2021.06.03 トピックス コロナ禍における留学生への日本語サポート 「日本語エクストラアワー」実施中 留学・国際交流

「授業中、先生の話の内容が分からないときがあります。空いている時間に会話のレッスンをしてもらえませんか」
ある日の遠隔授業後、モニターの向こうにいる海外在住の留学生からこんな相談がありました。

本学では、コロナ禍により、いまだ多くの留学生が母国からの遠隔授業を余儀なくされています。
その中にはまだ一度も日本、そして本学を訪れたことのない学生達も含まれています。
相談してくれた留学生もそのような留学生のひとりでした。

本学では、かねてより「海外在住留学生の疎外感の緩和」を重要な指針の一つとしています。
それを達成するためには、授業における教員-留学生間の密接な関係作りが欠かせません。
このような背景から、今回日本語能力に不安を持つ留学生に向けた「エクストラアワー(補講)」を実施することとなりました。
 

少数クラスでの日本語能力向上に向けた取り組み

今回のエクストラアワーは、授業内の希望者を対象として週1回30分程度の会話レッスンを行うというものです。
内容は、実際の録音データを用いたフィードバック、適切なタイミングであいづちを打つ練習、
会話でよく使うフレーズの解説など。
授業内だけでなく、自宅でも会話の練習ができるような「自主学習の方法」も盛り込んでいます。

参加している留学生はまだ少数ですが、少人数の授業だからこそ留学生たちのさまざまな「顔」を見ることができます。
実際、5/12(水)の補講でも、アニメの話からK-POPの話まで、通常の授業では触れられないようなテーマに話が及びました。

このような取組を、留学生はどのように捉えているのでしょうか。
参加者のひとり(3年次編入・中国在住)は、このように話しています。

「ふだんの授業では出てこないような言葉を勉強できるところがいい。
先生とも気軽に話せるので会話の練習になる」

留学生たちといつもより近い距離で話せることもエクストラアワーの強みの一つ。
和気藹々とした雰囲気の中、日々会話能力の向上に励んでいます。
 

悩みがある時は相談を

この日本語エクストラアワーは、たったひとりの留学生の声から端を発したものです。
実はその「ひとり」こそが大切だと思っています。

すべての留学生の声に耳を傾けることは容易ではありませんが、一方で「すべての留学生」への道は
「目の前のひとり」から始まる、というのが本学の留学生教育と支援の基本的な考え方です。
だからこそ「目の前の学生が、まさに今何に困っているのか」を知り、
その解決に走ることもまた大学の重要な役目です。

「藁にも縋る(わらにもすがる)」という言葉があります。
「本当に困ったときには、藁のような弱いものにも助けを求める」という意味です。
本学には、「藁」ではなく、ひとりひとりの留学生の悩みに真摯に向き合う教職員や学友達がいます。

留学生の皆さん、なにか困っていることや要望などがあれば、
演習や日本語の先生、国際教育交流センターのスタッフ、また、大学の「誰か」に相談を寄せてください。
いつでもご連絡をお待ちしています。
 
Mail:kokusai@keiho-u.ac.jp
Tel:072-941-5597