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大阪経済法科大学学長ブログ

2014年度春学期末卒業式式辞
[2014年09月19日(金)]
 皆さん、卒業おめでとうございます。教職員一同、心からお祝いいたします。また、卒業生の皆さんの勉学をさまざまな形で支えてこられたご父母・関係者の方々に、心からお慶びを申し上げます。

 皆さんは、大阪経済法科大学での学生生活を通して、多くのことを学び、体験し、さまざまな専門知識を身につけて卒業されます。もちろんそれは、大学における授業だけで身に着けたものではないでしょう。クラブ活動やさまざまな資格の取得、あるいは大学の外に出た社会での体験など、学生時代に取り組んださまざまな活動の成果として身に付けたものであります。今後、これらは、学生時代の人間関係を含めて、社会で生きていく上で、大きな力になることと思います。

 皆さんの在学中の2012年に、本学は八尾駅前キャンパス(オーバル)を開設しました。それから2年半がたちましたが、市の中心部に拠点となる新しいキャンパスができたことをきっかけに、大阪経済法科大学の教育にこれまでにないさまざまな新しい試みを行うことが可能となりました。
2013年には、本学は八尾市と包括連携協定を結び、また八尾市議会とも地域連携の覚書きをかわすことで、地域社会とこれまで以上に密接な関係をもつようになったからです。それと並んで、地域社会やグローバルな世界で活躍する地域の諸団体や企業との連携も進めてきました。

 ほぼ毎週、八尾駅前キャンパス「オーバル」では、自治体のさまざまな部門の責任者、東アジアや東南アジアに展開する企業の経営者、あるいはNGOの代表の方々に来ていただいて講義をしてもらっています。それは単に座って聞くお話というものではなく、社会の動きを肌で感じる場であり、異なった人々の人生を追体験する場でもあり、学生の皆さんの行動の指針を指し示す場ともなっていると思います。現在の社会が大学の教育に期待しているのもそのようなものであると私は思います。

 ところで、私も時間の許す限り、講師の方々のお話を聞くようにしていますが、たいていの話が立ち返ってゆく先は、経済のグローバル化にどのように対応するかという話と、さまざまなものが東京へ一極集中するなかで、大阪を含めた日本の地域が、いかにして地域の活性化を図るかという話しに行きつきます。
 このふたつの難題は、現代の日本社会が当面している大問題です。農産物の自由化による外国の安価な農産物の輸入が、それとの競争力に敗れた日本の農業を破壊し、その結果地域が疲弊したと言われてきているように、表裏一体の関係にあります。

 しかし、グローバル経済の時代とは何か、それは、はたして弱肉強食の生存競争の時代、強いものしか生き残れない「ジャングルの掟」が支配する時代なのでしょうか。そうではないと思います。そもそもジャングルではライオンから小動物、バクテリアまでが共存しており、それがジャングルの生態系を支えているのです。

 そして現在、このグローバル経済の時代に、日本のいろいろな地域で「豊かな暮らし」取り戻す試みが行われています。そのような事例を紹介し、先進国の経済再生のモデルは、大量生産・大量消費と決別した里山の木や自然を活用することにあると主張する本がベストセラーになっています。
藻谷(もたに)浩介・NHK広島取材班『里山資本主義』という新書がそれです。2008年の「リーマンショック」による経済危機を生み出した「マネー資本主義」に対して、「里山資本主義」を対比します。同じことが都会で成り立つのかという疑問に対しても、この同じ文脈が都会では「スマートシティー」としてすでに実現されつつあるというのがこの新書の主張であります。そしてそれを多くの人々が支持しているということです。

 今後、皆さんがどのような職場、あるいは生活の場にいようとも、このような問題を考えることになるでしょう。グローバルとローカルを統合した「グローカル」という立場に立って物事を見直すこと、グローバル時代と呼ばれる現在、私たちはもう一度、「グローカル」という言葉を再認識する必要があると考えています。

 私たちは、皆さんがこれまで積み重ねてきた多くの知識と経験が社会で一層生かされることを期待しています。本学は皆さんが卒業されても、皆さんに対する支援は決して放棄することはありません。現在、就職活動を続ける人は、ぜひ八尾尾駅前キャンパス3階にある、キャリア支援部を訪れ相談してください。

 大阪経済法科大学はこれまで、4万人を越える卒業生を社会に送り出しており、卒業生全員が参加する同窓会組織として「校友会」があります。今後、社会人として生活する上で、人と人とのつながりがなによりも大きな財産となります。本学を卒業した同級生や先輩は大きな財産です。今後ともさまざまな形で大阪経済法科大学とのつながりをもってください。また皆さんは本学の先輩として、ぜひ、後輩たちのために力を貸してください。

 最後に、卒業生の皆さんが、今後とも健康で充実した社会生活を送られることを祈念して、私の式辞といたします。どうかお元気で。