トップページ | シラバス |  
 
    授業内容詳細

 日本経済史Ⅱ
   History of Japanese Economy Ⅱ
授業科目区分
経済学専門教育科目・経済史
担当者 林 英一(助教)
グレード G2
テーマ 近代・現代の日本経済史
キーワード 幕末開港,工業化,日清・日露戦争,第1次世界大戦,1920年代,1930年代,戦時経済,高度経済成長,経済大国,ゼロ成長時代
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3・4
単位数
2
コース 2年生 (経済)グローバル経済コース基本科目(2014年度以降入学生),(経済)総合政策コース基本科目(2014年度以降入学生)
3年生 (経済)グローバル経済コース基本科目(2014年度以降入学生),(経済)総合政策コース基本科目(2014年度以降入学生)
4年生 (経済)グローバル経済コース基本科目(2014年度以降入学生),(経済)総合政策コース基本科目(2014年度以降入学生),(経)グローバル経済コース基本科目(経済系)(2012~2013年度入学生),(経)総合政策コース基本科目(2012~2013年度入学生),(経)総合経済コース基本科目(2008~2011年度入学生)

授業の目的及び概要  1859年の幕末開港から2017年現在までの日本経済史を講義する。この期間を、11期の「時代」に区分して、それぞれの時代の「指導概念」や特徴的な「時代精神」に注目しながら、時代の移り変わりを追っていく。この時代は、「日本経済史Ⅰ」で取り上げた農業社会ではなく、工業化の時代であり、工場や機械設備、建物やインフラ諸施設などの「資本」を充実させていくことによって、経済発展がなされた時期である。経済学の用語では「投資」が経済成長のエンジンの時代である。しかし、実際の時代の推移は、世界の中での日本の位置や、日本の政治的判断によって選択された進路が大きく関わっている。この講義では、そうした時代の変化をたどって、現代まで日本の経路を明らかにする。授業は、わかりやすい説明を目指すが、「学部共通科目」の知識はもっておいてほしい。また、日本史に踏み込んだ内容になる部分もあるので、できれば、高等学校で日本史を選択していると好都合である。米国のトランプ大統領誕生や英国のEU離脱など、時代は大きく動いているように見える。どのような分野においても、今までのやり方をそのまま続けているわけにはいかないかもしれない。このような時代には、自国の正確な経済史像を持つことは不可欠であり、卒業後、どのような場で仕事をする場合にも役立つはずである。
履修条件
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  本科目は、学位授与の方針(DP)に定める、学生が本学における学修と経験を通じて身につける知識や能力のうち、以下に該当する。
2.経済学を中心とする幅広い専門知識を身に付けている。
3.現代社会の経済問題を理解し、その解決の方法を考える力を身につけている。
本科目は、グローバル経済コース、総合政策コースのコース基本科目である。また、それ以外のコース選択者にとっても、経済学部生として、ぜひ履修してほしい科目である。経済史の科目のなかでは、応用的性格をもっているので、基礎科目である経済史Ⅰ・経済史Ⅱに続いて、履修するのが望ましい。そして、同じ講義担当者の「日本経済史Ⅰ」に続いて履修することが望ましい。
学修の到達目標  幕末開港から現代までの日本経済史の概略を説明できる。とくに、時代の「指導概念」や「時代精神」の変化を理解し、それに関して、自分の意見を持つことができるようになる。日本経済の発展における、経済発展の普遍的な要因と、歴史的な時代状況、世界の中での日本の位置などを理解し、さまざまなモメントの絡み合いの中で、現代日本の経済社会の特徴や個性を説明できる。
授業の方法 一般的な「講義」である。テキストはないが、毎回、授業の概要を示した文章あるいはレジュメを、配布する。同時に、関連する資料や写真などを、プロジェクターで映写しながら、講義を進める。毎回、コミュケーションカードを配布し、講義の最後の時間に、感想や質問を書いてもらう。
授業外の学修(予習・復習等) 講義で配布されるレジュメは自分で保存し、復習や試験の準備に利用する。このレジュメおよび授業で映写されたパワーポイントの映像資料は、「イッツクラス」の「教材」「ディスカッション」に保存しておくので、復習に利用し、次の講義への準備をしておく。指示される参考文献も読んでおく。
テキスト・参考書 講義全体をカバーするテキストはない。参考文献は、その都度、指示する。さしあたり、大島真理夫「近代日本・現代アジアの経済史像-西洋モデルの盛衰-」(大阪市立大学『経済学雑誌』115巻3号)を上げておく。「大島真理夫」「近代日本」「現代アジア」でネット検索すると、容易に見つかるはずである。また、少々古いが、山本義彦編著『近代日本経済史-国家と経済-』(ミネルヴァ書房、1992年)が、直接関係する。その他、近代日本経済史のテキストは多数出版されているので、参考にしてほしい。
成績評価の基準・方法 まず、授業の内容が理解できているかどうかが、チェック・ポイントになる。「授業の内容」という場合、基本的な用語や概念の理解というレベルと、もう少し複雑な、ある時代や地域の経済史のプロセスに関する説明が出来るかどうか、というレベルが含まれている。さらに、授業の内容を踏まえて、応用問題的な問題への解答も出来ることが求められる。評価の方法は、毎回のコミュニケーションカード(30%)、中間時点での小テスト(20%)、期末試験(50%)とする。
履修上の注意事項など  経済、政治、社会など、社会科学と呼ばれる分野は、教室で授業を受けたり、自分で本を読んだりして勉強することも重要だが、毎日の暮らしの中で、現実に起こっていることを経験し、知ることも、非常に大事な勉強である。日常生活が、自然科学の実験室の中にいるようなものである。しかし、好奇心や興味を持たなければ、せっかくの貴重な「実験」も、その意味を理解できずに過ぎ去ってしまうであろう。ぜひ、日本や世界で起こっている問題に、「どうしてそうなるのか」という好奇心をもってほしい。
この科目の履修にあたって 英国の国民投票でのEU離脱決定や、アメリカでのトランプ大統領就任は、長い間、世界を「先進国」としてリードしてきた「西洋」が、自分たちも世界の中の「1つのローカル」な存在であることを宣言しているのかもしれない。おそらく、我々は世界史の大きな転換点に立っているのである。このような時代の変化を正しく理解するためには、過去からの見通し(パースペクティブ)が必要となるであろう。歴史の出番である。世界史の大きな流れは、近代の世界における西洋の優越的な地位を反映して、西洋人が描いた世界史像が、広く受け入れられてきた。それは、西洋の国々が先進国という地位にあり、アジア・アフリカの国々は遅れた段階にあるとする歴史像である。これに対し、本講義では、ダイナミックな発展を見せる一方、深刻な社会状態も並存している、現代のアジアやアフリカの状況を視野に入れて、どのような日本経済史像を構築したらよいのか、模索する予定である。ぜひ、興味をもって、講義についてきてほしいし、疑問に思ったことは何でも質問してほしい。
オフィスアワー


第1回 日本経済史(近現代)を学ぶ意義

近現代日本経済史像の転換に向けて

第2回 幕末開港の実像

危機史観からの脱却

第3回 工業化の開始

貿易と在来産業の編成替え

第4回 「明治20年代」の企業ブーム

均衡的経済発展

第5回 日清・日露戦争による転換

外資依存の「強兵」と「富国」

第6回 第1次大戦期のバブル的経済発展と1920年代の反動不況

未成熟な輸出ブームと金本位制の制約

第7回 第1回から第6回までの復習・補足

「小テスト」を行う

第8回 1920年代の日本経済と「金解禁」

日本経済「行き詰まり」論の背景

第9回 1930年代の日本経済

新次元でのマクロ均衡の模索

第10回 戦時経済体制

軍事費の大膨張と国債依存

第11回 戦後の世界秩序と日本の進路

経済優先の平和主義へ

第12回 日本の高度経済成長

重化学工業の本格的展開

第13回 1970年代~現代の日本経済

経済大国とバブル経済、その後へ

第14回 第8回から第13回までの復習と補足

講義後半の総括

第15回 総復習

まとめを行う