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    授業内容詳細

 国際社会と人の移動
   International Society and Migration
授業科目区分
国際学部専門教育科目・専門発展科目・国際理解科目群
担当者 梶村 美紀(准教授)
グレード G2
テーマ 日本及び諸外国地域の越境のあり方
キーワード グローバリゼーション,越境,移民,難民
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3・4
単位数
2
授業の目的及び概要 この授業では、移民の受け入れや難民の保護といった国際社会における人の移動をグローバル化時代の特徴的な現象の1つと捉え、日本及び諸外国地域の越境のあり方を考察する。特定の領域にとどめるのではなく、北米・東南アジア・東アジア・オセアニア・ヨーロッパを、具体的な事例を取り上げながら、総括的に考察する。日本の事例については、フィールドワーク及び当事者による体験談等を通して、より身近な問題として捉えられる内容にする。就業力育成の観点から論理的思考力や幅広い視野を育みます。
履修条件 国際コミュニケーションコース履修者には強く履修を推奨する。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) この科目は、学位授与の方針(DP)に定める、学生が本学における学修と経験を通じて身につける知識や能力のうち、以下に該当します。1. グローバル化する現代社会の諸問題を理解し、理論と知識をもってその解決に向けて自ら考え、取り組む姿勢を身につけている。
学修の到達目標 移民国家や大陸に位置する国や地域では、国境を越えた人の移動のあり方が常に注目されてきたが、隣国と国境を接していない日本では越境者に対する関心は薄かった。しかし、近年日本においても、移民の受け入れや難民の保護などが議論されるようになり、私たちも無関心でいられなくなってきた。この授業では、基本的な理論および具体的な事例、各方面への影響およびそのメカニズム、また、日本に住む私たちの生活との関わりなどの学修を通して、多様な課題を理解し、諸問題の具体的な解決策を見いだすことを目的としている。
授業の方法 基本的に資料プリントを配布し講義する。適宜、パワーポイントや映像等を利用し、実状の理解を深める。ただし、講師が一方的に講義をするだけではなく、グループディスカッションおよび学生発表を実施し、双方向の授業方法を取り入れる。また、フィールドワークおよび講演会(当事者または支援者を招へい予定)の実施前には参考文献を指定し、各自要約をまとめ提出する。理解度を把握するために毎回の授業時に小テストまたはコメント記入を課す。
授業外の学修(予習・復習等) 中間課題として関連映像や文献を指定し要約等を課す。
テキスト・参考書 参考書
S・カースルズ M・J・ミラー著 関根政美+関根薫監訳2011『国際移民の時代[第4版]』名古屋大学出版会
吉原和男ほか編2013『人の移動事典 日本からアジアへ・アジアから日本へ』丸善出版
成績評価の基準・方法 評価方法:小テスト・課題等の評価50%、発表およびレポート50%
判定基準:秀90点以上、優80点以上、良70点以上、可60点以上、不可60点未満
履修上の注意事項など 講義形式の授業に加え、グループディスカッション、学生発表、フィールドワーク、講演会を実施するので、各自が関心を持ち積極的な参加を期待する。
この科目の履修にあたって 国境を越えた人の移動に関する諸問題は現代社会における重要な課題であるが、高校までの授業では学ぶ機会は少ない。この授業の履修を通して本課題への理解を深め、各自が問題解決への道を探るきっかけとしてほしい。
オフィスアワー 木 12:10~13:00 教務課(C号館1階) 授業の質問、キャリアと進路、大学院進学(人文社会系)


第1回 ガイダンス

越境するとはどういうことか。なぜ最貧困国・地域からの越境は起きないのか。どのように仕事を見つけるのか。オリエンテーションを兼ねて越境事情の最新傾向を説明する。

第2回 身近に語られる移民

新聞や雑誌等を通して語られる越境者やその影響などに関する言説を確認する。各自の経験やイメージをクラスで共有する。

第3回 例1(北米①)

アメリカ西海岸・ハワイは、観光旅行の行き先として人気があるが、かつては日本を含むアジアの人びとにとって、重要な出稼ぎ先であった。出稼ぎ労働者がどのように現地に定着していったのかを日系人の例から考察する。

第4回 事例2(北米②)

移民国家アメリカは、かつてはメルティングポットやサラダボウルなどと呼ばれていたが、911やヒスパニック移民の増加にともない移民排斥の声が高まってきている。変化が激しいアメリカの越境者を取り巻く趨勢を読み解く。

第5回 事例3(東南アジア)

東南アジア域内の越境は、華僑の存在、貧困格差および政治混乱によってうみだされる近隣諸国からの移動が特徴的である。日本との関わりも含め、東南アジアにおける最新の越境状況を鳥瞰する。

第6回 講演会

関西地域在住の当事者による体験談から越境の実情および課題を学ぶ。

第7回 事例4(東アジア①)

世界に離散するチャイニーズ・ディアスポラをキーワードとして授業を進める。時系列に移動状況を追い、定住先でのエスニックビジネスやコミュニティのあり方など、日本の例も含め、そのダイナミズムに触れる。

第8回 事例5(東アジア②)

世界に離散するコリアン・ディアスポラをキーワードとして授業を進める。時系列に移動状況を追い、定住先でのエスニックビジネスやコミュニティのあり方など、日本の例も含め、そのダイナミズムに触れる。

第9回 中間総括

これまでの授業をふりかえり、各自が関心を持った事象について小エッセイを作成してくる。それをクラスまたはグループ内で共有する。

第10回 事例6(オセアニア)

移民国家オーストラリアは越境者に寛容なイメージを与えているが、昨今、急増するボートピープルへの対応などの観点から、政府は厳格な入国管理を実施している。また、それに対する国民の反対意見も表明されている。揺れるオーストラリアの実状を考察する。

第11回 事例7(ヨーロッパ)

EUとの関わりから英国の越境状況を概観する。近年、英国ではEU諸国出身の移民が増加している反面、非EU諸国出身の移民が減少している。少子高齢化問題を抱える英国における越境者の社会的位置付けを考察する。

第12回 事例8(日本)

日本における越境者について、これまでの事例を通し学んだ理論を用いて考察する。

第13回 フィールドスタディ

近隣の越境者コミュニティを訪問し、文化継承の場やエスニックレストランなどを観察する。

第14回 学生発表

個人またはグループ発表。

第15回 まとめ

本授業で学んだことをディスカッション形式で共有する。