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教育研究 2013.07.17

Class・Watching~大学演習(法曹クラス)・グループディスカッション~

 今回のClass・Wachingは、1年次の演習である大学演習(法曹クラス)で行われた「グループディスカッション」の様子をご紹介します。大学演習の法曹クラスは、法曹(弁護士・検察官・裁判官)や準法曹(司法書士・行政書士)、その他税理士・社会保険労務士など法律に携わる仕事を志望する学生を中心にて構成されているクラスです。
 今回取材したクラスでの「グループディスカッション」では、実際に起きた事件をベースにした事例について議論が行われていました。

「校門前で行われた聖書を配布する行為は許されるのか?」

 事例は、佐賀県の中学校の校門前で、ある宗教団体が聖書を配布し、学校側がその中止を求めたというものです。団体側は、聖書の配布行為は憲法が規定する「信教の自由」によって保障されていると主張しました。これに対して、学校側は、聖書配布は学校生活に支障がでるものであり、許されないと主張しました。
 学生達は、団体側と学校側に分かれて各々の代理人の立場に立ち、自分達の主張が正しいとする理由を述べていました。

「事実」を分析し、「評価する」力を養う訓練

 ディスカッションを提案した講師によると、「このディスカッションの目的は、憲法の学問的知識を深めることではありません」とのことでした。大事なことは、「目の前にある問題が生じた背景である事実を認識し、分析し、その事実をどう評価するのか」ということです。
 学生達は、団体側の立場に立ち、登下校中の時間を利用して学校外で配布していたので、「決して、学生生活に支障がでるような配り方はしていない」と主張したり、学校側の立場に立って、聖書を受け取ることにより授業に遅刻する生徒が出てきており、「聖書の配布によって、生徒の学生生活に支障が出ている」と主張したりしていました。
このような、特定の立場に立って、異なる立場の相手を説得する力は、机に向かって教科書を読むだけでは身に付かないものです。しかし、この力こそが、法律を扱う仕事をする「法律実務家」に必要な力です。学生達は、このような「グループディスカッション」を通して、法律実務家に必要な力を養っています。

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