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大阪経済法科大学学長ブログ

第41回卒業式式辞
[2015年03月18日(水)]

2015.3.18.

卒 業 式 式 辞

 大阪経済法科大学の第41回卒業式に当たり、卒業される皆さんに、本日ここに列席するすべての教職員を代表して、心からお祝い申し上げます。卒業おめでとうございます。

 また、ご来賓の皆様には、本学学生の社会への新しい門出を祝う式典にご出席いただき、まことに有難うございます。

 さらに、卒業生の皆さんを今日まで育て、その勉学を支えてこられたご家族はじめ関係者の皆様に、心からお慶びを申し上げます。

 本日、大阪経済法科大学を巣立つ卒業生は、経済学部253名、法学部183名、総計436名の皆さんです。この中には、本学での勉強を終えて学士課程を終了した多数の留学生の皆さんも含まれています。異なる言葉や習慣や環境の下で勉学に励み、卒業される留学生の皆さんの健闘をたたえたいと思います。

 さて、卒業生の多くの皆さんが大阪経済法科大学で過ごした4年間は、日本社会がかつて経験したことのないほど大きく転換した時期であります。皆さんが入学されたのは、2011年3月に起こった「東日本大震災」の直後でありました。この大震災は、それまで信じられていた、防波堤や防潮堤によって津波の被害を守ることができる、あるいは原子力発電はクリーンで安全なエネルギーであるといった人間の力を過信した安全神話を打ち砕きました。そして、大震災の発生から4年が経過する中で、その確信はますます強くなっています。

 つい先日、「東日本大震災」から4年目をむかえた3月11日には、さまざまな追悼の行事が行われました。この4年間で、被災地の復興が進んでいる所と全く進んでいない所があります。そのことをほとんどすべてのテレビ局が特集で報じましたが、被災地の人々が異口同音に語っていることで印象的であったのは、津波に対しては、高い防波堤を建設することでは身を守れない、昔からの言い伝えどおりに「高い場所にまず逃げる」ということです。科学技術を過信してはならない、必ず人間の「想定外」のことが起こるということを私たちは肝に銘じなければならないでしょう。

 また、福島では放射能に汚染されたがれきの一時的な処理場所の確保にさえ困難をきわめています。ドイツのように、太陽光パネルや風力発電といった再生可能エネルギーの開発が未来を担うものであるという方向にもう一歩踏み出せないでしょうか。

 さて、皆さんは、大阪経済法科大学での学生生活を通して、多くのことを学び、体験し、さまざまな専門知識を身につけて卒業されます。もちろんそれは、大学における授業だけで身に着けたものではないでしょう。クラブ活動や資格の取得、あるいは大学の外に出た社会での人間関係や体験など、それらはすべて学生時代に取り組んだ活動の成果であります。またそれと同時に、「東日本大震災」を体験した社会の影響も無視できません。今後は、学生時代の人間関係を大切にして、新しい社会で活躍してください。

 ところで本学は、皆さんが2年生となった2012年に、この花岡キャンパスに次ぐ第2のキャンパスとして八尾駅前キャンパス(オーバル)を開設しました。それから3年がたちましたが、八尾市の中心部に拠点となる新しいキャンパスができたことをきっかけに、大阪経済法科大学の教育にこれまでにないさまざまな新しい試みを行ってきました。

 すでに、2012年2月に、本学は八尾市と「包括連携協定」を結び、また八尾市議会とも「地域連携の覚書」を交わしました。このことで、私たちは地域社会とこれまで以上に密接な関係をもつようになりました。またそれと並んで、地域社会やグローバルな世界で活躍する地域の諸団体や企業との連携も進めてきました。

 それらの実績を踏まえて、2014年10月には「大阪府中小企業家同友会」とのあいだで「包括連携に関する協定」を結びました。これまでの相互の協力関係をさらに深化させ、地域社会の発展につながる教育研究活動や中小企業の健全な成長につながる事業活動に力を尽くしていく決意をいたしております。

 ほぼ毎週、八尾駅前キャンパス「オーバル」では、自治体のさまざまな部門の責任者の方、世界に展開する企業の経営者の方々、あるいはNGOの代表の方々に来ていただいて講義をしていただいています。またそれらの講義の一部は市民の皆さんにも開放しています。それは単に座って聞くお話というものではなく、社会の動きを肌で感じる場であり、異なった人々の人生を追体験する場でもあり、学生の皆さんの行動の指針を指し示す場ともなっています。現在の社会が大学の教育に期待しているのもそのようなものであると私は思っています。

 さて、現在、社会や企業が当面している問題は、経済や社会のグローバル化にどのように対応するかということと、ヒト、モノ、カネが東京へ一極集中するなかで、大阪を含む日本の地域の活性化をいかにして図るかということです。

 そのなかで、昨年、日本の少子化に歯止めがかからず、「896の地方都市が消滅する」という滅亡都市のリストが付いたセンセーショナルな「増田レポート」が発表され、社会に衝撃を与えました。昨年8月には、増田寛也編著『地方消滅』という中公新書として刊行されているので、読んだ人がいることと思います。人口の東京への一極集中は、地方から東京へ人口が流入することによって支えられていますが、その東京における出生率は極めて低く、東京は人口の再生産力に乏しいということも主張されています。いずれ東京の人口も減りはじめます。東京が日本の人口減少の歯止めになると考えるのは幻想であるというのであります。人口の減少をくい止めるためには、地方の活性化以外にないといわれます。

 実際、このグローバル経済の時代に、日本のいろいろな地域で「豊かな暮らし」を取り戻す試みが行われています。そのような事例を紹介し、先進国の経済再生のモデルは、大量生産・大量消費と決別した里山の木や自然を活用することにあると主張する本がベストセラーになっています。藻谷浩介・NHK広島取材班『里山資本主義』という新書がそれです。2008年の「リーマンショック」による経済危機を生み出した「マネー資本主義」に対して、「里山資本主義」を対比します。当然、同じことが都会で成り立つのかという疑問が出されますが、これに対しても、この同じ文脈が都会では「スマートシティー」としてすでに実現されつつあるというのがこの新書の主張であります。それを多くの人々が支持しています。

 皆さんがどのような職場、あるいは生活の場にいようとも、これからは、このような問題を考えることになるでしょう。グローバルとローカルを統合した「グローカル」という立場に立って物事を見直すこと、グローバル時代と呼ばれる現在、私たちはもう一度、「グローカル」という言葉を再認識する必要があると考えています。

 大阪経済法科大学は、地域における活動とともに、国際的な活動でもさまざまな貢献を行い、日本と世界に向かって発信を続けています。現在、本学の海外の提携校は、アメリカ、イギリス、カナダ、ロシア、中国、韓国、インド、マレーシア、カンボジアなど、その数は20カ国・地域、53大学・研究機関となりました。

 本学は、卒業される皆さんと共に、大学として、グローバル化する世界の流れのなかで先駆的活動をしてきたものと自負しております。私たちは、本学の設立の理念である「国際平和への貢献」を今後とも果たすために、さらに前進することをお約束いたします。

 最後に、「2014年度の各種資格・検定試験等の合格者」を示す人数をあげておきたいと思います。

 2014年度の各種資格・検定試験等の合格者は、本日現在で1,135名です。昨年に続き2年続いて1000名台に達しました。その内、今年度の法科大学院入試では関西大学、同志社大学へ4名が合格されました。また経済学研究科などその他の専門分野の大学院では、大阪大学、神戸大学、大阪市立大学などへ18名が合格されています。

 さらに、難関試験の合格者としては、昨年度に続き、今年度も本学卒業生から2名の司法試験の合格者がでました。さらに司法書士試験と行政書士試験にそれぞれ1名の合格者があります。他方、公認会計士試験合格者は、現役と既卒で各1名、税理士試験(科目合格)は2名です。

 公務員採用試験では、大阪府職員に2名、八尾市職員、東大阪市職員、大阪府警など24名の合格者を出しております。私たちは「資格に強い大学」を今後も追求していく決意です。

 皆さんの卒業後は、皆さんも会員である同窓生の組織として校友会があります。本日も校友会会長とご父母の組織である教育後援会会長をご来賓として壇上にお迎えしていますが、大阪経済法科大学本学が社会に送りだした本学の卒業生は、今年卒業する皆さんを含めて4万2000名をこえています。すでに多くの卒業生が社会の中堅として、さらに創立当初の卒業生の皆さんは、社会の指導層の一員として国内、あるいは海外で大いに活躍しておられます。校友会の地方支部では、教育後援会と協力して学生の皆さんの就職支援などの活動をしていただいています。

 本学は、今後も校友会・教育後援会と協力して、さまざまな機会に在校生と卒業生を結びつける努力をいたします。それと同時に、私たちは、皆さんが誇ることができる、大阪経済法科大学をさらに発展させていく決意です。

 最後に、卒業生の皆さんが、今後とも健康で充実した社会生活を送られることを祈念して、私の式辞といたします。

 卒業生の皆さん。どうか元気で活躍してください。