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    授業内容詳細

 経済地理Ⅰ
   Economic Geography Ⅰ
授業科目区分
経済学専門教育科目・経済政策
担当者 安倉 良二(講師)
グレード G3
テーマ 産業の立地再編と地域変容-第1・2次産業を事例に-
キーワード 農業のグローバル化,食料自給,むらおこし,中山間地域,工業立地,産業集積,エネルギー問題
開講年度
2017
開講時期
配当年次
3・4
単位数
2
コース 3年生 (経済)地域デザインコース基本科目(2014年度以降入学生)
4年生 (経済)地域デザインコース基本科目(2014年度以降入学生)

授業の目的及び概要  この授業は,あらゆる産業の立地が地域をどのように変えているのかについて,理論および国内外の具体的な事例を紹介しながら考えます。経済活動が「どこに」「どうして」「どのように」立地しているのかについて,地図や統計を用いて考えることは,地域デザインコースの学生にとっては必要な不可欠な知識のひとつです。この授業では,第1次産業(農林漁業とその活動舞台となる農山漁村),第2次産業(鉱工業)を事例に取り上げます。
履修条件 特にありません。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) 地域デザインコースの基本科目として,現実の地域で起きている出来事を素材に,地図や統計,写真を読み取りながら経済活動をめぐる地理学的な思考力を身につけてもらいます。
学修の到達目標  この授業を受けることで学生は,以下の知識・能力を身につけることができます。
1.毎回提供するレジュメにある地図や統計,写真の読み取りを通じた地理的技能の習得
2.食料自給や国内外の工場立地再編など,時事的かつ日常生活に密着した経済活動のトピックを身近なものとして認識することができる
授業の方法  担当者が配布するレジュメを利用します。レジュメは,前半部に内容,後半部には関連図表を掲載します。場合によっては,パワーポイントによる資料の提示をはじめ,Googleストリートビュー,地理院地図を活用することもあります。また,授業終了の10~15分前には,コメントペーパーを配布し,その日の内容について感想を書いてもらうことで,学生の授業内容に対する関心をみるつもりです。また,場合によっては,授業終了時に復習を兼ねて当該内容を扱った大学入試問題を解いてもらうこともあります。
授業外の学修(予習・復習等) 日頃から産業立地に関わるニュースを新聞,テレビ,インターネットで収集しておくことが,授業内容に興味を持ってもらうきっかけになると思います。
テキスト・参考書  特定のテキスト・参考書は利用しません。ただし,レジュメの中で,いくつかの引用文献を紹介することがあります。その中には,近年の経済地理学の専門書や論文はもとより,高校の地理資料集も積極的に活用します。
成績評価の基準・方法  期末試験(70%):論述式の大問を5問用意し,問1は全員解答,問2~6までは2つの大問を選択解答してもらいます。なお,場合によっては図表の読み取り問題を含めることもあります。期末試験の採点に際しては,授業で取り上げたテーマについて,用語をうまく使いながら,意味の通った文章になっているのかどうかを評価します。
 コメントペーパー(30%):上述した授業内容について学生の関心をみますので,身近な内容もまじえながら気軽に書いて下さい。
履修上の注意事項など  取り上げる量が多いので毎回の授業出席は不可欠です。また,授業終了直前に駆け込む学生もいるが,コメントペーパーで十分な内容が書けない可能性が高いので,受講するのなら遅刻することなく来て下さい。
この科目の履修にあたって 「経済地理」と聞くと,中学・高校までの「地名・物産の暗記」という無味乾燥なイメージが先行しますが,その内容はきわめて時事的なものも多く,一般常識を使って説明できるものもあるので親しみやすい科目のひとつです。高校で「地理」を学んでいなくても十分に対応できます。地域に根ざした経済活動を学びたい地域デザインコースの学生の積極的な受講に期待します。
オフィスアワー


第1回 ガイダンス・経済地理学的な見方とは?

 履修に際してのガイダンスを行いながら,経済事象を地理学の視点から説明する意義について説明します。

第2回 農業①-日本における農業政策の変化と地域:米問題を中心に-

 第二次世界大戦後から現在にかけて,日本の農業政策が大きく変化する中で農業の地域構造がどのように再編成したのかについて,主食である米の生産動向を中心に検討します。「減反政策」や「ミニマムアクセス」という米問題に関わる項目も取り上げます。

第3回 農業②-農業・畜産のグローバル化-

 我々の食生活に深く関わる農畜産物は海外からの輸入に依存することが多く,食料自給率の低下を招いています。ここでは農業および畜産のグローバル化に伴う国内外の産地がどのように変容したのかについて紹介します。

第4回 農業③-大規模化する農業-

 従来,中小零細の農家を単位としてきた日本の農業も最近では,大規模経営や企業の参入など著しい変化がみられます。ここでは,大規模化する農業の実態について地理学的な視点から明らかにします。

第5回 農山村地域①-過疎化の進展と「限界集落」-

 農山村が抱える地域問題のひとつが過疎化です。それに伴い,「限界集落」と呼ばれる集落の消滅も深刻化しています。ここでは,過疎化の進展プロセスと限界集落の暮らしを紹介します。

第6回 農山村地域②-むらおこしの方向性と農村空間の商品化-

 農山村地域の持続可能性を考える場合,いかにして地域を活性化させるのかが問われます。ここでは,観光や特産品の販売など地域振興の方向性が時代と共にどのように変わったのについて,「農村空間の商品化」の視点を交えて説明します。 

第7回 林業-林野資源をめぐる問題を中心に-

 環境問題とも深く関わる林野資源の問題を中心に,担い手の減少に苦悩する日本の林業地域の取り組みを紹介します。

第8回 漁業-水産資源をめぐる問題を中心に-

 経済地理学からみた漁業の問題は,「200海里経済水域」に代表される国際的な水産資源の管理を前提に考える必要があります。ここでは,資源管理型漁業の導入とそれに伴う輸入水産物の増加を中心にトピックを提示します。

第9回 日本の工業地帯・工業地域

 工業地理学の導入として,日本の三大工業地帯ならびに工業地域の全体的な特徴を述べると共に,その内部でみられる変化(例えば埋立地の土地利用変化)などのトピックも紹介します。

第10回 自動車工業の立地再編

 日本の代表的な工業である自動車工業の地理学的な特徴として,親工場と部品工場の集積,ジャスト・イン・タイムに基づく物流,そして近年の国内外の動向を紹介します。 

第11回 電気機械工業の立地再編

 自動車工業と並んで日本の代表的な工業であった電気機械工業は,グローバル化の中で工場立地の再編成が進んでいます。ここでは,その基本的な立地特性について,労働市場の問題と絡めて国内外の事例から明らかにします。 

第12回 ウェーバーの工業立地論

 工業立地の古典ともいえるウェーバーの工業立地論が,現実の工業立地でどこまで適用できるのかについて説明します。  

第13回 中小製造業-地場産業のグローバル化-

 特定地域に中小零細業者が集積することで成り立っていた地場産業も,近年では中国をはじめとする海外との競争に直面し,産地を海外に移すケースもみられます。ここでは,地場産業の新たな動きとしてグローバル化への対応を検討します。

第14回 エネルギー問題①-石油・石炭を中心に-

 経済地理学の視点からエネルギー問題を捉える手がかりとして,化石燃料である石油と石炭を事例に,その生産と消費をめぐるグローバルな動向と,かつての国内の石炭産地の変容を紹介します。

第15回 エネルギー問題②-電力供給の問題-

 福島第一原発の事故を契機に,原子力発電をはじめとする電力供給のあり方が問われています。ここでは,日本の電力供給が抱える問題について,原子力のほか,水力,火力なども含めた電力供給源と関連づけながら説明します。