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    授業内容詳細

 日本法制史Ⅱ
   Japanese Legal History Ⅱ
授業科目区分
法学部専門教育科目・基礎法系
担当者 岩村 等(教授)
グレード G2
テーマ 日本近代法の生誕と足どり
――ヨーロッパ法の入場――
キーワード 日本の近代化,法典編纂,ヨーロッパモデルの法の継受 ,天賦人権論,権利と義務
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3・4
単位数
2

授業の目的及び概要  日本は、欧米列強の植民地になるかも知れないという危機を、明治維新とその後の近代化によって克服した。この近代化の一環として、西洋の法律制度を模範に、苦心の末に、憲法(大日本帝国憲法)・民法・刑法などを制定した。これらの諸法典がどのような人々によって、どのようにして作られたかをみていく。そして、権利・義務や個人主義という西洋的な考え方が、身分や家を重く見る日本の伝統的な法思想や社会関係とどのように衝突して、いかに調整されたかを検証する。また、明治の法制度が大正・昭和という時代にどのように変貌したかも学習する。法学部卒業生にふさわしい法の歴史の素養を身につけることによって、社会人基礎力を養い、就業力の一助となります。
履修条件 特になし。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  法学部の学位授与方針(DP)において示されている4つの能力のうち、とくに「1.自由、平等、民主主義などの価値原理を基礎とする、法と政治に関する基本的専門知識を体系的に理解」し、「4.論理的な思考力と豊かな表現力とともに幅広い教養および実践感覚を身につける」ための土台となる科目です。                                 法学部のカリキュラムポリシー(CP)では、学生が基礎から応用へと順次性に基づき学修を進めていくことができるように編成されているカリキュラムにおいて、専門科目の一つとして設定されている。また、公務員コースの教職モデルにおいて、コースモデル関連科目の一つとして位置づけられています。
学修の到達目標  日本近代法の歴史の基礎的な知識を身につけ、その知識をもとに日本近代法について説明できる能力を養う。                    欧米列強に伍して近代化を進める中で、律令モデルからヨーロッパモデルへと日本の法律は改正された。具体的には、明治の憲法・民法・刑法・司法制度などがどのようにして生みだされ、どのような歩みを示したかを具体的にみていく。このようにして、現代法の土台となっている日本近代法の基礎的な知識を習得することを目標にする。     
授業の方法  テキスト『日本近代法の生誕と足どりーーヨーロッパ法の入場――』(大阪経済法科大学経法学会)に沿って授業を進める。受講生諸君は必ずテキストを購入して、予習の上、どんよくに吸収するという姿勢をもって欲しい。近代法の形成に関係した人物の話やエピソードを紹介しながら講義を進めたい。必要に応じてプリントを配布する。
 質問は大歓迎。質問は理解の母。質問票を配布するので、積極的に質問して欲しい。
 出席は毎回とる。
 「はっきり・ゆっくり・わかりやすく」を心がけたい。
 コメントシートを配布するので、感想・意見・質問をどしどし書いてください。 
授業外の学修(予習・復習等) あらかじめテキストや参考文献としてあげた書物で、次の講義の該当部分を読んでおくことを希望する(予習をするように)。
テキスト・参考書 テキスト:岩村等著『日本近代法の生誕と足どり――ヨーロッパ法の入場――』(大阪経済法科大学経法学会)

参考書:山中永之佑編『日本近代法案内――ようこそ史料の森へ――』(法律文化社)
成績評価の基準・方法  秋学期末試験(論述形式)を行う。また、授業中の小テストも実施する(1回)。基本的知識の有無、理解力、思考力を問いたい。
 配点の比重 コメントシートや授業中の質疑応答など〔約20%〕 小テスト(1回分)〔約20%〕 秋学期末試験〔約60%〕。
履修上の注意事項など なにはともかく、出席するように。
この科目の履修にあたって 法の歴史の授業といっても、なじみの薄い法律用語がどうしても出てきます。まず出席して、授業に食らいついてください。そのうちについてこれますよ。
オフィスアワー 木 14:40~16:10 教務課(C号館1階) 授業の質問、レポート作成支援、キャリアと進路、公務員試験対策、大学院進学


第1回 日本近代法制史とは―開講にあたって―

 日本法制史Ⅱの講義の概要と目標、どんな勉強をするのか、および、授業計画を説明する。また、出席の取り方・小テスト・秋学期末テスト・成績評価について説明する。古代から現代までの日本法のあゆみを概観する。

第2回 大日本帝国憲法と自由民権運動

 大日本帝国憲法(明治憲法)がどのようにして作られたかを、自由民権運動の盛衰と関連させながら検証する。伊藤博文のヨーロッパにおける憲法調査も話題にしたい。

第3回 大日本帝国憲法の基本的性格と天皇および政府

 大日本帝国憲法(明治憲法)のなかの、天皇や政府機構についての規定の歴史的意味を吟味する。特に、天皇大権についての伊藤博文と井上毅の厳しい論争を紹介したい。

第4回 大日本帝国憲法と「臣民権利義務」

 大日本帝国憲法(明治憲法)のなかの「臣民」の権利と義務の規定がどのように定められていたのか。憲法起草者たちはなぜ天賦人権論を採用しなかったのか。その理由を探りたい。

第5回 大日本帝国憲法と帝国議会

 大日本帝国憲法(明治憲法)が定めた帝国議会の制度的特徴と、その後の歩みを、自由党などの民党の国会活動と関連させながら検証する。予算をめぐる政府と民党の攻防や民党のしたたかさに光をあてたい。

第6回 大日本帝国憲法と官僚制・軍隊・警察・地方制度

 日本の近代化が中央集権的官僚制によって進められたという観点から、官僚制・軍隊・警察・地方制度について概観する。また、軍が一大政治勢力となる道を開いた統帥権の独立についても考察する。

第7回 私法制度の形成のための破壊と創造

 近代社会が登場してゆく露払いとして、江戸時代の封建的拘束(身分と経済規制)がどのようにして撤廃されたかを検証するとともに、基礎的な私法制度(取引法・地租改正・戸籍制度など)がどのようにして形成されたかをみる。

第8回 中間のまとめと小テスト

これまでの授業を振り返り、確認の小テストを実施する。 

第9回 ボアソナードについて

日本近代法の父とも言われるボアソナードの生い立ちや人となりについて語る。またその学問の内容や日本とのめぐり合い、日本政府との雇用契約の中身などを紹介する。 

第10回 旧民法の編纂と財産法

旧民法が編纂されるまでの前史と旧民法の編纂過程を辿る。ボアソナードや箕作麟翔が果たした役割やその苦労についてみる。また、旧民法の財産法の全体を概観する。とりわけ賃借権の内容をみる。

第11回 旧民法(家族法)および明治民法

 旧民法の家族法の全体を概観する。とりわけ、旧民法の賃借権規定と、「家」制度の内容をみてゆく。また明治民法の編纂経過を概観する。 

第12回 旧刑法の編纂とボアソナード

 岩倉遣欧使節の歴史的意味を考えながら、旧刑法(明治13年刑法)の編纂の過程と、ボアソナードの関与について検証する。

第13回 旧刑法の特色とその廃止および現行刑法 

フランスの刑法をもとにした原案が律令的な発想によって修正されていく過程と、旧刑法が廃止され、現行刑法が制定されるいきさつをみていく。 

第14回 明治の司法制度と大津事件

明治期の司法制度(司法行政や裁判官・検察官・弁護士)を概観する。また、日本における司法権独立にとって重要な画期をなす大津事件について、事件の発生から犯人の裁判までのあらましについてみていく。

第15回 まとめと確認

これまで授業のまとめを行い、理解度を確認する。