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教育研究 2015.02.19

府中小企業家同友会八尾支部との共催による第17回八尾シンポジウムを開催

 2015年2月7日(土)に「第17回八尾シンポジウム」(主催:大阪府中小企業家同友会八尾支部、大阪経済法科大学、後援:八尾市)が、本学八尾駅前キャンパス[オーバル]にて開催されました。
 八尾シンポジウムは、大阪府中小企業家同友会八尾支部が、これからの八尾のまちづくり、産業のあり方について、公開型で多くの方々と共に議論し考えていく機会として、毎年1回開催されてきたものです。今回は前回に引き続き本学との共催での開催となりました。
 大阪府中小企業家同友会八尾支部と本学は、2012年度のオーバル開校以降、オーバルでの支部例会開催と学生・教員の参加や、製品・販売戦略にかんする連携活動など、盛んに交流活動を展開してきました。
 こうした活動を一層推進・発展させていくために2014年10月、本学は大阪府中小企業家同友会と包括連携に関する協定を締結しました。今回のシンポジウムは、協定締結後に協働して開催された初めての大型イベントです。
 また、2013年2月、本学は八尾市と包括連携に関する協定を締結しており、シンポジウムに後援として八尾市が加わることにより、八尾支部、本学、八尾市の3者が文字通り「産学官」連携して、八尾市の将来について考えていく機会が創出されたことになります。

今回もテーマは「連携」

 今回も前回に引き続き「『連携』は、モノを産み出す『チカラ』だ!」をテーマに、八尾市の将来のあり方について考えていくことをシンポジウムの開催趣旨に据えました。
 八尾市では、2001年に八尾市中小企業地域経済振興基本条例が制定され、2011年に「連携」の重要性について、その趣旨を明確に取り入れる形で改定されました。これまで、地域中小企業が多くの活動体とともに連携してまちづくり、産業振興に取り組む意識が高まってきており、種々の活動も進展してきています。
 八尾市の将来について考えていく論点は種々ありますが、シンポジウムで注目したのは、新産業の創出です。人口減少問題等、経済活動を展開していく上で制約が大きいなか、「住みたい街」「住み続けられる街」として存立していくために、新産業の創出が求められます。既存産業と市民の持つ技術・ノウハウと英知を地域レベルで結集(連携)することにより産み出される地域発の新産業は、新たな市場や雇用等を産み出すだけでなく、既存産業界、市民生活にも恩恵をもたらす、いわゆる「好循環」が生まれることが期待されているからです。
 前回のシンポジウムでは、八尾支部会員の異業種企業間による連携、また八尾支部会員企業と本学の演習クラスとの連携による成果物が創り出されるまでの開発秘話や連携活動を進めていく上でのポイント等について、実際に成果物の展示・紹介を通して確認する機会でした。それから1年が経過し、多くの連携活動が「創る」から「売る」段階に入っています。この間、異業種企業間による連携活動に加え、新たな八尾支部会員企業との連携活動が本学の演習クラスと展開されるようになり、「売る」に重点を置いた取り組みとして、マーケティング、販売戦略のプランニング等を実践し、「売る」という新たな課題に挑戦してきました。今回のシンポジウムでは、こうした取り組み内容について、前回と同様に成果物の展示と紹介とともに共有する機会となりました。
 以上のシンポジウムの取り組みにおいて、前回同様、今回も発表、議論の場に、本学の学生、教員も参加し、さらに、シンポジウムじたいの計画、運営を担う実行委員会は、本学の学生が主体として組織されるなど、次の世代を担う学生が大活躍する機会となりました。

各セッションを通して「連携」の必要性を再確認

 シンポジウム会場は、報告・パネルディスカッション会場(6階)と展示・体験会場(1階・6階)、企業紹介コーナー(6階)の大きく3つのゾーンで構成されました。

 報告会場では、はじめに「シンポジウム・セレモニー」として、実行委員長の本学経済学部3年・中村一平さんの開会の挨拶に続き、主催者より八尾支部長・山田耕司氏、本学の藤本和貴夫学長、後援者より八尾市の田中誠太市長からの挨拶がありました。

■第1部:シンポジウムにあたって
 第1部「シンポジウムにあたって」では、はじめに基調報告として、藤原義春氏(大阪府中小企業家同友会・副代表理事)より、シンポジウムを進めて行くにあたって、まずは参加者全体で共有しておきたいこととして、国、地方自治体が直面する人口減少、財政難等の問題、一方、企業が直面する事業承継問題や市場の縮小、産業構造の変化等の問題についての指摘があり、これらは、地域経済、それを支える中小企業、市民生活の存立にとって大きな不安を与えており、一層先を見通すことが困難な厳しい環境下にある状況について説明がありました。
 続いて調査報告として、本学経済学部・髙橋慎二准教授の専門演習クラスの学生により、とくに商店街・商業者について、近鉄八尾駅周辺の商業地域をフィールドとした独自調査結果をもとに、商店街・商業者を取り巻く、こうした厳しい内外の経営環境について、具体的に示されました。
 これら2つの報告では、市民連携により、課題解決に向けた取り組みを推進していくことの必要性が共に訴えられておりました。

■第2部:目で見るシンポジウム
 今回のシンポジウムでは前回に引き続き、八尾から新産業創出をというコンセプトを旗印に、連携活動により産み出された成果物(商品・サービス)を展示、プレゼンテーションすることに加え、実際に体験し、参加者自らが確認できるようにしました。前回は、異業種の中小企業による連携で成果物として出来上がるまでのプロセスを中心とした報告がありましたが、今回は、成果物を「創る」から「売る」という新たな段階に直面する中、市民、とりわけ大学生のアイディアと行動力が加わり、どのように進展し、新たな成果と課題が創出されてきたのかについて共有する機会となりました。
 また、今回も八尾市内のものづくり、商業・サービス関連の企業の紹介コーナーも設置され、高い技術力やアイディア力などに直接触れることができ、新たな連携の可能性を紡ぐ貴重な機会となりました。

■第3部:パネルディスカッション
 その後、以上の報告・議論等を踏まえ、パネルディスカッション「地域連携への期待-商工連携は可能か-」が実施されました。パネラーは、これまで連携活動に積極的に取り組まれてきた勝浦宏祐氏(北本町中央通商店会理事長)、藤原義春氏、平野篤貴さん(本学経済学部3年生)、さらには行政から八尾市の田中誠太市長、コーディネーターは、髙橋慎二准教授です。ディスカッションでは、連携活動の内容、関わりについての紹介に始まり、活動経験から課題として乗り越えなければならないことについて、「信頼構築」「自発的な活動」「コーディネーション活動」の必要性等の論点が出されました。このうち「コーディネーション活動」のあり方についてでは、本学の藤本和貴夫学長にも急遽議論に参加いただき、議論を深めました。
 最後に、高次の連携活動である商工連携の可能性について、信頼の上で連携活動を温めていくことができれば、その可能性を高めていくことができることが確認されました。

■市民連携呼びかけ(アピール文読み上げ)
 これまでの議論を総括し、今後も市民連携活動を推進・発展していくことを確認するために、市民連携呼びかけとして副実行委員長で本学経済学部2年生の吉本優子さんによりアピール文が読み上げられました。そして同じく実行副委員長で本学経済学部2年生の今竹範次さんの閉会の挨拶でシンポジウムは終了となりました。

交流・懇親会で連携への思いを確認

 シンポジウムでの報告が終了した後、2階学生プラザについて、「交流・懇親会」が開催されました。実行委員長の挨拶、八尾支部を代表して浦博之氏(八尾副支部長)、大学を代表して山垣真浩・本学経済学部長の挨拶に続き、山田耕司氏の乾杯の挨拶と進み、市民、企業経営者、学生、教職員等が多数参加され、シンポジウムの議論の続きが個々で進められたほか、今回ご参加いただいた方々から次々に挨拶をいただくなど、交流を深める大切な機会となりました。
 最後に、今竹範次さんから挨拶があり、次回シンポジウムもより一層発展させていけるように、力を合わせてがんばっていきたい思いが、参加者全員で確認されました。

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