2021.12.07 トピックス 【国際学部】国際学部専門演習Ⅰ(吉良ゼミ)で国際問題についてのディベート実践 教育・研究


 本学の国際学部は、英語はもちろんのこと、社会科学についても専門的に学修することができます。そうした社会科学分野のゼミではどのような授業がなされているのか。国際学部2年生のゼミである専門演習Ⅰの1つ吉良ゼミにおける、国際問題についてのディベート実践をご紹介します。
 吉良ゼミでは、春学期から夏休みまで、高坂正堯氏の『現代史の中で考える』(新潮社、1997年)を輪読し、近現代の国際関係について基礎的な知識を学びました。
 秋学期からは、国際問題を多角的視野から分析する能力を身に付けること、そして、自身の見解を根拠に基づいて論理的に主張できるようになることを目的として、ディベートを中心とした授業が行われています。
 

ディベートによる国際問題理解

 ディベートとは、①公に関わる問題について、②対立する複数の立場の意見をまじえつつ、③中立の第三者に対しても説得的であることを目的として行われる議論です(全日本ディベート連盟の定義)。ディベートによって、複数の視点を意識することは、国際問題を考察する際の強力な武器となります。
 2021年11月26日の授業で実施されたディベートでは、「安楽死を日本でも導入すべきか否か」をテーマに、討論がなされました。安楽死は、個人の自由、各国の法政策、そして死生観と関わる重要な問題です。
 肯定側、否定側ともに入念な準備がなされており、審査する学生も「採点が難しかった」と述べていました。講評では、教員よりジョン・スチュアート・ミルの危害原理や1961年の英国自殺法について解説がなされ、ゼミ生は安楽死問題の難しさを再認識しました。
 

ディベート大会出場に向けて

 今回のディベートは3回目です。回を経るごとに提示される根拠は充実し、立論構成も上達してきました。毎年12月には、全日本ディベート連盟主催の全日本大学ディベート選手権大会が開催され、日本全国の大学生がディベート技術を戦わせます。ゼミ生が3年生に進級した後は、ゼミ内で選抜を行い、選抜チームがこの大会へ出場することが予定されています。
 現在、ゼミ生は来る全国大会へ向けて、日々ディベート技術を磨いています。