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大阪経済法科大学学長ブログ

第43回卒業式・大学院第1回学位記授与式 式辞
[2017年03月18日(土)]

2017.3.18.

第43回卒業式・大学院第1回学位記授与式
式 辞

20170318_sotugyo_01.jpg  大阪経済法科大学の第43回卒業式、ならびに大学院第1回学位授与式に当たり、学士課程を卒業された皆さん、また大学院修士課程を修了された皆さんに、本日ここに列席するすべての教職員を代表して、心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。
 また、ご来賓の皆様には、本学学生の社会への新しい門出を祝う式典にご出席いただき、まことに有難うございます。
 さらに、卒業生・大学院修了生の皆さんを今日まで育て、その勉学を支えてこられたご家族はじめ関係者の皆様に、心からお慶びを申し上げます。

 本日の式典は、大阪経済法科大学が新しい一歩を踏み出したことを示す記念すべきものであります。本日、大阪経済法科大学の第43期生として経済学部314名、法学部224名、両学部合わせて538名の皆さんが卒業します。そしてそれと同時に、2年前に創設された大学院経済学研究科で、修士(経済学)の学位を授与された22名の大学院第1期生の皆さんを送り出すことになります。
 大学院に関して一言申し上げれば、本学の大学院経済学研究科経済学専攻が文部科学大臣から認可されるに当たっては、「経済的諸問題に対して解決の方策を提案できる高度の専門的職業人」を養成することを約束しており、修了生の皆さんはこの基準を満たし、修士(経済学)の学位が授与されているということであります。修士課程2年間の皆さんの研鑽をたたえると共に、大学院で研究指導に当たっていただいた、先生方の一丸となった努力にも感謝したいと思います。

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 さて、卒業生・修了生の皆さん。今、大阪経済法科大学で過ごした学生生活は思い出深いものをとなっているでしょうか。日本と世界の動きに対して、どのような関心を持つようになったでしょうか。世の中の出来事に対する人々の関心の移り変わりは目まぐるしいとはいえ、変化の本質はどのようなところにあるかを常に注意深く学び続ける心を忘れないでほしい、ということが私から皆さんへのメッセージです。

 昨年の半ばから、世界の新しい潮の流が目に見えるようになってきました。1年前には、国際的な注目が、「IS,イスラム国」をはじめ中東やアフリカのイスラム過激派組織に集まっていました。そして戦闘が激化した地域から逃れた多くの難民がヨーロッパへ向かい、他方、ヨーロッパ諸国においては多数の移民や難民に対する対応が問題の焦点となってきました。
 そのヨーロッパで、難民の受け入れを拒否する動きがきっかけとなり、昨年6月、イギリスが国民投票によってEU(欧州連合)離脱を決めました。さらに、11月のアメリカ大統領選挙で「メキシコとの国境に壁を築く」ことを公言し、「アメリカ第一」を唱えるトランプ氏が勝利し、1月に大統領に就任しました。両者とも、外部の大多数の予測を覆すものでありました。

 はたして先進国では何が起こっているのでしょうか。これまで、移民の国を誇り、「自由貿易」を強力に主導してきたのはアメリカであります。ところが、トランプ大統領はアメリカに不利となる貿易は拒否すると明言しています。他方、EUは、これまで経済の国境を越えたグローバル化は世界の必然的な動きであり、国境の垣根を低くすることで、ヒト、モノ、カネの自由な移動を拡大することに全力をそそいできました。その結果、EUはヨーロッパでドイツ、フランス、イギリスを含む28か国からなる巨大な組織となっています。そこでは新自由主義的な政策である、民営化、行政改革、規制緩和、関税や輸入制限の撤廃、公共事業への外資参入などが進められ、これまでの各国政府の政策の裁量の幅は狭められてきました。

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 では今になってなぜ、アメリカにおいてもイギリスにおいても、いわば国家の大義である理念を覆すことに大衆の支持が集まったのでしょうか。現在の経済のグローバル化が、現実には国内での経済格差を拡大しているということを人々が実感し始めたということと関係しているものと思われます。アメリカの場合、トランプ候補支持者について、さまざま異なる分析がありますが、CNNの調査では富裕層とともに経済格差、地域格差に対する不満層、移民制限支持者たちであったとされています。選挙に勝利した後も、トランプ大統領がその主張を変えていないことが、その証拠ではないでしょうか。イギリスでもグローバル化に伴って生じている国内での経済格差の拡大への反動があるものと思われます。

 これをわれわれに身近な問題に引き付けて考えるとどうなるでしょうか。近年、大学が社会から求められているのは、経済や社会の「グローバル化」に対応した「グローバルな人材」の育成です。「グローバルな人材」とは。もちろん英語ができるということだけではありません。今見てきたように、地域からの発想がともなわないグローバル化は、いざという時には無力です。それぞれの地域に根をおろしつつ世界的な視野に立つ必要があります。国際的な視点を指す「グローバル」と地域を拠点とする「ローカル」を統合した、世界と地域を一体のものとして考え行動する「グローカル」な思考・行動が必要です。

 幸いなことに、本学は、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、ロシア、ウクライナ、また東アジアの中国、韓国、それにASEAN諸国など、世界24か国・地域に60大学・研究機関の姉妹校をもっています。この国際的なネットワークを活用して、多数の学生の皆さんが外国の姉妹校へ短期訪問を含めて留学し、また姉妹校からの学生の皆さんの受入れも活発に行ってきました。

 他方、地域社会との連携の強化も一層深まっています。2012年に、本学は八尾市と「大阪経済法科大学と八尾市との包括連携に関する協定書」、八尾市議会と「大阪経済法科大学と八尾市議会との地域連携に関する覚書」に調印しました。また、2014年には、「大阪府中小企業家同友会」とのあいだで「包括連携に関する協定」を結びました。その後も、多くの地域社会との連携を深めています。皆さんが、「経済学の学士」「法学の学士」、あるいは「修士(経済学)」という学位を授与されて社会に巣立つことを、ご来賓の皆様にもお祝いしていただけるのはそのためでもあります。これから皆さんは、大阪経済法科大学の卒業生として誇りを持ち、さまざまな分野で活躍されることを期待しています。

20170318_sotugyo_04.jpg  さらに、本学は、「一人多資格」を目標にかかげてきました。多くの学生の皆さんがそれに向かって様々な努力を重ねてきました。そこで、本年度の学生の皆さんの成果について、報告させていただきます。
 2016年度の各種資格・検定試験等の合格者は、3月10日現在で延べ1,357名です。2013年から4年続いて1000名を超える合格者を出すことができました。
 今年度の難関試験の合格者は、3年連続で公認会計士試験に現役の3年生が最終合格しました。また、税理士試験科目合格者についても、現役の3年生が2名合格し、今後の税理士試験合格をめざします。
 なお、本年度は国際学部が開設されたこともあり、英語のTOEICテスト、留学生向けの日本語能力試験など、語学系検定試験において、各レベルの合格者の増大が見込まれています。
 公務員採用試験については、本年度の卒業生で延べ49名が合格し、昨年度の45名を越えました。その内、国家公務員は、入国警備官など21名、行政職の地方公務員が堺市役所、松原市役所など5名、警察官は大阪府警、奈良県警、兵庫県警など20名となり、消防官が3名であります。
 法科大学院については、既修者として、中央大学法科大学院、関西大学法科大学院、関西学院大学法科大学院、立命館大学法科大学院、甲南大学法科大学院にそれぞれ合格、未修者としても早稲田大学法科大学院、同志社大学法科大学院、創価大学法科大学院に合格しております。
 他方、経済系の大学院への進学者については大阪大学など、国際協力系の大学院についたは、神戸大学、広島大学などに進んでいます。

 私たちは「資格に強い大学」という社会からの評価を、さらに揺るぎのないものとするべく、努力していく決意であります。皆さんが社会にでてからも、さらに必要なさまざま資格に挑戦することを期待しています。

 卒業後は、皆さんも会員となっている同窓生の組織として校友会があります。本日も校友会会長とご父母の組織である教育後援会会長をご来賓として壇上にお迎えしていますが、大阪経済法科大学が社会に送りだした本学の卒業生は、今年卒業する皆さんを含めて4万3000名を越えています。すでに多くの卒業生が社会の中堅、さらには社会の指導層の一員として国内、あるいは海外で大いに活躍しておられます。校友会の地方支部では、教育後援会と協力して学生の皆さんの就職支援などの活動をしていただいています。
 本学は、今後も校友会・教育後援会と協力して、さまざまな機会に在校生と卒業生を結びつける努力をいたします。それと同時に、私たちは、皆さんが誇ることができる、大阪経済法科大学をさらに発展させていく決意です。
 最後に、卒業生の皆さんが、今後とも健康で充実した社会生活を送られることを祈念して、私の式辞といたします。

 
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  • 学長 藤本和貴夫 文学博士(大阪大学) 大阪大学名誉教授
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