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市民アカデミア2009 人権ゼミ第二回「日本国憲法前文と地球憲章」が開かれました。
[2009年11月19日(木)]

 皆さま、こんにちは。(*´ω`*)いかがお過ごしですか?
 木の葉舞う時季になり、秋もゆっくりと深まって参りました。

 今回はアジア太平洋研究センター所長、武者小路公秀による人権ゼミの第二回講座、「日本国憲法と地球憲章―人間の安全保障」をレポートします。今回の特別ゼミには、元共同通信記者で、現在関東学院大学法学部教授として日本ジャーナリスト会議等でも活躍されている丸山重威先生にお越し頂きました。講義は武者小路所長と丸山先生の対談形式で実施されました。

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        (左から、CAPP所長・武者小路公秀、関東学院大学教授・丸山重威先生)

 はじめに武者小路所長から「地球憲章」について、その成立の歴史的背景と「環境」というテーマを導入している意義について解説がありました。次に、丸山先生から「日本国憲法前文」を中心に、フランス憲法、国際連盟規約、大西洋憲章、国連憲章等々の資料をもとに、戦前~戦後の国際社会における平和と戦争に対する人類史的な取り組みの意義について解説がありました。ゼミ後半には参加者の皆さんを交えて質疑応答と議論の時間が設けられ、特に戦後日本における平和に対する国家体制・国民意識についての質問や意見が飛び交いました。

IMG_1506.jpg              (当日配布された地球憲章、日本国憲法前文等の資料)

 「国際平和」や「憲法」という領域は、自分の生活からどこか遠くにあるように感じたりしませんか?使われる言葉も難しいし、話がどこか抽象的だと思われる方も少なくないかもしれません。確かに、自分のこととして理解するのは少し難しいですね。歴史や国際会議の話が沢山出てくるけど、自分としてはそれらを直接経験したことがないからです。けれど、大事なことは、その意味を理解すること。今回のゼミの講義や参加者の方々との議論を聴いていると、だいたい次のようなことが課題の中心になっていることがわかります。

 そもそも、いったい、われわれにとって「平和」とはなにか。あるいは「戦争」の意味とはなんなのか。「地球憲章」は、いわゆる個人主義的な、個人相互のためだけのビジョンではなく、より共同体的な観点―生命の平和を考えるわれわれ、という意味で―に基づいた地球の将来性に対するビジョンを提示している。そのビジョンをよしとするか足らぬとするかは個々人の考えによるけれど、そこに描かれている「平和」のための諸原則は、単なる理想の寄せ集めではなく、根深い〈経験〉に基づいている。それは、人類史上最悪と呼ばれる世界大戦の経験であり、平和を宣言する憲章や憲法はこの経験に対する様々な人間による反省から生じたものだ。「日本国憲法前文」にはこの経験に対する反省と国家を超えた普遍的な平和への意志が表現されている。ところで、この憲章や憲法は実際の生活や国際関係を通じてどのように評価したらいいのだろうか。そういうことが、問題になっているんですね。

 

IMG_1429.jpg(ゆっくりと穏やかな笑顔で、しかし言うべきことは言うという姿勢の所長。「生きとし生けるものに生命―生きる権利がある。人権や平和もその流れの上にある。その観点から見れば、平和に生存する権利も人間だけでなくすべての生命が平和に生きる権利をもつもの、と考えることが出来るのではないでしょうか」)

 

 

 

IMG_1445.jpg(様々な憲法や歴史の資料をもとに改めて日本国憲法前文の重要性を説く丸山先生。「日本国憲法前文には、大戦の惨禍に対する反省と人類が営んできた世界全体の平和に対する営みとが実を結んで表されている。植民地主義への反省を踏まえた上で、〈人間の安全保障〉に基づいた未来構想が始まっている」)

 

 

 

 大戦を経験していない人々にとって、大戦という〈経験〉を理解することは、経験することそのものとは異なった難しさを持っているといわねばならないように思います。つまり、〈経験〉から遠く隔たってしまいがちになる。そうすると、その経験を反省した表れとしての「法」や「憲章」の意味も、やっぱりわかりにくく、遠く隔たったものとして映ってしまう。それはある種、自然なこと。だからこそ、「地球憲章」や「憲法」の意義を―それらが〈経験〉から〈反省〉されたものとして形作られているということを―理解したうえで、様々な人との間で今に照らして問うことが必要なのかな、と考えさせられる講義でした。(*´ω`*)

IMG_1458.jpg(「人権について話し合う国際会議で、そもそも権利には生命の権利というのが含まれていなければいけないんじゃないかといったら、いやそれはわかるけど、今は「人権」というテーマでやってるんだから話が広がりすぎちゃうでしょ、と言われちゃいました―アハハ」ゼミの談話風景) 

 丸山先生、武者小路所長、そして受講生の皆さん、お疲れ様でした!!(*´ω`*)
 今回は参加できなかった方でも、「市民アカデミア」や「アジア太平洋研究センター」の研究活動にご興味ご関心があれば、ぜひぜひお気軽にお問い合わせ下さい。

 

プロフィール

「本学の東京麻布台セミナーハウスを活動拠点として、人権、平和、人間の安全保障、多文化共生を主要なテーマに多彩な研究活動を展開しています。
(写真:スタッフ愛用のメジャー、「まいなーくん」。こう見えてもCm/Inch 両用の優れもの)」
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