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    授業内容詳細

 契約と賠償
   
授業科目区分
法学部専門教育科目・民事法系
担当者 西村 秀樹(客員教授)
グレード G2
テーマ 債務不履行による損害の賠償請求について学ぶ。
キーワード 履行遅滞,履行不能,不完全履行,売買・賃貸借・金銭消費貸借契約,帰責事由,相当因果関係,過失相殺,同時履行の抗弁権,危険負担,瑕疵担保責任
開講年度
2017
開講時期
配当年次
1秋・2・3・4
単位数
2

授業の目的及び概要  本授業は、相手方が債務不履行に陥ったとき、当方として取り得る手段はなにか、損害賠償としてどのようなものを請求することができるか、請求の方法としてどのような方法があるか、などについて理解することを目的とする。

 どの社会に出ても必要とされる契約と損害賠償についての概括的理解を得ることを目的とする。


 本授業は、財産法全般についてひととおりの理解を得ていることを前提とする。決して入門レベルではない。
履修条件  意思能力と行為能力の問題、意思の欠缺による無効と瑕疵ある意思表示による取消の問題、代理制度や時効制度の仕組、不動産登記の理解、債務不履行の分類など、財産法全般についてひと通りの素養を身につけていることを履修条件とする。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  学生諸君は大学を卒業して一般社会に出れば、どの分野であれ、自己の意見を要領よく整理して発表すること、他の人と論理的に意見を交わし、あるいは意見を戦わせ、公正・妥当な解決を導くこと、などが常に求められる。学生時代はそのための素養を身につけるための準備期間であるといえる。その際、法は人々を納得させる最も公正な手段であり、ことに民法的ものの考え方はその基本である。法律専門職に就く者に限らず、法的素養(ことに民法的素養)は現代の一般市民の必須アイテムとして、習得に努めてもらいたい。
学修の到達目標 * 債務不履行の3つの態様を説明できる。
* 債務不履行の3つの態様ごとに、これを強制的に履行する方法としてどのようなものがあるかを説明できる。
* 遅延賠償と塡補賠償のそれぞれにつき、意義・要件・効果を説明できる。
* 過失相殺、損益相殺について説明できる。
* 13種の典型契約について分類し、共通点・相違点を説明できる。 
授業の方法  教科書、レジュメに従って講義形式で解説を進める。ただし、必ずしも教科書をいちいち参照しながら解説する訳ではない。教科書は、予備知識習得のためのものとこころえ、十分に予習した上で授業に臨んでもらいたい。

 板書は、特に必要なところだけを書くので、十分にノートをとること。ノートは箇条書き式より文章式の方が、復習に役立つ。

 随時、予告することなく、小テストを行う。
授業外の学修(予習・復習等)  必ず予習すること。
 期末試験までに教科書を必ず3回は通読すること。
 教科書・ノートを読む際、必ず六法を参照すること。
 教科書の目次を利用して、そこに書いてあることが教科書を閉じても思い浮かぶようになるまで、熟読すること。
 教科書の索引を利用して、語句の理解ができているかどうか確認すること。
 
テキスト・参考書 1 テキスト(教科書)
   裁判所職員総合研修所・監修
    「(新訂)民法概説(四訂版)」司法協会
    授業はこれに準拠して行う訳ではないが、試験の際に持ち込みを認めるという意味で「教科書」とした。持ち込みの必要のない人は、他の本を基本書としてもかまわない。
2 参考書
 * 野村豊弘・著「民法Ⅰ(第3版)」有斐閣
   野村豊弘・著「民法Ⅱ(第2版)」有斐閣 
 * 出口尚明・監修「設題解説民法(三)」法曹会
成績評価の基準・方法 * 基準 学習の到達度・習熟度を基準とする。

* 方法 上記基準を、小テスト(10%)、中間試験(30%)、期末試験(30%)及び授業への取り組み態度(30%)で評価する。
履修上の注意事項など  特に選考試験を行う訳ではないが、財産法全般につき基礎的素養のあることを前提とする。基礎的素養がないと思う諸君は、授業が始まる秋学期の初めまでに教科書を熟読しておくこと。そうすれば、基礎的素養は必ず身につく。
この科目の履修にあたって  社会に出れば至るところで契約に出会う。社会は契約で成り立っている。契約についての理解がなければ一般の市民生活も職業人としての生活も、円滑適切に営むことはできない。本講義は、一般市民・職業人として必要な契約とその反面としての損害賠償についての理解を身につけることができる。

 学修上での躓きの石は至る所にあるが、常に足下を見ること、基本に帰り教科書を熟読することが重要である。上にあげた設題解説民法は、事例とともに基礎の基礎からする解説も盛り込まれている。教科書と併せて使用されるとよい。
 
オフィスアワー  学内において、空いている時間に随時対応する。


第1回 ガイダンス、債務と損害賠償請求権の関係

授業の進め方、参考文献、成績評価の方法等について説明する。
すべての債務が最終的には損害賠償請求権に帰することを学ぶ。

第2回 現実的履行の強制と損害賠償の請求

債務が任意に履行されないとき、これを強制的に履行させるにはどのような方法があるか、を学ぶ。

第3回 債務不履行の態様

債務不履行の態様を履行遅滞・履行不能・不完全履行の3つに分けて学ぶ。

第4回 債務不履行と損害の因果関係

損害の態様を分類しながら、損害賠償の対象となる範囲はどこまでかを学ぶ。

第5回 遅延賠償と塡補賠償

損害賠償の態様を遅延賠償と塡補賠償に分けてそれぞれの特徴を学ぶ。

第6回 損益相殺と過失相殺

賠償すべき損害の額を算定する際に問題となる損益相殺と過失相殺について学ぶ。

第7回 契約の一般理論

契約の成立・不成立、有効・無効、能力、代理、契約の分類等の一般的な問題について学ぶ。

第8回 売買契約1(物権の意義・一般的効力・公示)

主に所有権と金銭の交換を目的とする売買契約の検討を進める前提として、物権の意義・一般的効力・公示などについて学ぶ。

第9回 売買契約2(当事者間における関係)

売買契約における当事者(売主と買主)の関係、相互の債権・債務について学ぶ。

第10回 売買契約3(第三者との関係)

物(特に不動産)の売買に関する諸問題のうち、主に対抗問題について学ぶ。

第11回 双務契約・有償契約の特質

危険負担、同時履行の抗弁権、物の瑕疵担保責任などについて学ぶ。

第12回 賃貸借契約

物(主に不動産)の賃貸借契約について学ぶ。

第13回 金銭消費貸借契約

金銭消費貸借契約(お金の貸し借り)について学ぶ。

第14回 委任契約と請負契約

委任契約と請負契約のそれぞれの意義、相互の違いは何か、を学ぶ。

第15回 本講義の総括

本講義の総括を行う。