学生研究発表大会での挫折が
夢をつかむ推進力になった話

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成長と挫折の両方を味わった、学生研究発表大会。
学生研究発表大会は年に一度開催される経法大の恒例行事で、自分たちの研究成果を学生や教員の前でプレゼンテーションする真剣勝負の場です。何十組もの参加者が多様な研究内容を発表し、審査員を務める教授陣からの鋭い質問にも答えながら順位を競います。

私は3年生の時にチームで出場し、マイナンバー制度に関する研究を発表しました。当時、政府はマイナンバーカードを普及させるためにマイナポイントという特典をつけるなど、さまざまな施策を展開していましたが、事は思うように運んでいませんでした。それどころか、いまだにマイナンバー制度自体の賛否は分かれています。
法学部生としては、個人情報保護という観点から考えるとマイナンバーカードに慎重になる気持ちも理解できます。一方で、さまざまな手続きを簡略化・一元化できるというメリットもわかります。そのため、メリットとデメリットを再整理し、マイナンバー制度の是非を研究することにしました。

まずは賛成と反対、両方の視点から分析するためにチームでディベートを実施。それぞれが調べてきたことを軸に、賛否の意見を戦わせました。私は制度に反対の立場でディベートに参加し、次のような意見を述べました。

「マイナンバーは個人情報を国家が一元的に管理する制度ですが、行政に関連する情報だけでなく、将来的には預貯金や健康保険、運転免許証、個人の病歴などまで紐付けられる予定です。情報漏洩のリスクがある上に、経済状況や心身の状況までも管理することは国家によるプライバシーの侵害とも言えるのではないでしょうか」

ディベート上での意見ではありますが、これはこれで真実のような気もしてきます。ただ、賛成側の意見を聞いていると、ここでデジタル化を推し進めなければ日本の行政は立ち行かなくなることも理解できます。そして、人権保護が憲法で保障されている日本において、行政サービスがプライバシーを侵害することはないという指摘も説得力のあるものでした。

研究を進めれば進めるほど、どちらが正しいとは言い切れなくなっていったので、発表内容をまとめるのにはかなり苦労しました。それでも、個人的な主観をできる限り排除し、双方の意見を議論・集約しながら発表資料をまとめていく過程は、とても充実した時間だったと感じています。チームで取り組むことで自分一人では辿り着けない新たな考えや視点を、どんどん獲得していくような感覚があったからです。

そして、いよいよ本番当日。
事前にプレゼンの練習を何度も重ね、自分たちとしては準備万端のつもりで本番に臨みました。しかし、いざ発表が始まると味わったことのない緊張が全身を包み、納得のいくプレゼンテーションをすることはできませんでした。教授陣からの質問も法律や制度に関するハイレベルなものが多く、自分たちの研究不足を痛感させられ、反省点だらけの研究発表となりました。

大会終了直後はさすがに落ち込みましたが、この研究発表大会がきっかけとなって、法律問題や時事ニュースに一層関心を持つようになり、日頃から自分なりに時事問題を考察する習慣も身に付きました。学修に対するモチベーションも驚くほど上がり、図書館に毎日通って国税専門官の試験勉強をするようにもなりました。法律関係から経済学や経営学、社会学まで幅広い知識を問われる難関試験ですが、学部の授業で基礎的な土台を築き、その上に「Sコース(特修講座)」で実践的な試験対策を積み上げていったので、自主勉強をする時も迷いなく学修を進められました。

おかげで、夢だった国税専門官の採用試験にも見事合格することができました。国税専門官は税のスペシャリストなので、まだまだ学ぶべき専門知識はたくさんありますが、これからは税制面から社会を支える人材になれるよう一層努力していくつもりです。

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