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    授業内容詳細

 経済史特論
   Special Lecture on Economic History
授業科目区分
専門科目・経済理論科目群
担当者 金 哲雄(教授)
テーマ 経済現象に関する歴史的アプローチの分析能力の修得
キーワード 経済史,近代資本主義
開講年度
2017
開講時期
前期
配当年次
修士1・2
単位数
2
授業の目的及び概要 経済史は、経済行為や経済現象の歴史を対象にして、特に近代資本主義の基本的道筋を明らかにし、その理論的・歴史的分析を行う学問である。           
 本講義では、世界経済史全体、現在の世界経済に通ずる重要な概念や理論に関する知識を知るためマルクス、ヴェーバー、シュンペーター、ウォーラーステイン等の経済史の理論について講義を行う。また、欧米および東アジアにおける資本主義的発展過程を比較しながら、世界経済史への全体像についても学修する。さらに、歴史的アプローチから、大不況の克服、地域統合等の現実の諸課題についても講義する。
 本講義の内容は、修士論文を執筆する上での重要な知識となるほか、ミクロ経済学特論、マクロ経済学特論、国際経済特論、経済政策特論等の講義科目を受講するためにも必要な知識であり、確実に理解することが望まれる。
学修の到達目標 本講義は、経済史の知識を修得させるための科目である。大学院での学修に必要となるレベルの経済史の知識を理解し、経済現象に関する歴史的アプローチの分析能力を修得させる。
 (この科目の位置づけ、学位授与方針との関係等については、履修要項p.35-37「教育課程の編成・実施の方針」及びp.44-45「履修指導と履修モデル」を参照してください。)
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) 専門科目における理論科目群の一つである。修士論文を作成するにあたって、経済史的アプローチは大いに役立つと思う。
授業の方法 講義形式を基本とするが、問題演習やディスカッションも行う。学期末には、レポートを提出させる。
授業外の学修(予習・復習等) 授業計画で毎回取りあげられるテーマと内容を確認し事前に予習するとともに、授業後は復習し、知識・技能の定着に努めること。
教科書・参考書 教科書:
 ・使用しない。
参考書:
 ・K.マルクス『経済学批判』(1859年)、『資本論』(1867年,1885年,1894年)
 ・M.ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(1920年)
 ・J.Aシュンペーター『経済発展の理論』(1912年、1926年)、『景気循環論』(1939年)
 ・A.ガーシェンクロン『歴史観点から見た経済的後発性』(1952年)
 ・I.ウォーラーステイン『近代世界システム』(1974年、1980年)
 ・浅羽良昌編著『国際経済史』(ミネルヴァ書房、1996年)
 ・岡崎哲二『経済史の教訓』(ダイヤモンド社、2002年)
 ・杉原薫『アジア太平洋経済圏の興隆』(大阪大学出版会、2003年)
 ・日本経済新聞社編『歴史から読む現代経済』(日本経済新聞社、2005年)
 ・金哲雄『ユグノーの経済史的研究』(ミネルヴァ書房、2003年)
評価方法及び判定基準 評価方法:授業時の問題演習(40%)、期末レポート(60%)
判定基準は以下の通りである。
秀:90点以上、優:80点以上、良:70点以上、可:60点以上、不可:60点未満


第1回 経済史の理論(1):マルクスの史的唯物論

『経済学批判』、『資本論』を参考に、経済を土台にした、近代資本主義への移行過程とその本質的内容について学修する。

第2回 経済史の理論(2):ヴェーバーの宗教社会学

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を参考に、西欧の近代資本主義生成過程について学修する。

第3回 経済史の理論(3):シュンペーターの景気循環論

『経済発展の理論』、『景気循環論』を参考に、経済発展の要因と近代資本主義の基本的流れについて学修する。

第4回 経済史の理論(4)ウォーラーステインの世界システム論

『近代世界システム』を参考に、資本主義的「世界経済」の展開とその中核、半辺境、辺境の三つの構成要素について学修する。

第5回 欧米経済史(1):最初の工業国イギリス

世界で最初のイギリス産業革命の要因と、「世界の工場」に至るまでの基本的な道筋について学修する。

第6回 欧米経済史(2):工業化の遅れーフランス

イギリスに比べて産業革命が遅れた要因と、フランス産業革命の特質について学修する。

第7回 欧米経済史(3):後進産業帝国ドイツ

イギリスに比べて経済的に後進国ドイツが、産業革命を推進し、イギリスを凌駕する産業帝国として登場する過程について学修する。

第8回 欧米経済史(4):資本主義超大国アメリカ

イギリスから独立後、アメリカ資本主義の発展を支えた原動力及び要因に留意しながら、その超大国への発展過程について学修する。

第9回 近代西欧におけるユグノーの経済的役割

イギリス、オランダ、ドイツ、スイス等の亡命先における資本主義の発展にユグノーが果たした役割について学修する。

第10回 アジア経済史(1):東アジアの高度経済成長

アジア経済史を学ぶ重要性と、特に1960年代以降、欧米の経済発展とは異なる高度経済成長について学修する。

第11回 アジア経済史(2):東アジアにおける同質構造の経済発展

欧米の経済発展とは異なって、東アジアでは労働集約型工業化、国家主導型工業化の同一構造がそなわっている点について学修する。

第12回 アジア経済史(3):韓国工業化の特質

1960年代後半からの韓国の高度経済成長過程と、その工業化の特質について、ヴェーバーの宗教社会学とも関連づけて学修する。

第13回 アジア経済史(4):日本の資本主義的発展過程

明治維新以降の産業革命、特に高度経済成長過程と、その工業化の特質について、アメリカとも比較しながら学修する

第14回 経済史と現代経済(1):大不況の克服

19世紀末、初めての先進国型不況、1929年の世界大不況等から現代の大不況までの歴史的過程と、その教訓について学修する。

第15回 経済史と現代経済(2):地域統合

1930年代のブロック経済、欧州連合等の教訓を通して、東アジアの地域統合、「東アジア共同体」について学修する。