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    授業内容詳細

 警察法令概論
   
授業科目区分
法学部専門教育科目・学際科目
担当者 西口 善規(准教授)
グレード G2
テーマ 治安に対する社会政策と犯罪捜査実務
キーワード 社会生活と法律,犯罪と社会的背景,犯罪のグローバル化,自白と取り調べの可視化,捜査の原則と捜査手続き,犯罪鑑識と科学捜査,犯罪被害者対策
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3
単位数
2

授業の目的及び概要  国家の存立には治安対策の社会政策が実質的に機能していることが重要である。国民が安全で安心して生活できる基盤はこの政策の成否にかかわっている。この基盤対策を担うのが警察である。特に、犯罪に対して確固たる信念のもとに対決する力強い警察組織と善良な市民の強い味方である心優しい警察組織は、国民の期待と信頼の要である。行政法規の取り締まりを担う行政警察と犯罪捜査を担う司法警察の二面性を有する国家的機能の権限は、国民の権利と義務の履行に大きく作用するものであり、これらの権限を執行するのが「法の番人」と言われている警察官である。個々警察官の執行能力は治安体制に大きく影響するだけでなく、国民の安全安心のバロメーターの一つにもなる。日々発生する事件事故を取り上げ、これらに対峙する警察機関や現場の警察官の活動に焦点を当てて、法秩序と社会正義とは何かについて研究していく。
履修条件 特になし。但し、警察官の職業を志望する学生や公共の安全に関連する職業に興味のある学生は積極的な履修を推奨する。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  国民の権利や義務についてはすべてが法令の根拠に基づいて取扱いされている。これから社会人として法令遵守(コンプライアンス)があらゆる社会生活の中で必要かつ重要な位置を占めている。特に、法令違反が社会正義に反する度合いが大きければ大きいほどダメージは大きく信用と信頼を失ってしまう。
 日常社会生活においての安全安心への危機管理能力と権利や義務に裏打ちされた法秩序の維持について、国民目線で思考するのではなく、治安責任を果たすべき警察機関の目線からアプローチすることにより、現場で職務執行する警察官の職務を理解し、職業に対するやりがいや使命感を会得し、公務員を目指す学生はもとより、社会人全般の有責性や権利義務の履行、社会貢献のあり方についての理解を深める。
学修の到達目標  治安責任を担う警察機関がその行政目的を達成するために、犯罪の未然防止活動や交通安全対策などの諸対策を実施していく一方で、日々発生する事件事故の犯罪捜査も国民の安全安心を確保するための重要な活動である。犯罪の被害者にも加害者にもさせないために日々努力している警察官の活動について理解を深めることにより、犯罪への対決心や使命感に裏打ちされた執行力と国民の信頼の上に治安のよい国日本が成り立っていることを犯罪捜査実例を踏まえて実感できるところまで理解を深める。 
授業の方法  毎回社会事象に応じた事件事故の事例を紹介し、捜査活動と適用法令や捜査手続きについて、学生諸君とも意見交換しながら犯罪の発生から捜査活動、検挙へのプロセスを理解し、警察法令の適用や運用によって警察がいかに治安責任を果たしているかを学んでいく。
授業外の学修(予習・復習等)  次回の授業内容を説明するので、提示した事例や関係法令について予習をしておいてほしい。
テキスト・参考書  講義ごとにレジュメを配布する。
 参考書としては「現場警察官権限解説(田村 正博 著)」を活用する。
成績評価の基準・方法  授業を公式の場として積極的に取り組む姿勢と態度等を重視し、意見の発表、コメントシートの内容等に60%、期末レポート試験に40%を配分して評価する。
 
履修上の注意事項など  社会秩序の維持のために権限が付与されている警察機関は、その運用を誤れば国民の信頼を揺るがせることになり、結果として治安に大きく影響を与えかねない。
 司法警察の部門においては、法の適用と人権は大きく関わってくる。
 国家作用である警察機関の執行官側の立場と、その適用を受ける国民の立場との両面から警察執行法令の適用や運用面を考察し、法学を学ぶ者にとって、法律が時代を反映して如何に社会生活に馴染んでいるかの理解を高めてほしい。 
この科目の履修にあたって  授業の理解度を検証しながら進めていくので学生の意見を積極的に取り入れていきたい。
オフィスアワー 木 14:40~16:10 相談ラウンジ(八尾4階) 授業の質問、キャリアと進路、公務員試験対策


第1回 警察組織について

 犯罪捜査を担当する部局に焦点を当てて、犯罪に対決する警察組織の仕組みについて説明する。

第2回 犯罪捜査と刑事手続き(1)

犯罪捜査の定義、国民と密着した警察捜査と国家治安を担う他の捜査機関との関係

第3回 犯罪捜査と刑事手続き(2)

 犯罪の認知から裁判、判決、刑事施設への収監までの一連の刑事手続きの流れと身分について学ぶ。
 捜査と留置業務についても触れていく。

第4回 犯罪捜査と刑事手続き(3)

 法の適正執行と証拠価値について学び、犯罪を立証していく捜査活動について研究する。(事例研究)

第5回 犯罪捜査と刑事手続き(4)

 法の適正執行と証拠価値について学び、犯罪を立証していく捜査活動について研究する。(判例研究)

第6回 刑事警察と犯罪捜査(1)

 犯罪捜査の伝統は刑事警察にあり、誘拐や殺人、強盗などの強行犯罪や窃盗犯罪、特殊詐欺などの知能犯罪の捜査について学ぶ。

第7回 刑事警察と犯罪捜査(2)

 銃器、薬物犯罪の捜査、暴力団取締りなどの組織犯罪対策について学ぶ。

第8回 刑事警察と犯罪捜査(3)

 犯罪捜査の最前線での証拠収集や証拠価値を高めるための証拠保全などを行う鑑識業務に焦点を当てて、法の適用と証拠とのマッチングについて学ぶ。

第9回 被疑者の取り調べと取り調べの可視化

 自白の強要による冤罪の防止を図るのと被疑者の人権に配慮した取り調べの録音・録画による可視化の推進について学ぶ。

第10回 生活安全警察と犯罪捜査(1)

 国民生活や社会情勢の変化に密着した特別法犯の事件事例を中心に学んでいく。特に、ストーカー事件や婦女子を狙った犯罪捜査について研究する。

第11回 生活安全警察と犯罪捜査(2)

 国民生活や社会情勢の変化に密着した特別法犯の事件事例を中心に学んでいく。特に、児童虐待やネグレクト、少年犯罪の捜査について研究していく。

第12回 警備警察と犯罪捜査

 テロ対策や外国人犯罪対策について学んで゛幾。

第13回 交通警察と犯罪捜査

 道路交通の安全、円滑化対策と交通取り締まりと交通特殊事件の捜査について学んでいく。

第14回 犯罪被害者支援対策

 国民のだれもが犯罪の被害者等になる可能性が高まっている中で、犯罪被害者等の声に耳を傾けなければならない。
 国並びに国民が犯罪被害者等のための施策や基本理念を定めた「犯罪被害者等基本法」を中心に犯罪被害者対策について学んでいく。

第15回 全体の総括

 国家の存立の基盤となる安全で安心して生活できる社会を生み出していくには国民のたゆまない努力と国家による犯罪抑止施策との相乗作用が重要であることを理解し、国家の治安責任に言及していく。