市民アカデミア2017

 

連続講座 [2]
戦後史検証E――NHKドキュメンタリー番組制作者が語る
開講日:10月14日(土)、11月4日(土)、12月2日(土)
開講時間:午後2〜5時

 2012年にスタートしたシリーズ。6年目の今年は、1960年代を取り上げる。1960年代に入ると、日本は高度経済成長を謳歌するようになったが、水俣病をはじめとする公害が深刻な社会問題になった。国際的には、1964年のトンキン湾事件を契機にアメリカ軍がベトナム戦争に本格介入。戦争が泥沼化する中、世界中で反戦運動が巻き起こり、既存の政治体制に「ノー」を突きつける若者たちの同時多発的な「反乱」に結びついていった。こうした世界の動きの背景には何があったのか。その後の日本社会や国際関係にどのような影響を与えたのか。NHKのドキュメンタリー番組を紹介しながら、番組制作者自身が取材体験を交えて語る。

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第1回:10月14日(土) 午後2〜5時
ベトナム戦争と平和構築―「敵との対話」の教訓

東大作(上智大学准教授、元国連政務官、元NHKディレクター)

《講義内容》
 1998年、私はNHKディレクターとして「我々はなぜ戦争をしたのか〜ベトナム戦争・敵との対話」というNHKスペシャルを手掛け、ベトナム戦争を遂行した戦争当時の米国・ベトナム双方の指導者が、戦争が終わって30年後にハノイで対話し、どうしてあの戦争を防ぐことができなかったのか、もっと早く終結させる方法はなかったのかを徹底対話した内容をテレビ番組にした。その10年後、今度は国連政務官として、アフガン紛争におけるアフガン政府(及び米国)とタリバンの和解を促す体制作りを支援する業務に、アフガンの首都カブールで従事した。そして、米国が一貫して持つ「軍事的に優位に立たない限り政治交渉はできない」とする姿勢が、ベトナム戦争においても、現在のアフガン紛争でも、和平交渉の大きな障害になっていることを肌で実感することになった。

《講師プロフィール》
東大作(ひがし・だいさく、上智大学准教授、元国連政務官、元NHKディレクター)
1993年‐2004年、NHKディレクター。企画制作したNHKスペシャルに「我々はなぜ戦争をしたのか〜ベトナム戦争・敵との対話」(放送文化基金賞)、「イラク復興 国連の苦闘」(世界国連記者協会銀賞)等。04年‐09年、カナダ・ブリテイッシュコロンビア大学政治学科で修士と博士(博士号)。09年から10年末まで、カブールの国連アフガン支援ミッション和解・再統合チームリーダー。11年1月より東京大学准教授。12年から14年、ニューヨークの国連日本政府代表部の公使参事官。14年8月に東大復職後、16年4月、上智大学グローバル教育センターの専任(テニュア)の准教授に着任。主な著書に『人間の安全保障と平和構築』(日本評論社、2017年)、『平和構築』(岩波新書 2009年)、『我々はなぜ戦争をしたのか』(岩波書店 2000年)等。

第2回:11月4日(土) 午後2〜5時
水俣――戦後復興から公害へ

宮田興(NHK2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部専任部長)

《講義内容》
 戦前、日本の植民地・朝鮮半島北部で化学コンビナートや水力発電所など一大コンツェルン を築いた日本窒素肥料株式会社(チッソ)。終戦の2ヵ月後、水俣に引き揚げてきた社員が中心となり工場を再開。チッソは戦後復興と食糧増産という国策と結びつき急成長していく。そして戦後11年目の1956年、水俣病は公式に確認されたが、経済成長政策のもと対応は後手に回り被害は拡大。チッソの城下町だった水俣の運命も大きく変わっていく。復興はなぜ公害へと至ったのか。水俣の人々はどのような運命をたどったのか。「戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのかA 水俣―戦後復興から公害へ」(2013年)などの取材・制作経験をもとに語る。

《講師プロフィール》
宮田興(みやた・こう、NHK2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部専任部長)
1963年東京都出身。公害や社会福祉などに関するドキュメンタリーを制作。ETV特集「三池を抱いた女たち」(2014 放送文化基金賞最優秀賞)、「原田正純 水俣 未来への遺産」(2012 放送文化基金番組賞)、「死刑囚永山則夫」(2009 ギャラクシー大賞)、「枯葉剤の傷痕を見つめて」(2010 ギャラクシー優秀賞)、「戦後史証言プロジェクト 水俣」(2013 ギャラクシー特別賞、地方の時代映像祭選奨)ほか。

第3回:12月2日(土) 午後2〜5時
若者たちの反乱――全共闘当事者の証言から

東野真(NHK名古屋放送局制作部長)

《講義内容》
 1960年代末、既存の政治や社会システムに「ノー」を突きつける若者たちの反乱が、世界各地で同時多発的に巻き起こった。アメリカの公民権運動やベトナム反戦運動。パリの「5月革命」。チェコの「プラハの春」。そして日本では、いわゆる「全共闘運動」が全国の大学に燃え広がり、1969年1月の「安田講堂事件」へとつながっていった。当時の若者たちを運動に駆り立てていったものは何だったのか。当事者たちはその体験をどのように振り返っているのだろうか。NHKスペシャル『戦後50年そのとき日本はE大学紛争 東大全共闘・26年後の証言』(1995年)などの取材・制作経験をもとに語る。

《講師プロフィール》
東野真 (ひがしの・まこと、NHK名古屋放送局制作部長)
1965年鹿児島県生まれ。NHK入局後、現代史の分野を中心にドキュメンタリー番組を多数制作。1960年代を扱った番組に、NHKスペシャル『戦後50年そのとき日本はE大学紛争 東大全共闘・26年後の証言』(1995)、ETV特集『シリーズ アメリカ団塊の世代は今』(1996)などがある。最近のプロデュース作品に、NHKスペシャル『カラーでよみがえる東京』(2014、菊池寛賞)、ETV特集『武器ではなく命の水を〜医師・中村哲とアフガニスタン〜』(2016、ワールドメディアフェスティバル金賞)など。主な著作に『昭和天皇 二つの「独白録」』、『緒方貞子―難民支援の現場から』、『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』(共著)など。


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(※この講座は東京麻布台セミナーハウスで開催される講座です)

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