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    授業内容詳細

 民法Ⅰ
   
授業科目区分
法学部専門教育科目・民事法系
担当者 西村 秀樹(客員教授)
グレード G3
テーマ 物権取引を中心に、意思表示の一般理論や時効について学ぶ。
キーワード 物権法定主義,物権変動,物権行為,公示の原則、公信の原則,対抗要件,意思表示、法律行為,意思能力、行為能力,時効,担保物権,不動産登記
開講年度
2017
開講時期
配当年次
3
単位数
2

授業の目的及び概要  民法総則と物権法(担保物権を含む)を対象とし、物権と債権の違い、物権の特質、物権行為と意思表示の一般理論、時効制度、債権の担保ということ、など、財産法の基本理論を一歩つっこんで正確に理解することを目的とする(ただし、債権法に特有の問題は扱わない。)。

 昨年は民法総則全体を30コマで解説したが、本年度の本講座では、総則・物権・担保物権を15コマで解説することとなる。従って、講義の内容は、昨年の民法総則に比べ、相当に濃縮されたものとなるので、相当の予備知識・予習が必要である。各種資格試験への足がかりともなるレベルの解説を行いたいと考えている。

 授業は、民法典の編成の順序によらず、物権を中心に、これに総則編の諸規定の解説をからめて行われる。
履修条件  民法総則と物権法(担保物権を含む)の全体的素養を持つことを履修の条件とする。

 
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  学生諸君は大学を卒業して一般社会に出れば、どの分野であれ、自己の意見を要領よく整理して発表すること、他の人と論理的に意見を交わし、あるいは意見を戦わせ、公正・妥当な解決を導くこと、などが常に求められる。学生時代はそのための素養を身につけるための準備期間であるといえる。その際、法は人々を納得させる最も公正な手段であり、ことに民法的ものの考え方はその基本である。法律専門職に就く者に限らず、法的素養(ことに民法的素養)は現代の一般市民の必須アイテムとして、習得に努めてもらいたい。
学修の到達目標 1 物権と債権の意義、特徴、相違点を正確に説明できる。
2 物権取引を例にとりつつ、意思能力と行為能力、意思の欠缺と瑕疵ある意思表示、代理、無効と取消、条件と期限、時効、などの総則上の諸制度を正確に説明できる。
3 不動産登記制度の概要を理解し、物権行為、公示の原則と公信の原則、対抗要件主義、登記と相続・取消・解除・時効などの関係を正確に説明できる。
4 事例問題の解析ができる。
授業の方法  教科書、レジュメに従って講義形式で解説を進める。ただし、必ずしも教科書をいちいち参照しながら解説する訳ではない。教科書は、予備知識習得のためのものとこころえ、十分に予習した上で授業に臨んでもらいたい。

 随時、予告することなく、小テストを行うことがある。

 ICTは、利用しない。
授業外の学修(予習・復習等)  まずは、教科書を熟読すること(騙されたとおもって10回読んでごらん)。教科書に書いてあることは、講義を受ける上での予備知識である。目次も読み飛ばさないように。随時、目次や索引を利用して、頭の中で連想ゲームのように反復するのがよい。

 教科書の巻末には、総合演習問題が付されている。これについては教科書にその解説が記載されているが、それを参考に、かならず自分で答案を作成してみること。読み書きは、学習の基本である。書くことにより理解は深まる。

 次に、「テキスト・参考書」欄に示す教材を読み進めてもらいたい。積極的に自学自習に取り組むこと。
テキスト・参考書 1 テキスト(教科書)
   裁判所職員総合研修所・監修
    「(新訂)民法概説(四訂版)」司法協会
    授業はこれに準拠して行う訳ではないが、試験の際に持ち込みを認めるという意味で「教科書」とした。持ち込みの必要のない人は、他の本を基本書としてもかまわない。
2 参考書
 * 野村豊弘・著「民法Ⅰ(第3版)」有斐閣
   野村豊弘・著「民法Ⅱ(第2版)」有斐閣
 * 我妻栄ほか・著「民法Ⅰ(第3版)」勁草書房
 * 出口尚明・監修「設題解説民法(三)」法曹会
 * 六法(どの出版社のものでもかまわない)
成績評価の基準・方法 * 基準 いうまでもなく、学習の到達度・習熟度を基準とする。

* 方法 上記基準を、小テスト(10%)、中間試験(30%)、期末試験(30%)及び授業への取り組み態度(30%)で評価する。
履修上の注意事項など  この講座は、民法総則・物権法(担保物権を含む)についての一応の素養のあることを前提としている。更に言えば、債権法についてもその概略を把握していることが望ましい。
この科目の履修にあたって  本講座の対象とする分野は、私法の基本部分である。この分野でつまづくと会社法や手形法の理解もおぼつかなくなる。それだけではない。行政法における行政行為論や民事訴訟法・刑事訴訟法における訴訟行為論も、民法総則の法律行為論を基礎としている。くれぐれも手を抜かず、あきらめず、くらいついてもらいたい。

 民法総則は極めて抽象的な規則の集合で成り立っており、難解と思う人も多いだろう。そこで、講義では、できるだけ、物権にからめ、具体例をあげて考えたいと思う。上に参考書として掲げた「設題解説民法(3)」などを読み物風に読み進めるのも一法である。

 教科書・参考書の目次・索引を利用しての連想ゲームを勧めたい。
オフィスアワー


第1回 物権と債権の違い

財産権の2本柱である物権と債権の違いを正確に理解する。

第2回 物権の特質

物権には(債権と比較して)どのような特質があるか、そのような特質はなぜ生ずるか、を理解する。

第3回 物権の種類(1) 所有権

物権の代表格たる所有権とはどのような権利かを理解する。

第4回 物権の種類(2) 占有権

内容のつかみにくい権利である占有権を、所有権と比較しながら理解する。

第5回 物権の種類(3) 用益物権

用益物権と呼ばれるものには、どのようなものがあるか。地上権・永小作権・地役権・入会権の特徴を理解する。

第6回 物権の取引(1) 物権変動と物権行為

物権の変動をもたらす原因の最も重要なものとして、物権行為を理解する。

第7回 物権の取引(2) 物権変動の公示と対抗要件

公示の原則とか公信の原則とは何か、対抗要件とは何か、を理解する。

第8回 物権の取引(3) 物権行為と意思表示

物権行為の構成要素である意思表示について理解する。

第9回 物権の取引(4) 物権行為と人の能力

意思能力や行為能力が十分でない人はどのようにして物権の取引を行うか、を理解する。

第10回 物権の取引(5) 物権行為と代理

他人に依頼して自己のために物権の取引を行ってもらう方法(代理)を理解する。

第11回 取引によらない物権の変動 時効

取引によらなくても物権の変動が生ずることがある。その重要な一例として、時効による物権の変動と時効の一般理論を理解する。

第12回 担保物権(1) 抵当権と根抵当権

債権を担保するということ、抵当権と根抵当権の違い、を理解する。

第13回 担保物権(2) 質権、留置権、先取特権

質権・留置権・先取特権の基本的な内容を理解する。

第14回 不動産登記

不動産物権変動の公示手段である登記について、その基本的な全体像を理解する。

第15回 本講義の総括

本講義の総括を行う。