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    授業内容詳細

 警察学入門
   Introduction to Police Studies
授業科目区分
法学部専門教育科目・学際科目
担当者 石川 英樹(客員准教授)
グレード G2
テーマ 警察学と社会貢献
キーワード 法と法を執行する警察権限の発動による社会正義の実現を図る警察の存在について考える。,幅広い社会人として物事を多面的に考察する能力の向上を目指す。
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3
単位数
2
コース 2年生 (法)公務員コース基本科目(2015年度以降入学生)
3年生 (法)公務員コース基本科目(2015年度以降入学生)

授業の目的及び概要 社会に貢献するための「人づくり」に必要なものは何か。どのような観点から社会人としての在り方を学べばいいかということについての思いを具体化していく。
市民生活の安全がなければ、そこに思いやり、マナーは生まれない。そのため安全で安心な社会を保つためのマナー、道徳、法令などについて治安施策に関する警察関連法令について実務法学として説明し、その役割を明解にする。また、公務員の在り方について考え、期待されるものや、その適性について言及していく。
私が奈良県警の警察官として在籍した経験を生かしたい。机上の論理だけではなく、あらゆる場面や状況下でも即決対応できる現場対応能力や対人折衝能力を高めるノウハウを各人が会得できることを目標とする。
履修条件 特になし。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) より社会貢献できる職業とは何か自覚し、それぞれが身近な目標をもって学習できる内容とする。
警察組織を担う警察官が社会貢献していく上での適応能力と適性の習得。
学修の到達目標 警察の基本法である警察法や警察官職務執行法等の警察関係法令がいかに日常の社会生活に溶け込んでいるかを理解できることが第一歩である。しかも憲法の精神から脈々と流れる考え方が根底になって治安の良い国、日本が成り立っていることを実感できるところまで理解を深める。
授業の方法 毎回、社会事象に関連した事件・事案に触れ、学生たちからも意見感想をいただき、社会貢献のできる若者の育成のため意見交換を図っていきたい。毎回キャッチフレーズを設定していく。
 ICTの活用については、特段の場合を除き予定なし。
授業外の学修(予習・復習等) 次回の授業内容を説明するので、提示した関連法令についての予習をしておいてほしい。
テキスト・参考書 講義毎にレジュメを配布する。一般人としての視点から興味の持てる法学解説書を一冊マスターすることが実務法学への入門になる。
成績評価の基準・方法 この講義式授業については、授業の中間点で、その理解度を判定するために、課題レポートを提出させる。また、コメントシートもポイント授業ごとに提出させる。
評価の判定はコメントシート20%、中間レポート30%、昨年と同様期末レポートが50%で評価していく。
履修上の注意事項など 常に、「なぜ」という疑問点を課題として自ら考え、探求し解決していく積極的な姿勢が必要である。
この科目の履修にあたって 「私」がはびこり「公」が陰を潜める、そんな時代に我々は生きている。しかし、乱れた社会にこそ理想の治世を求め、社会正義と治安維持のために人生をかけて「国民のために奉仕する」全体の奉仕者である警察官等になるべく、強い情熱と熱意をもってチャレンジする若人の道標となればと願うものである。
オフィスアワー


第1回 ガイダンス・自己紹介

 授業を担当する者が、37年間奈良県の警察官として仕事をしてきた生きざまについて、語りかける。道標としての役割を果たせることを切望しながら経験などを披露していく場として設定する。実務法学の学び方を実践的に展開する。
 どうすれば公務員としての警察官等への道を歩んでいけるのかという、学生が自身に投影できる切り口を提示する。
 社会奉仕を信条とする公務員の中でも、「なぜ警察官を志望するのか」というおぼろげな考え方がより鮮明に具体的になってくるような心理形成を目指す。目標の達成を図るためには、より正しい道のりを歩むことを提案し希望を抱き奮起できるきっかけ作りをする。
 授業については、各コマ連続性を持つので継続的に受講する大切さについて理解させる。

第2回 警察学とは

 警察学という概念そのものは公定性を有していない。後発的に、しかも警察の仕事の特殊性を鑑みて、その必要性から名づけられ呼称されているものである。ここでは、単に関係の法令を学ぶというものではなく、法律を社会生活の中で現実に適用させながら実務知識・技能も含める概念であり、法学を学ぶ者にとって重要である。
    実際の法令の運用としては、対象・相手との対峙やコミュニケーション、心理を読むことや、説得、やりとりなどのいわゆる「現場対応能力」を含めた力に支えられていることに気づくこととなる。
 したがって、どの範ちゅうが警察学ということになるかについての概念を理解させる必要がある。法律においても実務解釈・判例を学ぶ重要性について理解させ、興味を抱ける導入をしていく必要がある。

第3回 警察の歴史・警察制度の成り立ち

 警察制度の歴史の概況を学び、その経過としての交番制度の発足の背景を把握した上で、市民を守る使命についての重要性に触れる。自治体警察から全国警察への変遷から今日の警察制度の概要を知る。社会政策と密接な制度の変遷は、法学を学ぶ者にとって不可欠な事柄である。

第4回 警察の組織

 警察組織の概要を学び、市民警察としてどのように進展してきたかについて具体的な運用を説明する。組織の概要を知ることはそこで働く勤務員の心の糧を知ることにつながる。
 仕事のやりがいや誇りの根源がどこにあるのかを説明する。特に、行政警察と司法警察の二面性についての理解を得ることにより警察の機能の本質を知る。

第5回 憲法と警察学

仕事を進めるについて基本法から学ぶことが「社会における存在」の核心に触れることとなる。すべては法治国家の最高峰の憲法にその権限の由来がある。憲法の精神に裏打ちされた職務を適正に執行していくことの根源について説明する。

第6回 警察法(1)

組織、権限、職務の法的根拠について体系的かつ具体的に学んでいくことでより理解が深まる。特に警察法第2条を根拠とすることについては、判例等への適用、引用がなされている。

第7回 警察法(2)

活動の具体的な法的根拠を学ぶことで、警察官の仕事が如何に権限として精査されてきたものであるかということの理解が深まる。

第8回 中間まとめ

 レポート提出(前期中間考査)
 実務法学の学び方、公務員の在り方等、警察についての全体像も学んだところでの、理解度を図る。法的に構築され精査されてきた組織活動としての仕事として認識できることを前提とする。

第9回 刑法と警察学

 基本的人権の尊重といった基本思想である憲法の流れを受け、刑法はどのような制定の仕方になっているかを学ぶ。法学実務として学ぶ条文を重点的に説明する。
 近年の治安情勢に沿った刑法の改正部分に触れることによって新しい犯罪の発生傾向を知る。

第10回 刑事訴訟法と警察学

 基本的人権の尊重といった基本思想である憲法の流れを受け、刑事訴訟法はどのような制定の仕方になっているかを学ぶ。警察実務として学ぶ条文を重点的に説明する。

第11回 危機管理と警察学

公務員法上、保障されている警察官の身分や警察官が公務に従事するにあたって守るべき規則である服務と遵守すべき倫理の基本及びそれらを守らなかったことにより科せられることとなる懲戒処分を始めとした不利益処分について学ぶことにより、警察官としての身分上の危機管理を習得させる必要がある。

第12回 主要実務法令と警察学(1)

 警察官職務執行法として代表的な「職務質問」といわれる法的根拠を説明する。また、この法律の性格が判例法として扱われていることを学び、この法律の制定経過を知ることによって世界有数の安全な国といわれる日本国民の治安意識、遵法精神を知る。

第13回 主要実務法令と警察学(2)~判例研究~

 警察官個人に付与されており、現場において自分自身の判断で執行する職務質問については、職務質問をした結果、犯罪捜査に移行した場合などは、端緒となった職務質問の合法性が裁判で争われることがあり、国民の権利意識が高まる中、過去の判例を題材に適正な職務質問について学ぶこととする。

第14回 主要実務法令と警察学(3)~事例研究~

職務質問と同じく警察官個人に付与されており、現場において自分自身の判断で執行する武器の使用、とりわけ拳銃の使用は国民の生命を守るための最後の手段と言えるものである。その使用に当たっては現場の警察官の単独且つ冷静沈着な判断に委ねられることが多いことから、これまでの拳銃使用実例を踏まえ、拳銃の適正使用について学ぶこととする。

第15回 まとめ

 これまでの学習を振り返る。