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    授業内容詳細

 社会・公民科教育法
   Teaching Methods of Civics
授業科目区分
教職課程科目・教職に関する科目
担当者 前田 晴人(客員教授)
グレード
テーマ 生徒の学習意欲を喚起し、生徒が主体的に学ぶことで、自己の生き方を見つけ出し、よりよく問題を解決していけるような魅力的な授業、生徒中心の授業を創るための方法と技術を鍛える。
キーワード 豊かな人間性,自己表現力,良識ある市民,知識と教養
開講年度
2018
開講時期
通年
配当年次
経済学部・法学部2・3・4
単位数
4

授業の目的及び概要 社会科・公民科とはどういう科目なのかを体得し、それを教壇で応用・実践できる能力を培うようにします。学校の教育課程・教育計画に則し、教科書の記述事項を基本としながら、実践的な授業を進めていく上での方法・技術を学びます。教材に選ぶもの、またそれをどういうふうに分析・加工し授業に還元するのかということが特に大切になりますので模擬授業や学習指導案の作成に関してもそうした点に留意しながら講義を進めることにします。また、日頃からの情報収集の習慣と解析能力の鍛錬といった面にも配慮した講義を行います。授業における生徒とのやり取りや討論などの方法、あるいは授業における言語表現のあり方、板書の仕方や筆画なども細かくチェックするようにします。さらに、社会科・公民科の知識・教養に関係する領域は限りなく広いので、読書の仕方や習慣を確立し、豊かで魅力ある授業の可能性を追求するようにします。当該教科は防災・ボランティア・職場体験・市民活動などの分野との関わりが深いので、模擬授業でも実践例の報告や討論内容に組み込むことがあります。
履修条件 教職課程履修者。
科目の位置づけ(DPとの関連) 中学・高校の公民科(現代社会・政治経済・倫理)の教授法を学ぶ科目です。公民分野の基礎的な知識と力量を備えることが期待されます。いずれの教科目にも柔軟に対応できる幅広い知識と経験が求められます。日頃から哲学・倫理学・経済学・法学・政治学・社会学・心理学などの教養を積み、人類学・民俗学・考古学・地理学など幅広い分野の書籍を読むことが肝要となります。
学修の到達目標 この科目の学修目標の到達の目安は以下の4点です。
1、社会科と公民科の教育及びその指導や授業に関する基本的事項と理論を理解している。
2、社会科と公民科の指導や授業の計画・立案に関わる基本的事項を習得している。
3、社会科と公民科の授業の実際につぃて学んでいる。
4、道徳教育や総合的な学習の時間等と連携する授業ができる。
授業の方法 優れた授業や教材の紹介を通じて、公民科の授業研究や内容把握に努めます。教科書を全員に配布しますので、まず小単元ごとにノートを作成します。次に割り当てられた模擬授業をやります。授業終了後には皆で授業の反省点を討論し合います。その後学習指導案を作成し、教材研究のやり方を実践的に学びます。この作業を繰り返し行い、参加学生みんなで批評し合い、次の授業への反省材料とします。
授業外の学修(予習・復習等) 幅広い知識と教養・生活の知恵を習得するために、読書の習慣をつけることと、感想文を提出してもらいます。また講義ノートの作成や指導案の提出を義務化しています。
テキスト・参考書  全員に教科書を配布します。それ以外の資料は全て講義担当者が用意します。課外活動に必要な資料や夏休みの課題は別に指示します。

参考書:『高等学校学習指導要領』、『高等学校学習指導要領解説 公民編』、
    『中学校学習指導要領』、『中学校学習指導要領解説 社会編』
成績評価の基準・方法 成績評価については、模擬授業(50%)、指導案(20%)、読書感想文(20%)、日頃の講義での発言や態度(10%)を考慮します。
この科目の履修にあたって 自分の隠れた才能を磨く良い機会になると思いますので、生活の多くの時間とエネルギーを本科目に注いで下さい。講義への遅刻・無断欠席は厳禁です。
オフィスアワー 各教員のオフィスアワー受付曜日・時間・場所については、本学Webサイトの「オフィスアワー」ページに掲載しています。
<アクセス方法>
大学Webサイトの[トップページ]→[キャンパスライフ]→[教務情報]→[オフィスアワー]
<URL>
http://www.keiho-u.ac.jp/campuslife/affairs/officehour.html

授業の内容や学習上の問題などについて質問や相談を行いたい場合は、実施曜日・時限を確認のうえ実施場所を訪れてください。
※なお、非専任講師については、担当授業前、終了後の教室や講師控室等での質問、相談を受け付けています。


第1回 講義の年間計画と概要

一年間の講義の概要・目標と講義計画について詳しく説明します。次いで日本国憲法・教育基本法・学校教育法などの関係法令を熟読研究し、学校教育の目的と理念、その実施に関する基本原則を周知徹底するようにします。教育実習の現状を説明し受講生の覚悟を聴くことにします。

第2回 学校の教育課程・教育計画と社会・公民科の位置付け

学校の教育課程・教育計画が何に基いて立てられているのかを、学習指導要領総則・道徳教育の記述内容を中心に細かく検討しながら理解を深めて行きます。その中での社会科・公民科の教科としての特質・目標・内容を総合的に把握するようにします。次に学習指導要領改訂の経過を詳しく検討し、明治以来の日本の学校教育が何を目指してきたのか、教育水準の維持に必要なものは何かを考えるようにします。

第3回 教科書及び副教材の授業における位置付けと講義ノートの作成

模擬授業・教育実習での授業の進め方を研究します。基本は教科書ですが、補助教材や資料集の扱い方、レジュメ・作業プリントの作成方法、課題テストの作り方などを学びます。さらに模擬授業で必要になる標準的な講義ノ―トの作成方法について説明します。

第4回 読書の意義及び読書感想文の作成について

教育活動における読書の重要性を強調し、その習慣付けを意図します。社会・公民科は教科としての対象範囲が幅広いので、授業に関連する適切な図書を読むことによって思考力・知識力を育み、読書感想文の提出を定期的に課すように指導し、夏休みにも例年の通り読書感想文の提出を求めるようにします。

第5回 情報機器の扱い方と授業への応用

PCやDVD・WiFi、プロジェクタ-スクリーンなどを活用した授業は、社会・公民科では絶大な効果が期待できる面が多く、講義担当者の実践事例を紹介しながら、関連する教材を見つけ出し、厳選した上で有効な使用機会や方法を探るようにします。学生には個々に次回講義のテーマを決定させ、課題として関係教材と報告書を持参するようにします。

第6回 教材研究

前回の講義で学生に課した教材の研究発表を行います。それとともに教材の見つけ方、入手方法、加工方法、教育現場での用い方などを、情報モラルの問題とからめて、学生とともに検討することにします。

第7回 DVDを用いて実践授業を考察する

市販されているDVDや、本学卒業生による過去の研究授業の実践映像記録を観察し、教育現場において実施されている実際の授業の全体像を批評します。その後に学ぶべき点や問題点を皆で討論し、模擬授業に備えます。

第8回 道徳教育における社会・公民科の役割

学習指導要領に掲げられている道徳教育の主旨に則り、「校則を考える」をテーマとした模擬授業を行います。2人の学生が30分ずつの授業を行い、それぞれの授業内容について参加学生全員で比較討論し、評価票を用いて批評を行います。

第9回 言語活動と言語表現へのまなざし

身近な教材である教科書に掲載されている数多くの写真や図表の中から関心の強い素材を選び出し、学生自身でそれらの事例を詳細に分析・考察する作業を行い、まとめの文書を作成して論述し、他の学生からの批評を得るようにします。この形式の授業は教科書を大切に扱う態度を養うだけではなく、生徒の思考力・表現力・判断力を育成するのに適切な事例となります。

第10回 社会科の模擬授業・災害と防災

「災害と防災」をテーマとして学生による模擬授業を行います。受講生には適宜自己の実家が所属する役所から防災マップを取り寄せておくように指導し、地域の安全対策がどのように実施されているかを把握しておくことが肝要です。そのうえで日本の災害の特色や国の防災計画を説明していくことが求められます。毎回の授業後に全員で討論を行い、学生が意見を出し合ってより良い授業の進め方・組み立て方を考えるようにし、またあらかじめ配布した評価票に出席者全員が必要事項をチェックし、本人の今後の参考に供するようにします。以下に記す模擬授業も全て同じように進めます。

第11回 社会科の模擬授業・少子高齢社会の諸問題

「少子高齢社会の諸問題」をテーマとして学生による模擬授業を行います。少子化と高齢社会の形成とがどのような問題を抱えているのかを説明した後、問題の解決に向けて生徒の活発な意見交換を引き出す作業を行う授業にする必要があります。

第12回 社会科の模擬授業・日本の公害問題

「日本の公害問題」をテーマとして学生による模擬授業を行います。通り一辺の説明では皮相の事実しか明らかになりませんので、補助教材を豊富に活用し、公害の深刻さを明らかにすることが重要です。また最近になって知られた新しい公害問題とその対策の現状についても言及するのが肝要です。

第13回 社会科の模擬授業・日本国憲法の成立

「日本国憲法の成立」をテーマとして学生による模擬授業を行います。憲法の成立経過を解説し、基本理念と原則が何から生まれたのか、憲法の機能とは何なのか、憲法改正に必要なものは何か、正義・公正・自由・平等などの概念について、わかりやすく説明できる力量が必要です。

第14回 社会科の模擬授業・選挙制度と日本の政治

「選挙制度と日本の政治」をテーマとして学生による模擬授業を行います。現在の選挙制度のあらましとその問題点を説明し、選挙によって選ばれた政治家と政党の役割を論じ、政治とは何なのか、選挙と政治との間の乖離現象の理由を考えさせる授業をめざします。

第15回 社会科の模擬授業・日本の過疎・過密問題

「日本の過疎・過密問題」をテーマとして学生による模擬授業を行います。地方の衰退と大都市への人口集中という現象が起きているのはなぜなのかを、一地方・一自治体が抱えている具体的な危機的事例を取り上げて検証しながら問題の整理を行います。

第16回 学習指導案の事例研究

夏休みに入る直前に予め卒業生が作成した模範的な学習指導案の文例を配布しておき、夏休み中に各自で検討した結果の報告書を講義時の直前までに提出してもらい、それぞれの問題点・疑問点を講義担当者が整理したものを皆で討議した後、指導案を作成する際の注意事項を詳しく解説します。

第17回 模擬授業に則した学習指導案の作成手順

模擬授業を行った学生は最終講義時までに学習指導案を提出する義務があります。学習指導案の作成に関わる問題点・疑問点は前回の講義で明確化していますので、本時では作成手順の詳細を解説します。

第18回 社会科の模擬授業・地形図の読み方

「地形図の読み方」をテーマとして学生による模擬授業を行います。地理の学習では頻繁に地図や地図帳を使用することが必要ですので、地図の基本的な読み方や作図の能力を身につけておくことが大切です。地域の防災マップを使った授業なども推奨されるでしょう。

第19回 社会科の模擬授業・気候と大気の循環

「気候と大気の循環」をテーマとして学生による模擬授業を行います。四季をテーマに、日本付近の気象現象の推移を説明し、それらが地球規模の大気循環と密接に関係していることを論じ、気象に関わる災害を具体的に取り上げて、生徒の防災意識を高める工夫が求められます。

第20回 社会科の模擬授業・国際連合のしくみ

「国際連合のしくみ」をテーマとして学生による模擬授業を行います。国際連合が発足した時期と理由、国連憲章に基ずいてその目的が国際の平和と安定、諸国間友好の発展、人権自由の確保などにあることを解説します。常設の国連総会・安全保障理事会・経済社会理事会・国際司法裁判所・事務局の下での専門機関であるPKO・WTO・UNESCO・UNICEF・ODAなどの活動内容を説明し、非常任理事国入りを目指す日本が1956年に加盟した事情と現在の役割を明らかにします。また安全保障理事会常任理事五ヶ国(米英仏露中)に認められている拒否権の意義をも考えます。

第21回 社会科の模擬授業・第二次世界大戦

「第二次世界大戦」をテーマとして学生による模擬授業を行います。人類がこれまでに体験したことのない未曾有の惨禍であり、対象がすこぶる幅広く大きいので、教科書・資料集の記述事項などから特におさえる必要のある重点的事項を絞り込むことによって、帝国主義時代最大の戦争の実像と性格を解説するようにします。

第22回 公民科の模擬授業・国境と領土問題

「国境と領土問題」をテーマとして学生による模擬授業を行います。授業を行うには、日頃から新聞記事や読書などを通じて最新の情報を把握して整理し、生徒との間に共通認識を形成することが必要で、国際平和の観点からの解決法を議論し合える授業を模索することが肝要です。

第23回 公民科の模擬授業・日本の都市問題

「日本の都市問題」をテーマとして学生による模擬授業を行います。東京をはじめとする大都市問題と地方都市が抱える問題をまず区別して論じ、双方の共通課題と異質性を抉り出す鋭い視覚を提示する必要があります。ごみ処理の問題や相次ぐ震災・ふるさと納税など生徒の生活や実践にも関わるテーマを設定し、わかりやすい授業になるような工夫が求められます。

第24回 公民科の模擬授業・市場経済のしくみ

「市場経済のしくみ」をテーマとして学生による模擬授業を行います。資本主義経済の仕組み・メカニズムをわかりやすく解説し、グローバリズムや国内産業と労働者の現況を的確に説明する必要があります。生徒がこれから生きてゆく上で知っておかなければならない重要事項であることをいかにして伝えるかが問われる授業です。進路の選択とも関連する授業であることも意識しておく必要があります。

第25回 公民科の模擬授業・青年期の心理

「青年期の心理」をテーマとして学生による模擬授業を行います。一般的には心理学の諸理論の概説によって授業を進めることが多いのですが、理論や概念の説明だけでは無味乾燥な授業になりがちですので、著名な小説・映画・テレビドラマや昔話の主人公、あるいは現代詩や歌詞にも素材を求め、青年の複雑な心理の動きを的確にわかりやすく解説するという力量が必要になります。

第26回 公民科の模擬授業・幸福と生きがい

「幸福と生きがい」をテーマとして学生による模擬授業を行います。幸福の概念には的確な答えがないようにも思われますが、生きがいをベースにした場合には議論が進めやすく、道徳の授業としても有効な機能を発揮するテーマです。学生自身がすでに生きがいを持っているか否かによって、まったく違う性質と次元の異なる授業になることを理解すべきです。

第27回 公民科の模擬授業・世論と情報化社会

「世論と情報化社会」をテーマとして学生による模擬授業を行います。インターネットやスマートフォンの普及により、これまでに経験したことのない情報化社会が成立しています。情報の的確・適切な取り入れ方とその利用方法や、情報の悪用や誤った世論操作によるさまざまな被害も起きています。情報への人間の根源的な欲求をベースとして、どのような授業を展開しようとするのかが問われています。

第28回 模擬授業に則した学習指導案の提出

実践した模擬授業の指導案を作成し提出します。学習指導案だけではなく、教科書の該当頁と使用した資料集・その他のほきょ補助教材についてもコピーの提出を課します。それぞれの指導案作成の際の苦心談を話し合い、不足不明の点を確認しながら互いの指導案を批評し合います。

第29回 講義ノ―トの作成と提出

社会科・公民科の教科書により作成した模擬授業に関わる講義ノ―トを提出してもらい、作成に至る苦心と反省事項を受講生全員で話し合います。

第30回 講義のまとめ

一年間の講義のまとめと反省、総括を行います。またそれを文章化したものを文書の形にして提出してもらいます。