドバ支部で食料・生活必需品の配布や難民滞在施設の支援などを行っています。難民の社会統合を促進するため、難民とモルドバの地域住民の双方を支援し、人々の軋轢を防ぐのも重要な活動の一つだといいます。
 
 教科書を読んだりニュースを観たりするだけではなかなか見えてこない難民問題の現実について、今野さんはこれまでに接してきた難民の声なども紹介しながらご講演くださいました。
 
 学生からは「日本では外国人技能実習生をめぐる人権問題が生じている。難民受入国においても、難民に対する人権侵害は起こりうるのか」、「国による難民の受入と支援は重要だが、解決できるかどうか不確実な問題に政策を講じることになるのではないか。そうした不確実性をどのように考えるべきか」といった質問がなされ、活発な議論が交わされました。講演後も、追加の質問のために学生たちが集まってくるほどでした。

 

学生の声



 講演を受けて、学生たちからは次のような声が寄せられました。
 
 「難民という言葉の意味は知っていましたが、十分に理解できていなかったことが今回わかりました。難民問題を解決するためにNGOがどのように取り組んでいるのかを知ることができ、有意義な時間になりました」

 「私は卒業研究で難民と移民の問題に取り組んでいます。今回の講演で、この問題に関する知識を増やし、考え方を広げることができました」

 「日本による難民の受入れは少数に留まっていると以前知り、なぜもっと受け入れないのかと疑問に思っていました。今回の質疑応答において、政策面で困難があることなどを聞いて納得しました。何より難民について深く知ることができてよかったです」

 「難民というと、難民キャンプをイメージしがちでしたが、そうではない形で支援を受けている難民について知ることができました。難民問題をもっと詳しく知りたいと思い、卒業研究のテーマにすることも考えはじめています」