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    授業内容詳細

 グローバル・ルールと国際社会
   Global Rules and International Community
授業科目区分
法学部専門教育科目・学際科目
担当者 菅原 絵美(准教授)
グレード G3
テーマ 法的拘束力を伴わないが国際社会の現実を動かしている「グローバル・ルール」を追究する
キーワード ソフト・ロー,グローバル化,持続可能な発展,国連グローバル・コンパクト,企業の社会的責任(CSR),保護する責任
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3・4
単位数
2

授業の目的及び概要 本授業は、国際法・国際関係論の知識を前提とした発展的内容となっている。
私たちが生きる国際社会では、安全、人権、環境、経済といった地球規模の課題はもちろん、領土を巡る争いなど伝統的な国家間紛争でさえ、その価値の配分をめぐって個人、NGO、企業、国際機関などが国家の枠組みを越えて登場している。「世界政府」は存在せず、合意形成がますます複雑化する社会でありながら、私たちの日常生活は大方円滑に進んでいる。このような国際社会の秩序形成を支えるグローバル・ルールを学ぶ。また社会人として必要とされる、原則・理論を通じて現状を分析する力も養う。
講義は第3部からなり、第1部は国際社会における法とは何かについて考察し、第2部では国際法・国際関係論に基づく6つの理論を説明しながら「なぜ国家はルールに従うのか」を考える。第3部では、安全、人権、経済、ジェンダーなどの具体的事例を取り上げ、国際社会におけるグローバル・ルールの機能を理論を用いて分析する。
履修条件 特になし。ただし、国際法関連科目および国際関係論関連科目(政治系科目)を履修済みであることが望ましい。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) この科目は、学位授与の方針(DP)に定める、学生が本学における学修と経験を通じて身につける知識や能力のうち、以下に該当します。
1.自由、平等、民主主義などの価値原理を基礎とする、法と政治に関する基本的専門知識を体系的に理解している。
学修の到達目標 学生ひとりひとりが、テーマごとに代表的なグローバル・ルール、特にソフト・ローと呼ばれる非拘束的文書の検討を通じて、当該テーマにおける問題の所在、問題解決へ向けた国際社会の歩みといった基本的知識を習得することができる。
またグローバル化のなかで変化する社会におけるルールの役割を、国際法・国際関係論を含む、様々な角度から考察・分析することができる。
授業の方法 パワーポイントを使いながら講義形式で行う。パワーポイントの内容を簡易にまとめたレジュメ、そして必要に応じて資料を配布する。
また「リフレクションペーパー」(携帯電話または紙を媒介にする)を課している。授業中にいくつかの問題を提示するので、その解答をリフレクションペーパーとして提出してもらう。なお、リフレクションペーパーには任意解答欄を設けているので授業に対する要望・コメントは随時受け付ける。
授業外の学修(予習・復習等) 前半に理論を学び、後半は理論を使って諸問題(課題)を解いていく予定なので、特に理論編(6回分)はレジュメを読み返し、専門用語の意味を理解しておくなど、各自十分に予習・復習を行う。詳しくは授業のなかで指示をする。
テキスト・参考書 教科書は指定しない。

参考書としては次のものがある。

中山信弘(編集代表)、藤田友敬(編)『ソフトローの基礎理論』(有斐閣、2008年)
中山信弘(編集代表)、小寺彰、道垣内正人(編)『国際社会とソフトロー』(有斐閣、2008年)
山田高敬、大矢根聡(編)『グローバル社会の国際関係論』(有斐閣、2011年)
大屋根聡(編)『コンストラクティヴィズムの国際関係論』(有斐閣、2013年)
Oona A. Hathaway and Harold Hongju Koh, "Froundations of International Law and Politics" (Foundation Press, 2005)
成績評価の基準・方法 定期試験(論述式)の結果により基本的には成績評価を行うが、毎回の授業で提出してもらう質問票の内容を加味して、総合的に判断する。
具体的には、定期試験を70%、授業への積極的参加(リフレクションペーパーを通じて評価)を30%として評価する。
履修上の注意事項など この授業では「答え」を教えるのではなく、「解き方」を学ぶことに重点を置いている。これまで学んできた法学・政治学の知識を有機的に結びつけていくことになる。
授業内容は難しい場合は、教員への質問はもちろん、リフレクションペーパーにその旨を記載してほしい。次の授業で詳しめに復習したりしながら対応したいと思っている。
「答えが正しいか正しくないか」にこだわり過ぎず、答えを導くき出すプロセスを楽しんてもらいたい。
この科目の履修にあたって 学生ひとりひとりが「問い」を持ち、授業を通じて自分なりの「答え」を探していくような、参加型の講義にしたいと思っているので、講義のなかで感じた疑問や興味はどんどんリフレクションペーパーにぶつけてほしい。
オフィスアワー 月 16:20~17:50 国際部(E号館1階) 授業の質問、大学院進学
火 12:10~13:00 相談ラウンジ(八尾4階) 


第1回 イントロダクション

国内社会および国際社会での法による行動の統制を考える。
「なぜ、私たちはルールに従うのだろうか?」

第2回 国際社会における法①

国際社会における法とは何かについて、国内社会と国際社会の関わり(国内法と国際法の関わり)、または国際社会における「法的拘束力」について考える。

第3回 国際社会における法②

国際社会における法とは何かについて、法の多様性(非拘束的合意の「拘束力」について)、また法を順守するアクターの多様性(国家、国際機関のみならず、個人、集団、NGO、企業など)について考える。

第4回 グローバル・ルールとは①:リアリズムから考える

グローバル・ルールを考える前提として、6回にわたり国際社会における法の機能を「利益」および「規範」からアプローチする。利益をベースとしたアプローチのなかでも、リアリズムから「なぜ国家はルールに従うのか」を考える。

第5回 グローバル・ルールとは②:コンストラクティヴィズムから考える

規範をベースとしたアプローチのなかでも、コンストラクティヴィズムから「なぜ国家はルールに従うのか」を考える。

第6回 グローバル・ルールとは③:制度論から考える

国際レジームに注目し、利益をベースとしたアプローチのなかでも、制度論から「なぜ国家はルールに従うのか」を考える。

第7回 グローバル・ルールとは④:公正および正当性理論から考える

国際レジームに注目し、規範をベースとしたアプローチのなかでも、公正および正当性理論から「なぜ国家はルールに従うのか」を考える。

第8回 グローバル・ルールとは⑤:リベラリズムから考える

国際社会の多様なアクターに注目し、利益をベースとしたアプローチのなかでも、リベラリズムから「なぜ国家はルールに従うのか」を考える。

第9回 グローバル・ルールとは⑥:越境的リーガルプロセス論から考える

国際社会の多様なアクターに注目し、規範をベースとしたアプローチのなかでも、越境的リーガル・プロセス論から「なぜ国家はルールに従うのか」を考える。

第10回 個別課題①安全とグローバル・ルール

グローバル・ルールとして「保護する責任」をリビアの事例をもとに考察する。

第11回 個別課題②人権とグローバル・ルール

グローバル・ルールとして「ビジネスと人権に関する指導原則」を取り上げ、企業の社会的責任(CSR)の世界的な広がりを事例に考察する。

第12回 個別課題③経済とグローバル・ルール

グローバル・ルールとして紛争ダイアモンドを規制するキンバリープロセスを事例に考察する。

第13回 個別課題④環境とグローバル・ルール

グローバル・ルールとして環境と開発に関するリオ宣言を事例に考察する。

第14回 個別課題⑤ジェンダーとグローバル・ルール

グローバル・ルールとして第4回世界女性会議の北京宣言、安保理決議1325を事例に考察する。

第15回 まとめ

講義の総括を行う。