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    授業内容詳細

 東洋法制史概論
   Eastern Legal History
授業科目区分
法学部専門教育科目・基礎法系
担当者 七野 敏光(講師)
グレード G2
テーマ 旧中国(皇帝支配期の中国)の法制度
キーワード 律令法,法典編纂,罪刑法定主義,訴訟制度,儒教
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3・4
単位数
2

授業の目的及び概要 まずは律令法が一応の完成期を迎える唐以前の王朝における法典の編纂史をたどりつつ、律令法の基本的知識を説明する。そして、そこで得た知識を基礎として法の各分野(刑法・訴訟法・家族法)にみえる旧中国法の問題点を個別に考えてゆく。
中国の法・政治文化に対する理解を深めうる授業にしたい。平易ではないが、得るものも多い授業だと講師自身自負している。
履修条件 -
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) この科目は法学部専門教育科目・基礎法系の科目です。
学修の到達目標 旧中国法を学ぶことにより、われわれの法に対する一層深みのある認識をもつことを授業目標とする。
授業の方法 テキストとレジュメ(適宜配布する)を使用して授業を進める。受講生がノートすべき事項のかなりの部分がこのレジュメに印刷されているはずである。ノート筆記の労力を省ける分、講師の話に耳を傾け、受講生なりに“考える授業”としてほしい。
授業外の学修(予習・復習等) 前回までの授業内容を十分に整理・理解して授業にのぞむように心がけてください。
テキスト・参考書 テキスト。七野敏光ほか『史料からみる中国法史』(法律文化社、2012年)
参考書。滋賀秀三編『中国法制史――基本資料の研究』(東京大学出版会、1993年)
成績評価の基準・方法 学期末に実施する筆記試験(90%)と随時提出してもらうコメントペーパー(10%)で成績を評価する。筆記試験について、レジュメ・ノート等の持ち込みは一切なし。出題に則さない回答、及びポイントをおさえていない回答には及第点を与えることができない。
履修上の注意事項など 特になし。
この科目の履修にあたって 興味さえあれば決して難解な講義ではないので、常時出席し講義内容の理解に努めてほしい。
オフィスアワー


第1回 (序論1)

わが国と旧中国の法。わが古代王朝が中国律令法を継受し、律令国家体制を整備したいきさつや、その法継受にはどのような特徴があったのかを論ずる。

第2回 (序論2)

律令法の基本的知識。律令法とはどのような特徴をもつ法であるか。また、律令法の背後に控える儒教思想とはいかなる思想であったかについて略論する。

第3回 (法典編纂史1)

秦の法制度。商鞅(法家の代表的人物)の政策を実行したことにより台頭し、やがて中国統一を実現した秦王朝の法制度と、その統一政策について論ずる。

第4回 (法典編纂史2)

漢及び魏晋の法制度。紀元前後400年にわたり中国を支配した漢王朝の法、及び魏・晋王朝における法の体系化の在り方について論ずる。

第5回 (法典編纂史3)

北朝の法制度。律令法は異民族の建てた北朝諸王朝にも継承され、却って、それが主流となり隋唐の法となる。この北朝における法の発展について論ずる。

第6回 (法典編纂史4)

隋唐の法制度。南北朝の後、中国を再統一した隋王朝の法制度、及び律令法の一応の理論的完成期を迎えた唐王朝の法制度について論ずる。

第7回 (刑法1)

成文の法規による裁判。旧中国の裁判官は成文の法規のみを根拠に判決を下さねばならなかった。このあたかも罪刑法定主義を彷彿とさせる原則について論ずる。

第8回 (刑法2)

旧中国の法と罪刑法定主義とを絡めて論ずる先学の意見を批判的に紹介しつつ、成文の法規による裁判の原則が旧中国に一貫して行われてきた理由を確認する。

第9回 (刑法3)

「断罪引律令格式」条と呼ばれる有名な唐律の1条文の意義について論ずる。

第10回 (訴訟法1)

旧中国の訴訟の基本的な性格について論ずる。

第11回 (訴訟法2)

「戸婚田土の案」「命盗の案」という訴訟案件の区別の基準、及び両案件の取り扱いの相違について論ずる。

第12回 (訴訟法3)

旧中国裁判の素描。律令法の規定のいくつかを用い、唐代裁判のおよその審理経過をたどることにより、旧中国の訴訟制度についての認識を深めてゆく。

第13回 (家族法1)

旧中国の家族と儒教思想。儒教思想が旧中国の家族関係を支配していたこと、及びなぜそれが家族内に深く浸透させられたのかという理由について論ずる。

第14回 (家族法2)

旧中国の家産と婚姻。旧中国における家族財産の保有形態や分割の在り方、及び宗族(男系血族)同士の結びつきである婚姻の特徴について論ずる。

第15回 (総括)

第1回から第14回までの授業内容を総括する。