トピックス TOPICS

教育研究 2016.05.27

国際学部 基礎演習 企画第2弾 「難民ナウ!」代表 宗田勝也氏による講演

 2016年5月26日、国際学部の基礎演習の国際的なキャリアについて学ぶ講演会の第2回目が本学花岡キャンパスA号館201教室で催されました。今回の講演は、国際的な舞台ではなく国内を中心として活動を展開されている、難民ナウ!の代表、宗田勝也さんをお迎えして、「難民問題を天気予報のようにBroadcasting Refugee Issues like Weather Report」というテーマでお話しいただきました。
 宗田勝也さんは、日本で初めてNPOが放送免許を取得した“FM79.7京都三条ラジオカフェ”を利用した日本で初めての難民問題を専門的に取り上げたラジオ番組「難民ナウ!」の放送を始め、一般的には重苦しいと思われがちな「難民」の情報を日常的なものにする活動をされてきました。今回は、ご自身のこれまでの活動をふまえて、私たちがどのように難民問題を身近なものとしてとらえることができるのかをお話しいただきました。
 2004年から始まったこの番組は毎週土曜日19:00から6分間の番組ですが、これまでにすでに世界各国600人以上の難民問題に関わる様々なジャンルの人々のインタビューが行われてきました。

「今の自分に置き換えて」考えてみることができる「難民問題」のとらえ方

 お話の中で、ある難民になった人の言葉を紹介いただきました。
「難民になるというのは、朝、学校や仕事に出かけて、そのまま二度と帰る家がなくなるようなもの」
“Being Refugee is Leaving for Work or School in the Morning and Never to Return Home Again.”
 帰る家があることが当たり前の私たちにとって、これはとても想像が難しいものですが、多くの学生にとっても今置かれている状況がいかに恵まれているのかを考えさせられる言葉であったという感想が多くありました。宗田さんのお話は多くがご自身の経験を共有していただくという形式のものが多く、第1回目の「世界を舞台に」したお話とはまた別の「今の自分に置き換えて」考えてみることができる「難民問題」のとらえ方を学びました。

誰でも難民になりえる時代

 地震大国といわれる日本においても、実は「難民」のような状態になることはあり得ることであり、阪神淡路大震災、新潟中越地震、新潟中越沖地震、そして東日本大震災を経験した日本では戦争や紛争ではないけれど多くの人が避難を余儀なくされ、長期にわたって帰宅できないという未曾有の事態を経験しています。原因は異なるとはいえ、「誰でも難民になりえる時代」になったのだということを改めて考えさせられる講演となりました。
 そこで、お互いが普段からどのように関わっていくのかということがとても重要であり、それは物質的なものだけではないということをご自身の活動からご紹介くださいました。6月20日の「世界難民の日」に合わせて、京都ではショッピングセンターを利用し、UNIQLOとの協働で衣類のリサイクル支援活動が行われ合計5万着が集まり、これらが支援物資として送られることになりました。また、家族4名が1ヶ月生き延びるためのフードパッケージへの支援活動が行われ、30家族分がシリアに送られたそうです。
 このような物質的支援と平行してShare My Heartの活動では、お互いの気持ちの支援交流が行われ、言葉を贈り合うという「つながり」を重視した活動もあることをご紹介いただきました。この活動には、この講演の後何名もの大阪経済法科大学の国際学部の学生が参加を申し出ています。

 また、宗田さんご自身がヨルダンを訪問された際に、出会った人々の生活はあまりに過酷で、戦闘に巻き込まれたり爆撃の被害によって家族を亡くした人たちがあちらこちらに当たり前のようにいることに衝撃を受けたご自身の経験を共有してくださいました。また、ヨルダンの人々の生活水準は私たちの生活とそれほど差がないにもかかわらず、受けられる支援は、家族4人で日本円にして月わずかに8,000円(訪問時)というものであり、国が安定していないことがどれほど困難な状態を生み出すのかを改めて考えさせられる内容でした。

「難民」として生まれてくる人はいない

 個々人がそれほど困難なく参加できるものを始め、様々な活動をご紹介いただき、そうした活動についての具体的な内容について参加した国際学部の学生たちからも大変多くの質問が出ました。日本語がまだ十分使えない海外からの学生も理解できた内容を元に、英語で質問するなど、多くの学生が心動かされたようでした。

「難民」として生まれてくる人はいない
There Are No People Who Are Born as “Refugees.”

 様々なことが語られた中で、学生の感想文にはこの言葉がとても印象に残ったというものがいくつもあり、より身近に考えることのできる有意義な講演となりました。

このページを他の人と共有する