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    授業内容詳細

 金融政策論
   The Theory of Monetary Policy
授業科目区分
経済学専門教育科目・財政金融
担当者 長沼 進一(教授)
グレード G3
テーマ 金融政策の理論と効果
キーワード 健全通貨,ハイパワード・マネー,公定歩合政策,支払準備率,日銀貸出,公開市場操作,バブル崩壊,超金融緩和,プラザ合意,プルーディング政策
開講年度
2017
開講時期
配当年次
3・4
単位数
2
コース 3年生 (経済)総合政策コース基本科目(2014年度以降入学生),(経済)金融経済コース基本科目(2014年度以降入学生)
4年生 (経済)総合政策コース基本科目(2014年度以降入学生),(経済)金融経済コース基本科目(2014年度以降入学生),(経)会計ファイナンスコース基本科目(2008~2011年度入学生)

授業の目的及び概要  複雑化し、混乱を極めている金融問題の解決のために、各国の中央銀行はたいへん苦心しています。金利を引き上げたいのに引き上げられない。企業金融を潤沢にしたいのに資本が国外に流出する、為替レートが不安定化する、など多くの問題を抱えています。中央銀行の政策スタンスはどうあるべきか、その経済的影響はどのようになっているかを理論と実践をつうじて理解していきましょう。
履修条件 特にありません。ただし、金融論Ⅰと同時受講することが望ましい。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  金融政策論は金融論を理論編と考えると、応用編にあたります。初学者向けの科目ではありませんから、金融理論をしっかり理解して受講するのが望ましいと思います。基礎的な理論はマクロ経済学でも取り上げていますので、マクロ経済学基礎を履修する必要があります。授業では、金融政策に関するアップデートのニュースを取り上げ解説するので、経済時事問題を学ぼうとする人にも役立つと思います。金融問題を理解することは現代社会においても重要ですし、グローバル・ビジネスの実態を理解するにも欠かせません。国際経済学、国際金融論、貿易論、産業立地論を学ぶ際にも、金融政策の目的、対象、手段の選択、政策効果を理解していると、より深く理解ができるでしょう。
学修の到達目標  金融政策の目的を理解し、政策効果を理解できること。経済ニュウー巣において、世界各国の中央銀行の政策背景を理解できること。金融問題における政策的な影響を理解できること。以上の3点です。
授業の方法  毎回、パワー・ポイント用の資料をプリントして配布しますが、ノートをとって整理して覚えるためにホワイト・ボードに板書します。必ず、サブノートを作成すること。授業中に質問し理解度をチェックしたり、中間テストを実施して授業の理解度をチェックします。質問にはコミュニケーション・カードを利用します。
授業外の学修(予習・復習等)  特にテキストは指定しませんので、配布したプリントの内容を理解するために、指定した参考書を手元に置いた必ず1時間くらい予習をして授業を受けてください。授業を受けた後は重要用語や定理を整理てて覚えるためにサブノートを作成してください。その際は必ず指定参考書を参照しながら復習してください。
テキスト・参考書 テキストは特に使用しません。参考書は適宜、授業中に指摘します。マクロ経済学のテキストに載っている金融論もあわせて参照してください。
成績評価の基準・方法 ・成績評価の基準
中間試験30%、期末試験70%
(カードリーダーで出席確認はするが、評価の基準外)
履修上の注意事項など  経済問題にはつねに関心をもって授業に出てきてください。授業中は私語を慎み、質問事項を用意しておいてください。
この科目の履修にあたって  この科目の履修にあたっては、新聞等に掲載される経済記事が理解を助ける重要な要件になっています。1週間分の記事をスクラップにするなど、努力してみてはいかがでしょう。
オフィスアワー 火 12:10~13:00 花岡コモンズ 授業の質問、大学院進学
月 13:00~14:30 相談ラウンジ(八尾4階) 


第1回 金融政策の目的

金融政策の主体としての中央銀行の役割とその目的について解説します。特に経済再生のための金融緩和と為替安定化政策に焦点を当てて説明します。

第2回 金融政策の手段:公定歩合政策

公定歩合は金融機関の金利形成におおきな影響をおよぼします。金利政策が有効であるのはどのような場合か考えてみましょう。

第3回 金融政策の手段:支払準備率政策

支払準備(あるいは預金準備)の増減を通じて通貨供給量を調節する仕組みについて解説します。

第4回 金融政策の手段:公開市場操作

公開市場における政府短期証券や国債を売買することによって通貨供給量を調節することはすでに伝統的な政策になっています。オペの対象も拡大しています。その問題点について考えてみましょう。

第5回 金融政策の手段:中央銀行貸出と窓口規制

1965年の不況の時は日銀の緊急融資が行われましたが、バブル崩壊後の金融機関の救済では公的資金の注入が行われました。政府の直接介入の在り方について考えます。

第6回 資金のアベイラビリティと信用割当

金融政策が重視されるようになってきた背景について、資金の貸し手の行動と金融市場との結びつきから考えてみます。

第7回 金融政策のタイム・ラグと経済の安定化

経済の安定化を目標とする金融政策がかえって経済の不安定性を増大させるということがあります。その原因についてタイム・ラグの問題から検討します。

第8回 オープン・システムの下での金融政策の有効性

変動為替相場制の下においては金融政策が有効であると考える理由について解説します。

第9回 自由裁量政策か先決的ルールによる政策か

恣意的な貨幣供給政策は市場を不安定化するので、経験的に求められるxパーセント・ルールをもちいてマネー・サプライするのが望ましいとする新貨幣数

第10回 通貨供給とバブルの膨張・崩壊

円高不況を緩和するための貨幣の過剰供給がバブルを発生させ、その終息のために貨幣供給を急激に削減したこと(オーバー・キル)がバブル崩壊後の大不況を招いた経験について解説します。

第11回 プルーデンス政策:金融体質強化と銀行合併

金融崩壊を食い止めるために政府が率先して銀行合併を推進していくことになった経緯について解説します。

第12回 プルーデンス政策:BIS規制と金融機関の自己資本強化

BIS規制はなぜ必要なのか、財務内容を改善するために自己資本を増やすことはどのようにして可能なのかを解説します。

第13回 プルーデンス政策:預金保険制度の導入と金融機関救済

ペイ・オフ制度によって知られる金融改革は預金者保護なのか、それとも金融機関保護なのか考えてみましょう。

第14回 プラザ合意による為替市場への協調介入

外国為替市場への単独介入には限界があることを認識し、先進国が協調して介入することに合意したのがプラザ合意です。その意義について考えてみます。

第15回 政府債務残高の膨張が金融政策の足かせに

バブル崩壊後、世界各国の政府債務は急速に増え続けています。景気対策として財政政策に依存すれば、政府債務はますます増えてしまいます。金融政策に依存すれば、為替の引き下げ競争を招いてしまいます。こうしたジレンマについて解説します。