市民アカデミア2017

 

連続講座 [3]
日本人と植民地――在朝日本人
開講日:10月20日(金)、11月24日(金)、12月15日(金)
開講時間:午後7〜9時
コーディネーター:平田賢一 (大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員)

 1876年、日朝修好条規が調印されて日本人が釜山などに移り住むようになり、1910年の韓国併合によって日本は朝鮮を植民地とした。そして1945年、日本の敗戦によって引き揚げるまで、朝鮮半島には多くの日本人が住んでいた。商人、農民、漁民、教員、憲兵、警察官、官吏、経営者などさまざまな階層の人びとがおり、最大時75万人いたと言われる。彼らにとって植民地という経験はどのようなものであったのか。また、生活者として植民地に居住した彼らは朝鮮人とどのように接していたのか。最新の研究成果に基づいて、朝鮮人社会との関係に重点をおきながら、70年に及ぶ在朝日本人の歴史について考える。

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第1回:10月20日(金) 午後7〜9時
在朝日本人とは――70年の軌跡

木村健二 (下関市立大学名誉教授)

《講義内容》
 第二次世界大戦前の日本近代史上を通して、小さな県の人口ほどの人数として存在した「在朝日本人」とはどのような人びとなのか。それを、まずどのような動機や経緯で朝鮮へ渡って行ったのか、時期別・職種別にたどっていく。そしてその過程で、帝国日本や出身地及び出先の地域社会といかなる関係を切り結んで行ったのかについて、最多の移住者を出した山口県の県内に残る史料、各種の人名録・伝記類などを通して明らかにするとともに、当時の日本人の海外移住総体の中に位置づけて検討する。

《講師プロフィール》
木村健二(きむら・けんじ、下関市立大学名誉教授)
1950年愛媛県に生まれる。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学、東京農工大学、下関市立大学教授を経て、下関市立大学名誉教授・中央大学政策文化総合研究所客員研究員。主な著作に、単著『在朝日本人の社会史』(未来社、1989年)、共著『近代植民地都市 釜山』(櫻井書店、2007年)、共編著『日本帝国勢力圏の東アジア都市経済』(慶應義塾大学出版会、2013年)、共編著『日本帝国崩壊期「引揚げ」の比較研究』(日本経済評論社、2016年)など。山口県史(近代)編さん専門委員、日本移民学会会長、日本植民地研究会代表理事を歴任。

第2回:11月24日(金) 午後7〜9時
東拓農業移民と不二農場集団移民

李圭洙 (一橋大学韓国学研究センター専任チーフ・コーディネーター)

《講義内容》
 植民地朝鮮はフランス支配下のアルジェリアに次いで世界で二番目に大きい移住植民地であった。日露戦争以後、移り住む日本人が飛躍的に増加して1920年には約35万人、敗戦時には70万人に達していた。彼らは、官僚・軍人・商人・地主などとして植民者としての特権を持ちながら、朝鮮人と隔離された空間で暮らし、朝鮮総督府とともに植民地統治を担った。そして植民地朝鮮を第二の故郷とし、朝鮮に永久に定住するつもりで移住した人々だった。本講義では、東拓農業移民と不二農場集団移民を中心に日本人移民の移住過程とその特色を明らかにしたい。

《講師プロフィール》
李圭洙(イ・ギュス、一橋大学韓国学研究センター専任チーフ・コーディネーター)
1962年韓国光州生まれ。高麗大学校史学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。日韓関係史専攻。著書に、日本語の著作として『近代朝鮮における植民地地主制と農民運動』(信山社出版)、『布施辰治と朝鮮』(共著、高麗博物館)、『近現代東アジアと日本−交流・相剋・共同体』(共著、中央大学出版部)があり、韓国語の著作として『開港場・仁川と在朝日本人』(寶庫社)、『植民地朝鮮と日本、日本人―湖南地域の日本人の社会史』(ダハルーメディア)、『韓国と日本、相互認識の変容と記憶』(語文学社)、『帝国日本の韓国認識、その歪みの歴史』(論衡)などがある。

第3回:12月15日(金) 午後7〜9時
朝鮮総督府官僚と「文化政治」

松田利彦 (国際日本文化研究センター教授)

《講義内容》
 戦前日本の統治下にあった朝鮮には大量の官僚が送りこまれた。本国からの植民者の中で官吏が高い割合を占めたことは西欧諸国の植民地に比べても、きわだった特徴だった。また、朝鮮総督府は、「韓国併合」にともなって旧大韓帝国政府の官吏を取りこんだため、多くの現地民族(朝鮮人)の官僚を抱えることになった。この点は台湾総督府とは異なる。朝鮮総督府の官僚はどのような出自をもち、どのようにキャリアを積んだのだろうか。また、日本人官僚は朝鮮人の民族独立運動にどのように対抗しようとしたのか。朝鮮人官僚は、朝鮮社会の中でどのような位置を占めたのか。近年盛んになってきた植民地官僚研究の成果を紹介しながら、1920年代の「文化政治」期を中心にこれらの疑問に答えたい。

《講師プロフィール》
松田利彦 (まつだ・としひこ、国際日本文化研究センター教授)
1964年生まれ。京都大学大学院文学研究科単位取得修了。京都大学文学部助手、神戸商科大学商経学部専任講師を経て、1998年国際日本文化研究センター助教授となり2013年より現職。日本統治期朝鮮の警察・官僚、「親日派」朝鮮人などの研究を行う。著書に、『日本の朝鮮・台湾支配と植民地官僚』(共編著。思文閣出版、2009年)、『日本の朝鮮植民地支配と警察―1905〜1945年』(校倉書房、2009年)、『東亜聯盟運動と朝鮮・朝鮮人』(有志舎、2015年)など。


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(※この講座は東京麻布台セミナーハウスで開催される講座です)

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<お問い合せ先> 大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター
〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-5 東京麻布台セミナーハウス
TEL:03-5545-7789 FAX:03-5545-7788 E-mail:capp@keiho-u.ac.jp