トップページ | シラバス |  
 
    授業内容詳細

 少年犯罪と法 〈少年法〉
   Juvenile Law
授業科目区分
法学部専門教育科目・刑事法系
担当者 大場 史朗(准教授)
グレード G3
テーマ 少年法の見方・考え方
キーワード 少年法,日本国憲法,原理と原則,歴史研究,少年の健全育成,治安と福祉
開講年度
2018
開講時期
配当年次
3・4
単位数
2
コース 3年生 (法)公務員コース基本科目(2015年度以降入学生),(法)公務員コース基本科目(2012~2014年度入学生)
4年生 (法)公務員コース基本科目(2015年度以降入学生),(法)公務員コース基本科目(2012~2014年度入学生)

授業の目的及び概要 「子どもは未来」「子どもは宝」とよく言われる。しかし、少年がひとたび「非行」をおかすと社会の目は一気に厳しくなる。そして、近年では「少年法なんていらない」、「少年法を改正せよ」という声も高まっている。しかし、それらの主張の大多数は少年法の内容を十分に理解したうえでなされているとは言い難い。
他方で、子ども、少年の置かれている環境は厳しさを増している。『平成27年版 子ども・若者白書』によれば、子どもの相対的貧困率(2012年)は16.3%、母子家庭などの大人が1人の世帯では54.6%と非常に高い水準となっている。小学生・中学生の就学援助率(2012年)も過去最高の15.64%となっている。児童虐待の認知件数も右肩上がりである。学校でのいじめで自殺する少年も少なくない。このように日本社会の厳しさはもっとも弱い存在である子ども、少年に容赦なく襲いかかっている。その意味で、非行少年を含む現在の少年の状況は、そのまま日本社会の状況を映し出しているといっても過言ではない。
本講義では、近年関心が高まっている一方で、世間では十分に理解されているとは言い難い少年法を概説する。
履修条件 とくになし。もっとも、刑法総論、刑法各論、刑事裁判と法、刑事手続法の単位を修得済み、又は並行して履修することが望ましい。
科目の位置づけ(DPとの関連) 少年法の学修を通して、以下の能力を涵養する。
(1)自由、平等、民主主義などの価値原理を体系的に理解している。
(2)多様な価値観や利害関係に適した解決策を考える力を身につけている。
(3)論理的な思考力、豊かな表現力および実践感覚を身につけている。
学修の到達目標 (1)日本刑事司法の特色とその問題点を理解できる。
(2)少年法の基本概念を正確に理解できる。
(3)少年法の全体像を理解できる。
(4)社会科学的な思考ができる。
授業の方法 基本的には講義形式によるが、できるだけ双方向の講義を目指したい。場合により、パワーポイント、ビデオ等の視覚的資料を用いることがある。講義はレジュメを基にすすめる。
授業外の学修(予習・復習等) 一定の講義レベルを維持するために毎回の予習・復習が必要である。
テキスト・参考書 テキストは特に指定しないが、少年法の体系書又は概説書を1冊購入することが望ましい。『六法』(小型のもので可。電子版も可)を毎回持参すること。
最近の体系書又は概説書としては、以下のものがある。
 *川出敏裕『少年法』(有斐閣、2015年)
 *武内謙治『少年法講義』(日本評論社、2015年)
 *丸山雅夫『少年法講義 第3版』(成文堂、2016年)
 *守山正・後藤弘子編著『ビギナーズ少年法 第3版』(成文堂、2017年)
少年法に関する比較的著名な読み物(マンガ)として、毛利甚八作、魚戸おさむ画『家栽の人』がある(ビックコミックス版又は小学館文庫版)。
成績評価の基準・方法 期末試験(80%)及び授業への積極的参加度(20%)による。なお、平常点には出席点は含まない。
試験の形式は講義中に指示する。
成績評価の一般的な基準は、(1)法学士を授与されるにふさわしい論理的かつ分析的な法的思考ができているか、(2)本講義の内容を理解しているか、である。
この科目の履修にあたって 「強がり」
  わたしは時に 強がって生きてしまう
  本当は ものすごく辛くて苦しいのに……
  本当は 周りの人たちに甘えたいのに……
  だけど何より一番怖いのは 周りの人たちに流されて
  自分自身を追い込んでしまうこと
  そして悲しいのは 後戻りできなくなるということ
  だから そうなる前に
  自分自身の弱さを認めて生きて行きたい

   寮美千子編『空が青いから白をえらんだのです-奈良少年刑務所詩集-』(新潮文庫、2011年)48頁より
オフィスアワー 各教員のオフィスアワー受付曜日・時間・場所については、本学Webサイトの「オフィスアワー」ページに掲載しています。
<アクセス方法>
大学Webサイトの[トップページ]→[キャンパスライフ]→[教務情報]→[オフィスアワー]
<URL>
http://www.keiho-u.ac.jp/campuslife/affairs/officehour.html

授業の内容や学習上の問題などについて質問や相談を行いたい場合は、実施曜日・時限を確認のうえ実施場所を訪れてください。
※なお、非専任講師については、担当授業前、終了後の教室や講師控室等での質問、相談を受け付けています。


第1回 ガイダンス・少年法の意義

ガイダンスののち、少年法の意義、手続の流れ、基本的な枠組みなどについて概説する。

第2回 少年法の目的と方法

少年法の概念と目的、少年保護手続の関係機関などについて概説し、客観的なデータを用いて非行少年の現状を分析する。

第3回 少年法の歴史と改正

旧少年法から現行少年法に至る少年法の歴史と、主に2000年以降の少年法改正の内容について概説する。

第4回 少年法の対象

「少年」の意義と、犯罪少年、触法少年、虞犯少年の区別について概説する。

第5回 非行の発見と事件の受理

非行少年の発見活動及び事件受理の方法等について、主に少年警察活動を中核として概説する。

第6回 観護の措置

観護の意義と、主に少年鑑別所における観護措置について概説する。

第7回 調査

調査の意義と、調査の諸問題、調査後の手続について概説する。

第8回 審判(1)

少年審判の意義と、原理と原則、審判の手続などについて概説する。

第9回 審判(2)

少年審判における証拠調べ及び証拠法則のあり方、非行事実と要保護性の認定について概説する。

第10回 審判(3)

試験観察、審判後の処分、処分の変更と取消などについて概説する。

第11回 保護処分

保護処分の意義とその内容について概説する。

第12回 不服申立て

保護処分に対する不服申立ての意義と内容、保護事件の補償について概説する。

第13回 刑事手続と刑事処分

検察官送致後の少年の刑事手続と刑事処分(刑罰)、家裁への再移送、刑の執行について概説する。

第14回 少年事件と報道

実際の新聞報道や週刊誌の報道、少年法61条にかかる裁判例などを素材として、少年事件の報道について考える。

第15回 まとめ

まとめと総括