トップページ | シラバス |  
 
    授業内容詳細

 日本経済論Ⅰ
   Japanese Economy Ⅰ
授業科目区分
(経済学科)学科共通科目(経営学科)経済政策
担当者 杉山 裕(准教授)
グレード G2
テーマ 1990年代初頭までの戦後日本の経済成長を支えてきた、この国に特有の経済のあり方を考える
キーワード 日本的経済システム(日本的な企業システム・雇用慣行・金融システム),高度経済成長期,安定成長期,バブル景気とその崩壊,失われた10年(20年),日本的経済システムが有していた強み,日本的経済システムの変容
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3・4
単位数
2
コース 1年生 (経)学科共通科目
2年生 (経)学科共通科目,(経営)ビジネスマネジメントコース基本科目(2014年度以降入学生)
3年生 (経営)ビジネスマネジメントコース基本科目(2014年度以降入学生)
4年生 (経)グローバル経済コース基本科目(経済系)(2012~2013年度入学生),(経)総合政策コース基本科目(2012~2013年度入学生),(経)ビジネスマネジメントコース基本科目(2012~2013年度入学生),(経)総合経済コース基本科目(2008~2011年度入学生),(経)ビジネスコース基本科目(2008~2011年度入学生),(経)ビジネスコース基本科目(2007年度入学生)

授業の目的及び概要  戦後日本の高い経済成長率は、同時代の欧米諸国から注目されてきました。この成長を支えていたのが、日本特有の経済のあり方(日本的経済システム)でした。しかし、1990年代初頭にバブル経済が崩壊すると、日本は長期的な経済不振に苦しむことになります。こうしたなかで、日本的な経済システムこそが問題の元凶であるとする主張が出てくるようになりました。
 現在の日本経済は多くの課題を抱えています。この問題をより深く理解するため、これまでの経済システムのあり方とその限界を考えることが、この講義の課題となります。
 経済学部経済学科の選択必修科目に指定されているなど、経済学部の基本科目であり、2回生から受講することができます。経済学の初学者でも理解できるようにわかりやすい解説を行います。ただし、内容を深く理解するためには以下の条件をクリアしていることが望まれます。
 ①「経済学基礎」の内容をしっかり理解しておくこと。
 ②ミクロ経済学やマクロ経済学を履修済みないし並行して履修していること。
 日本経済論の知識は、卒業後の仕事や暮らしにおいて必ず役に立ちます。また、提出課題に取り組む過程で、資料や情報、時間の管理スキルという社会人に必須の力を身につけてもらいます。
履修条件  特にありません。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  この講義での学修を通じて、①経済学を中心とする幅広い専門知識を身につける、②現代社会の経済問題を理解し、その解決の方法を考える力を身につけることを目指します。この2点は、経済学部経済学科の学位授与の方針(DP)でもあります。
学修の到達目標 ①日本経済を語るうえで不可欠の用語を理解する。
②日本経済がさまざまな制度や慣行から成り立つ複雑な構造を持っていることを知る。
③日本の経済システムが、かつて良好なパフォーマンスを発揮できた理由を説明できるようになる。
④統計データに慣れ親しみ、日本経済の歴史と現状をデータの面から理解する。
授業の方法 ①講義形式です。必要に応じてプリントを配布します。
②講義の資料や提出課題などは大学HP(ナイスポータル)に掲載する予定です。
③コメントシートの提出とそれに対する講評など、双方向性のある講義を実施します。
④スマートフォンを使った「取り組みやすい」課題に挑戦してもらうことで、受講者に積極的な学修の機会を提供します。
⑤最新のニュース映像や雑誌・新聞の記事を活用した時事解説もします。これにより学んでいる内容が現在の経済問題と密接に関係していることを理解できると思います。
授業外の学修(予習・復習等)  解説された内容をしっかりと理解するためにも、授業後の復習が重要です。また、講義内容に関する事前学習(調べ物など)に取り組んでもらうことがあります。
 日本経済を深く理解するには、日頃からニュースに慣れ親しんでおくことが効果的です。これにより、講義で頻繁に言及される最新の時事問題を興味を持って聴くことができるはずです。
 学期末試験前には、復習すべきポイントなどに関する情報を開示します。情報のチェックと対策を忘れないようにしましょう。
テキスト・参考書 参考書
岩田規久男『日本経済を学ぶ』筑摩書房(ちくま新書),2005年
 刊行年が少し古いですが、新書なので価格も手ごろですし、講義で解説する内容がコンパクトにまとまっている本です。学期開始後の早い段階でこの本の内容を確認しておくと、講義内容がより深く理解できるでしょう。
成績評価の基準・方法  学期末試験(65%)および講義中の小作文作成や発言、授業外で取り組む課題など(35%)で評価します。
履修上の注意事項など  特にありません。
この科目の履修にあたって  成績評価基準からもわかるように、授業内容をしっかりと理解すること、ホームワークを含めた課題を確実にこなすこと、復習を欠かさないことが重要です。こうした条件を守っていれば、単位取得は難しいものではありません。
オフィスアワー 月 16:15~16:45 教務課(C号館1階) 授業の質問、レポート作成支援、キャリアと進路、自己PR作成支援


第1回 日本経済論とはどのような学問か

 日本経済の特質を理解することが、経済学の学習や日常生活においてどのように役立つのか説明します。
 講義の進め方や成績評価基準などについても解説します。

第2回 統計データから見た日本経済(1)

 戦後の日本経済は、高度経済成長期・安定成長期・バブル経済期・平成不況期(失われた10年ないし20年)に区分できます。それぞれがどのような時代であったのかを、経済成長率などの統計データを用いて概観します。

第3回 統計データから見た日本経済(2)

 戦後の日本経済を人口動態に関するデータを用いて概観します。

第4回 統計データから見た日本経済(3)

 戦後の日本経済を産業構造に関するデータを用いて概観します。

第5回 統計データから見た日本経済(4)

 戦後日本における政府の役割について統計データを用いて概観します。

第6回 日本的経済システムの全体像を概観する

 日本の経済は、幾つかの要素(サブシステム)が組み合わさったシステムとして存在しています。ここではシステムの全体構造と、それが形成され発展してきた理由を解説します。

第7回 金融機関の役割―メインバンク・システム(1)

 日本の金融機関や金融市場には特徴的な要素が見られます。その代表的なものがメインバンク・システムと呼ばれる銀行と企業の関係です。こうした関係が登場した理由について考えていきます。

第8回 金融機関の役割―メインバンク・システム(2)

 メインバンク・システムが日本の経済活動とどのような関係にあったのか説明します。

第9回 企業と従業員の関係(1) 雇用保障と賃金

 日本の働き方における特質として、長期の安定した雇用や年齢・勤続年数に対応した賃金支払いがあります。なぜこのような慣行が登場したのかを考えます。

第10回 企業と従業員の関係(2) 技能形成と昇進

 雇用や賃金のあり方は、企業経営者や人々が抱く「望ましい従業員」イメージに大きな影響を与えてきました。それを象徴するテーマとして、技能形成や昇進のあり方について説明します。

第11回 企業と企業の関係―長期相対取引・系列取引・株式持合―

 日本経済で広く見られる、集団的で長期的な企業間の関係について説明します。

第12回 世界経済と日本―円高とアジア諸国の台頭―

 円高やアジア諸国の工業発展などによって、今日における日本企業の経営環境は厳しいものになっています。その現状について解説をします。

第13回 日本企業のものづくり

 これまで説明してきた日本的な経済のあり方が、ビジネスにどのような特徴を与えることになったのかを考えます。キーワードは、近年、危機感とともに語られている「ものづくり」です。

第14回 日本的経済システムの「強さ」と「弱さ」

 かつては日本的経済システムこそが日本経済の強さの根源であると言われた時期がありました。現在とは真逆の評価であると言えます。こうした変化が生じた原因について説明します。

第15回 まとめ―日本経済の今後の課題―

 これまで学んできた内容を総括します。