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    授業内容詳細

 中小企業特論
   Special Lecture on Small and Medium-sized Enterprises
授業科目区分
専門科目・応用経済学科目群・地域経済関連領域科目群
担当者 髙橋 慎二(教授)
テーマ 中小企業の存立・発展のあり方
キーワード 地域振興条例,中小企業基本法,小規模基本法,中小企業憲章,下請制,サプライヤ・システム,商店街振興,まちづくり3法
開講年度
2017
開講時期
前期
配当年次
修士1・2
単位数
2
授業の目的及び概要 中小企業論は、国民経済の基盤的存在である中小企業について、その内部・外部環境において存在している問題・課題を見出し、それらの解決に向けた方策について研究する学問である。
 本講義では、こうした中小企業研究のスタンスと論点、課題について確認するところから始める。続いて、地域経済における中小企業の役割について、各自治体で制定が進んでいる地域振興条例の考え方を中心に捉え、そこから派生する実際の中小企業政策についても学修する。その際、条例策定作業に関わった当事者や自治体の政策担当職員から直接話を伺う機会を設定し、学修を深めるようにする。さらに国の中小企業政策へのスタンスとその内容について、中小企業基本法の改正をはじめとする変遷を踏まえながら学修する。また、中小企業の存立課題を見出すために、工業と商業の2大産業を取り上げ、工業では、生産・取引システム、工業集積、グローバル化などの論点を、商業では、中小小売業の経営問題、商業集積などの論点を整理するととともに、これらの論点と政策との関わりについても学修する。その際、中小製造業、中小小売業・商店街を訪問してのヒアリング調査を実施し、中小製造業、中小小売業・商店街の存立課題について再確認、新たな存立課題を見出す機会を設定し、学修を深められるようにする。
 以上を通して、高度専門職業人としての知識・技能等を身につけられるようにする。
学修の到達目標 本講義は、地域経済における中小企業の役割や中小企業に関する政策について説明できる能力を育成するために、地域から国レベルにわたっての中小企業政策の考え方と論点について、広く変遷過程も含め理解させる。また、工業と商業分野を中心として中小企業の実情を把握し、その存立・発展のための課題に対応した政策になっているのかについて、見極める能力を修得させる。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  この科目は、学位授与の方針(DP)に定める、学生が学修と経験を通じて身につける知識や能力のうち、次に該当する。
1. グローバル化・複雑化する経済現象の分析方法としての理論的、実証的及び歴史的アプローチを修得している。
2. 経済学に関する高度の専門知識を備え、現代社会が直面する経済的諸問題に対して解決の方策を提案する能力を修得している。

 また、この科目は、経済学専攻の応用経済学科目群のうち、地域経済関連領域科目群の科目である。
授業の方法  講義形式を基本としつつ、演習形式も組み合わせて進める。最初にテーマの概要と論点について講義・解説しディスカッションする。続いて、そのテーマについて発表しディスカッション・指導する。この他に、政策的アプローチとして、自治体の政策担当職員等による中小企業政策に関する講演とディスカッション、実証的アプローチとして、実際に企業や商店街に訪問して経営者等へのヒアリング調査をする機会も設定し、ヒアリング調査方法を含む研究手法の修得のほか、学修の深化に貢献するようにする。学期末には、本講義を通した学修成果をレポートとしてまとめ、提出する。提出物に関してはその都度内容についてコメントするので参考にすること。
授業外の学修(予習・復習等) 授業計画で毎回取りあげられるテーマと内容を確認し事前に予習するとともに、授業後は復習し、知識・技能の定着に努めること。
教科書・参考書 教科書:高田亮爾他編著『現代中小企業論(増補版)』同友館、2011年
参考書:渡辺幸男他著『21世紀中小企業論(第3版)』有斐閣、2013年
    植田浩史他著『中小企業・ベンチャー企業論』有斐閣、2006年
評価方法及び判定基準 評価方法:
 授業時の発表とディスカッション(60%)、期末レポート(40%)
判定基準:
 秀:90点以上、優:80点以上、良:70点以上、可:60点以上、不可:60点未満


第1回 中小企業研究の展開と課題

中小企業の定義と位置づけ、役割を確認し、これまでの中小企業研究のスタンスと論点、課題について解説しディスカッションする。

第2回 中小企業と地域経済振興①:地域振興条例の意義

地域経済における中小企業の役割について考えていく上で、各自治体で制定が進んでいる地域振興条例に焦点を当て、その考え方を市民、自治体、大企業の関わり方を中心に解説しディスカッションする。

第3回 中小企業と地域経済振興②:講演とディスカッション

特に地域振興条例とそこから派生する実際の政策について、条例策定作業に関わった当事者、自治体の政策担当職員による講演を聴き、ディスカッションする。

第4回 中小企業問題・政策の歴史的変遷①:戦後~1980年代

戦後から1980年代までの日本経済の動向を概観しつつ、中小企業を取り巻く問題と政策的対応について解説する。それを踏まえて、受講生の中小企業問題の捉え方、政府の中小企業政策に対するスタンスへの考え方の発表も交えてディスカッションする。

第5回 中小企業問題・政策の歴史的変遷②:1990年代以降

1990年代から現在までの日本経済の動向を概観しつつ、中小企業を取り巻く問題と政策的対応について解説しディスカッションする。それを踏まえて、受講生の中小企業問題の捉え方、政府の中小企業政策に対するスタンスへの考え方の発表も交えてディスカッションする。

第6回 中小工業の存立と課題①:生産・取引システム

中小製造業の存立を支える生産・取引システムの変遷過程を捉えるなかで、見えてくる課題について解説しディスカッションする。

第7回 中小工業の存立と課題②:工業集積の動向と課題

都市型工業集積の衰退・縮小の要因と維持・発展のための課題について解説しディスカッションする。

第8回 中小工業の存立と課題③:グローバル化と中小工業

グローバルな生産・取引が加速する中、国内中小製造業の存立のために必要なことについて解説しディスカッションする。

第9回 中小工業の存立と課題④:発表とディスカッション、ヒアリング調査に向けて

第6~8回での学修内容を踏まえ、各自の中小製造業の存立と課題に対する考え方について発表しディスカッションする。また、授業時間外で中小製造業を訪問して工場見学を含め、経営者にヒアリング調査を実施し、中小製造業の存立課題について再確認するとともに、新たな存立課題を見出す。その際、ヒアリング調査に際しての準備と留意点についても説明する。その結果は、第13回の授業で発表し、ディスカッションする。

第10回 中小商業の存立と課題①:中小小売業の動向と課題

中小小売業の経営の現状と存立課題について解説しディスカッションする。

第11回 中小商業の存立と課題②:商業集積の動向と課題

特に中心市街地の商店街の抱える課題を見出し、商店街の維持・発展のために必要なことについて解説しディスカッションする。

第12回 中小商業の存立と課題③:発表とディスカッション、ヒアリング調査に向けて

第10、11回での学修内容を踏まえ、各自の中小小売業、商店街の存立と課題に対する考え方について発表しディスカッションする。また、授業時間外で中小小売業・商店街を訪問して店舗、商店街見学を含め、商業者、商店街役員にヒアリング調査を実施し、中小小売業・商店街の存立課題について再確認するとともに、新たな存立課題を見出す。その際、ヒアリング調査に際しての準備と留意点についてもあらためて説明する。その結果は、第14回の授業で発表し、ディスカッションする。

第13回 ヒアリング調査の結果の発表とディスカッション①:中小工業

中小製造業へのヒアリング調査結果について発表しディスカッションする。

第14回 ヒアリング調査の結果の発表とディスカッション②:中小商業

中小小売業・商店街へのヒアリング調査結果について発表しディスカッションする。

第15回 総括

期末レポートの内容について発表し、ディスカッションする。