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    授業内容詳細

 経済学特別講義
   Special Lecture on Economics
授業科目区分
経済学専門教育科目・経済理論
担当者 谷花 佳介(准教授)
グレード G2
テーマ 情報経済論
キーワード 情報化社会,情報経済,情報産業,経済理論,ビジネスモデル
開講年度
2017
開講時期
配当年次
2・3・4
単位数
2

授業の目的及び概要  技術は確実に変化を続ける。自分の意志で経済の基本原則を無視するのは自由である。しかし、経済法則は変化しない。
 現在、ソフトウェアやコンテンツをはじめとした情報財は、市場において工業製品と肩を並べるまでになったことは言うまでもないでしょう。また、インターネットの登場以降、たとえばEコマース、web2.0、クラウドビジネス、オープン化、ビッグデータなど様々な動きが登場しましたが、一過性のバズワードとして消えていったものもまた少なくありません。
 情報産業は目まぐるしく変化を遂げ、情報産業は経済の表舞台に登場し現代経済は高度に情報化されました。しかしながら、こうした「派手な」動きのみを追うことは、多くのトレンドを頼りにして事実に振り回され、単に現状を類推しているにすぎないと思われます。
 本講義のテーマは、目まぐるしく発展を遂げる情報産業の背景にある「原理・原則を読み取る」ことにあります。具体的には情報化時代の主役たる情報財の性質について詳述し、情報産業のとる行動について経済学的考察を加えます。このことはつまり、経済理論が現在の激しい変化を見せる環境においても私たちのプラットフォームとなりうる事実を示すことにつながるでしょうし、経営学を専攻する学生にとっても、情報産業の戦略を読み解くための「武器」になると思われます。
履修条件  とくに指定はしませんが、ミクロ経済学の基礎的な素養が講義内容を理解するうえで助けとなるでしょう。
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  基礎的なミクロ経済理論 (たとえば「ミクロ経済学Ⅰ、Ⅱ」で学修する内容)を情報経済化、情報産業の戦略の理解へと応用させることで講義を展開します。したがって、これまで学んできた内容の確認と応用を行うものとして本講義は位置づけられるといえるでしょう。したがって、広く経済学あるいは経営学に関する科目を履修し、基礎的素養を身につけてください。
 本講義は選択科目の一つであるので、卒業要件には決定的な影響を与えるものではありませんが、高度に情報化が進んだわが国で働き、生活するにおいて「知っておくべき」事柄を教授するものです。したがって、身の回りで起こっている出来事を自分なりに考えて見ることが重要になってきます。

 
学修の到達目標  本講義は、高度に情報化した現代経済を経済学の観点から読み取ることを重視します。
本講義の具体的な到達点は                 
                                                             
① 高度に情報化した経済に対する基本的認識力を身につける。          ② 情報財特有の性質について理解する。                    ③ 情報産業のとる戦略について理解を深める。                 ④ 上記②および③について、経済理論と関連させ理解をする。

以上の四点です。
授業の方法  講義レジュメを用いて講義を行います。これらレジュメは前もって「IT’s class」にアップします。各自ダウンロードして講義に臨んでください(初回から)。さらに、講義の内容を受けての感想や意見、論点などを記述する小テスト(ミニ課題)を適宜取り入れます。この小テストは平常点に反映され、講義の理解度あるいは受講態度を把握するためのフィードバック材料として活用します。
授業外の学修(予習・復習等)  とくに経営学を専攻する学生にとっては、産業界の先端動向あるいは情報産業の動向について情報収集し、理解を深めてみると面白いでしょう。                    
          
・産業界の先端動向については、
『Project Design』<http://www.projectdesign.jp/>  
・情報産業の動向については、
『WIRED.jp』<http://wired.jp/>                                        
がおすすめです。
テキスト・参考書 テキストは使用しませんが、有用と思われる参考書として以下のものをあげておきます。
       
・ミクロ経済理論理解のため、
ポール・クルーグマン、ロビン・ウェルス『クルーグマン ミクロ経済学』東洋経済新報社、2007年。

・産業の戦略に対する素養を深めるため、
長岡貞男・平尾由紀子『産業組織の経済学』日本評論社、2013年。

・情報経済の動向については、
ジェレミー・リフキン『限界費用ゼロ社会』NHK出版、2015年。
ドン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ『ウィキノミクス』日経BP社、2007年。     
レイチェル・ボッツマン『シェア』NHK出版、2010年。
クリス・アンダーソン『フリー』NHK出版、2010年。
成績評価の基準・方法  理解度の確認(ミニ課題20%)、レポート(30%)、期末試験(50%)。
履修上の注意事項など  特にありませんが、自分自身で情報化進展が経済、社会に及ぼす影響およびそれがもたらすであろう未来像を考えてみると、講義を楽しむことができるでしょう。
この科目の履修にあたって  情報経済論はわが国では1950年代以降、発展してきており、体系化されそれなりの歴史もつ学問分野ですが、昨今の情報産業の発展からわかるように、現実の動きの速さは驚異的です。したがって、講義内容に拘泥するのではなく、感性を持ち様々なアンテナを張り巡らせることが重要です。そうすれば、本講義受講の効果は高まるはずです。
オフィスアワー 木 13:30~14:15 花岡コモンズ 授業の質問


第1回 ガイダンス、情報経済

講義の進め方および概略の解説

第2回 情報化社会の展望

情報化社会論、産業の情報化・情報の産業化

第3回 生産性論争

ソローパラドックス、「ニューエコノミー」

第4回 市場と情報

インターネットショッピング、価格サイトの効果

第5回 オープン化戦略と情報化

オープンイノベーション、アウトソーシング

第6回 情報財の価格 (1)

情報財制作のコスト、コストと競争

第7回 情報財の価格 (2)

情報財の価格づけ、価格差別化

第8回 情報財のバージョン化 (1)

情報財のラインアップ、価格と品質

第9回 情報財のバージョン化 (2)

適切なバージョン数と価格

第10回 ロックインを考える (1)

ロックイン効果を理解する

第11回 ロックインを考える (2)

ロックイン下での競争

第12回 ネットワーク効果を考える (1)

ネットワーク外部性とプラスのフィードバック

第13回 ネットワーク効果を考える (2)

性能の追及と互換性の確保

第14回 ネットワーク効果を考える (3)

オープン化対コントロール

第15回 総括

講義内容のまとめと期末試験へのアドバイス