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    授業内容詳細

 比較経済体制特論
   Special Lecture on Comparative Economic Systems
授業科目区分
専門科目・応用経済学科目群・国際経済関連領域科目群
担当者 田畑 理一(教授)
テーマ 経済体制の目的を実現する仕組みであるメカニズム(計画と市場)の解明
キーワード 経済体制,社会主義経済
開講年度
2017
開講時期
後期
配当年次
修士1・2
単位数
2
授業の目的及び概要 比較経済体制論は、経済の制度、その束である体制、そして、経済体制の目的を実現する仕組みであるメカニズム(計画と市場)について解明する理論である。
 本講義では、経済体制として現実の歴史において成立したソ連の政治・経済体制、その理論的基礎をなしたマルクスの哲学と経済学を検討し、批判する。社会主義経済がマルクス主義の欠陥から現実には独裁体制として実現し、そこからの脱出として市場導入策としての改革を経てペレストロイカを経て社会主義の崩壊に至ったのであるが、この過程を計画と市場という観点から理解し、学修する。
 本講義の内容は、修士論文を執筆する上での重要な知識であり、ロシア、中東欧、中国の現状を理解するためにも必要な知識であり、確実に理解することが望ましい。
学修の到達目標 本講義は、企業、家計、政府が展開する経済行動が織りなす経済現象が制度という枠組みの中で生じること、制度とは法的枠組みにほかならないことを理解させ、諸制度の束が政治によって形成されることを市場経済と計画経済の歴史と理論的整理を通して理解させ、学修させることを目標とする。
 (この科目の位置づけ、学位授与方針との関係等については、履修要項p.35-37「教育課程の編成・実施の方針」及びp.44-45「履修指導と履修モデル」を参照してください。)
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) (この科目の位置づけ、学位授与方針との関係等については、履修要項p.35-37「教育課程の編成・実施の方針」及びp.44-45「履修指導と履修モデル」を参照してください。)
授業の方法 講義形式を基本とし、問題演習やディスカッションも行う。学期末には、レポートを提出させる。
授業外の学修(予習・復習等) 授業計画で毎回取りあげられるテーマと内容を確認し事前に予習するとともに、授業後は復習し、知識・技能の定着に努めること。
教科書・参考書 教科書:『グローバリゼーションと体制移行の経済学』文眞堂、池本修一ほか著、2008年
参考書:『国際比較の経済学』スレイマン・イブラヒム・コーヘン(ミネルヴァ書房)、2011年
評価方法及び判定基準 評価方法:授業時の問題演習(40%)、期末レポート(60%)
判定基準は以下の通りである。
 秀:90点以上、優:80点以上、良:70点以上、可:60点以上、不可:60点未満


第1回 ユートピア思想と社会主義思想

社会主義思想の先駆としての『ユートピア』の解説

第2回 資本主義批判としてのマルクス理論

近代社会主義思想体系としてのマルクス理論の概説。

第3回 マルクスの理論と思想(1)-哲学(唯物史観)と歴史

マルクス理論体系における哲学=唯物史観の説明。

第4回 マルクスの理論と思想(2)-経済学(マルクス経済学)および非市場経済としての社会主義

マルクス経済学における労働価値論の意味と論理と社会主義思想との関連についての説明。その批判。

第5回 ロシア革命とスターリン独裁体制

ロシア革命を指導したレーニンの思想とスターリンの独裁体制の成立過程の説明と批判。

第6回 ソ連型集権的計画経済システム(「一つの工場論」)

あたかも「一つの工場」のように一国の経済を計画しようとしたソ連型集権的計画経済モデルの概説。

第7回 スターリン批判と経済改革

スターリンの教条主義と独裁体制の動揺と経済改革への胎動を説明。

第8回 市場経済化の萌芽としての集権・分権モデル

ランゲ・モデル、ブルスの分権化モデルの説明。

第9回 ペレストロイカと社会主義崩壊

ゴルバチョフのペレストロイカから社会主義の動揺への説明。

第10回 市場経済への移行と転換ショック

社会主義から市場経済への移行と移行に伴う不況について。

第11回 ロシアにおける市場経済化(エリツィン体制)

ロシアの市場経済化の説明。

第12回 中東欧における市場経済化とEU加盟

チェコ、ポーランド、ハンガリー等の移行とEU加盟について。

第13回 中央アジアにおける市場経済化

ウズベクやキルギスなどの伝統社会の市場経済化について。

第14回 社会主義とイデオロギー

社会主義をマルクス・イデオロギーの側面から考察する。

第15回 移行経済の終焉(総括)

なぜ社会主義が崩壊したのかについて経済成長、軍事費負担、イデオロギー的欺瞞、自由の抑圧、腐敗などの観点から総括する。