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大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター(CAPP)ブログ

CAPP研究報告会~その①
[2010年07月30日(金)]

さる5月29日、CAPPの「研究センター会議」の日に合わせて、CAPPの研究報告会が開催されました。

<報告者>
岡本雅享(CAPP客員研究員・福岡県立大学准教授)
鈴木江理子(CAPP客員研究員・国士舘大学准教授)

<司会>
羽後静子(CAPP客員研究員・中部大学准教授)


研究報告会では、まず、岡本雅享研究員が、「日本における民族の創造──まつろわぬ人々の視点から」というテーマで、報告を行ないました。

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報告をする岡本雅享・CAPP客員研究員

岡本氏は、冒頭、現在の日本国籍者が、民族的にみると極めて多様になってきているにもかかわらず、日本の行政政策においては、多くの問題が、「国籍」という枠組みで、処理されていることに疑問を投げかけました。

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例えば、外国人教育の教員加配は、「外国籍」の児童の数によって決まります。また、法務省の人権擁護局の差別事項に、「外国人差別」はあっても、「民族差別」というものはありません。

岡本氏は、こうした状況において、「日本国籍者の中のマイノリティ」には居場所がなくなっていることを指摘し、そこに、実は「日本民族」という概念そのものの成立過程が影を落としていることを、報告の中で明らかにしていきました。

「日本民族」という概念は、日本が近代国家となる過程で、ヤマトを中心とした記紀神話を利用したところから始まっています。しかし、岡本氏によれば、それは同時に、ヤマトに「まつろわぬ」人びと──出雲、蝦夷、熊襲、隼人......といった民族を周縁化し、内なる多様性を封じ込めていく過程でもありました。そして、その発想は、現在の日本人の国民意識や民族意識にも、少なからぬ影響を及ぼしています。

私たちは、同質社会の幻想に、なんとなく浸っていますが、「日本民族」そのものが、本来は多様であり、また、日本の国民もさらに多様化し続けている。岡本氏の報告は、そのことに気づかせてくれる、非常に意義深いものでした。

その②に続きます。

CAPP・WEB広報

 

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「本学の東京麻布台セミナーハウスを活動拠点として、人権、平和、人間の安全保障、多文化共生を主要なテーマに多彩な研究活動を展開しています。
(写真:スタッフ愛用のメジャー、「まいなーくん」。こう見えてもCm/Inch 両用の優れもの)」
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