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【国際学部 フィールド・プロジェクト日本】錦城護謨株式会社を訪問
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2025年12月2日、【国際学部】フィールド・プロジェクト(日本)の授業で、学生たちが錦城護謨株式会社を訪問しました。
フィールド・プロジェクト(日本)は国際学部の留学生のために設けられている授業であり、学生たちはこの授業で日本の経済、社会、文化について学んでいます。この授業の目的はSDGs(持続可能な開発目標)の視点から、日本社会、経済、文化と労働について学ぶことです。
さまざまな社会問題がある中、先進国の日本にとってもSDGsへの取り組みはもはや他人事ではありません。そして、ビジネス環境、投資家や消費者の意識が変化する中、多くの日本企業は新たなイノベーションとビジネスチャンスを目指してSDGsに取り組んでいます。企業の皆さんは実際現場でどのように努力をしているのだろうか?学生たちはこの疑問を持って、錦城護謨株式会社を訪問しました。
錦城護謨株式会社は大阪府八尾市に本社を置く、ゴム製品のメーカーです。工業用ゴム・樹脂製品の製造・販売だけでなく、自社ブランド土木資材の製造及び施工も主力事業としており、視覚障がい者歩行誘導マットの製造・販売・施工も手掛けています。コスト競争が激しいなか、錦城護謨は確かな品質と顧客のニーズに応える開発力、提案力で選ばれ続けています。そして、「選ばれる会社から応援され続ける会社へ」を目指して錦城護謨はCSR活動の一環として2010年に国連グローバル・コンパクトに署名しており、SDGsにも積極的に取り組んでいます。これらの努力は短期的に利益を出せるわけではないが、中長期的には企業利益と社会利益を同時に実現できると期待されています。
社員の方による説明では、廃材の再利用による廃棄物削減や材料開発によるエネルギー節約とCO2排出量削減のほかに、食べられなくなった備蓄米を利用した環境配慮型ドレーン材の開発、製造などの努力が紹介されました。そして、SDGsを周知するための社内研修会や廃材を活用した工作体験を通じた啓発イベントといった地道な取り組みも紹介され、学生たちが熱心に説明に耳を傾けて、積極的に質問をしていました。
会社訪問を通じて、学生たちはものづくりの魅力を味わっただけでなく、経営の課題と社会の課題に同時に取り組むことの意義を学べました。社員の皆さんは学生たちの質問に丁寧に答えてくださり、成果だけでなく、企業がSDGsを取り組む際の課題についてもご紹介くださいました。
体験型ワークショップ
説明を受けた後、学生たちは社員の方が用意してくださった体験型ワークショップに参加しました。
ワークショップでは、学生たちは目隠しをした状態で、ゴム製誘導マット「歩導くんガイドウェイ」でつくられた誘導路を歩き、視覚障がい者の方にとって誘導マットがどれほど重要な役割を果たしているかを体験しました。誘導マットの重要性は想像することはできても、実際にそれを頼りに歩く立場になってみなければ気付かないことも多くあります。
「歩導くんガイドウェイ」は室内環境であれば簡単に設置できる利点があり、また傾斜が緩やかなため、車椅子やベビーカーでもスムーズに通行できます。学生たちはこうした体験を通して、さまざまな人々が共存できるユニバーサルデザインの重要性についても学ぶことができました。
学生たちの声
- 今回の見学では、ゴムを原料としたスポーツ用品や家電、そして特に力を入れている医療関連製品を実物とともに拝見し、錦城護謨株式会社の社員の方から詳しく説明していただきました。普段は気づかなかったゴム製品の中に多くの技術と工夫が込められていることを知り、ゴムという素材への理解が大きく深まりました。
また、視覚障がい者向け歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」の体験もさせていただきました。目隠しして歩くと、わずかな方向の変化でも大きな不安を感じ、見えない状態で移動することの難しさを実感しました。「歩導くんガイドウェイ」は視覚障がい者の安全な移動を支えるものであり、その重要性を深く理解することができました。 - 環境負荷を減らすためのCO₂削減への取り組みや、再利用可能な材料の活用、さらに視覚障がい者の安全な移動を支える製品開発など、企業としての責任を果たす姿勢が強く印象に残りました。今日の見学を通じてCSRやSDGsについて学ぶことができ、実際に体験することで、錦城護謨株式会社の取り組みや考え方をより深く理解することができました。今回学んだことは貴重な経験となり、これからの学習や自分の将来にも必ず役立つと感じています。
- 今回の訪問を通して、ゴム製品が私たちの日常生活の中でどれほど重要な役割を果たしているのかを深く知ることができました。特に印象に残ったのは、視覚障がい者がどのように誘導マットを利用して歩いているのかを体験するワークショップです。見えない状態で歩くことの難しさを体感し、社会には多様な人が生活していることを改めて実感しました。この活動を通して、企業が製品だけでなく「気づき」も提供していることに感動しました。
- これまで私は、ゴムといえばタイヤのイメージしかありませんでした。しかし、錦城護謨株式会社さんの製品が子どもから大人まで幅広い人々の生活に役立っていることを知り、社会に大きく貢献している企業であることがよくわかりました。普段何気なく使っているリモコンのカバーや炊飯器、にも多くのゴム部品が使われていること、そして医療用品にも欠かせない素材であることを知り、非常に驚きました。今まで意識したことのなかったゴムの幅広い用途を学ぶ貴重な機会となりました。
さらに、環境にやさしい素材を活かした地盤改良に関する取り組みの紹介もとても印象的でした。日本のように災害の多い国では、地盤を強くして安全を守る技術が非常に重要です。今回の訪問で得た学びを、今後の勉強に活かしていきたいと思います。