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    授業内容詳細

 現代社会と人権
   Human Rights in Morden Society
授業科目区分
共通教育科目・一般教養科目(学際分野)
担当者 金 泰明(教授)
グレード G2
テーマ 人権思想を構想した哲学者・思想家のエッセンスに迫る。
キーワード 普遍的人権概念,天賦人権論,近代的自由,一般意志,相互承認論,人権のNGO
開講年度
2017
開講時期
配当年次
1・2・3・4
単位数
2

授業の目的及び概要 この授業では、人権を、抽象的な道徳規範ではなく、人として尊厳ある生活を送るために役立つものとして、その有用性を具体的にとらえる視点を養う。日本国憲法の人権理念を基に、具体的には外国人の権利、子どもの権利、自己決定権、プライバシー権、法の下の平等、信教の自由、表現の自由、死刑制度、教育権、人権と平和主義、生存権等を取りあげ議論する。必要に応じて西欧近代哲学者の人権・社会思想と比較検討しながら、憲法の条文に込められた人権の意味と思想を理解する。
履修条件
科目の位置づけ(DP・CPとの関連) わたしたちは、日頃、人権(ジンケン)という言葉をよく耳にする。現代世界では、人権は、すべての人間が「平等に・生まれながらにしてもつ・誰からも奪われない権利」という普遍的な人権観が成立している。「普遍的」とは、いかなる場所においてもすべてのものに共通して存在していること。人権は、誰にも当たり前のように備わっているものと受けとめられている。実際、世界人権宣言や各国の憲法にも人権の普遍性が唱えられている。では、なぜ、そういえるのか。本講義では、人権の普遍性について考えるために、西欧近代哲学者や現代の思想家・政治哲学者たちの人権思想・社会思想を訪ねる。
学修の到達目標 「1+1=2」と誰もが答えることができる。では、人権とは何かと問われたら、どう答えるか?人権を自分の人生と生活に役立つもの(有用性)として、とらえる視点を養う。
授業の方法 毎回、与えられたテーマに沿って講師がレジュメを作成・配布する。教科書『人権は二つの顔をもつ』は、人権思想の入門書として学生や青年向けに平易な表現で書かれてある。近代哲学者たちや現代の思想家たちの人権概念に中心思想がわかりやすく解説されている。毎回の授業のテーマに該当する教科書の「章」を必ず読んでくること。読んで講義を聞けば、きっと理解が深まるだろう。
授業外の学修(予習・復習等) 授業計画に沿って、毎回のテーマに関連する教科書の「章」を必ず読んで授業に参加すること。各章は、大体30頁~40頁なので、ざっくりと読めばいい。
テキスト・参考書 ●テキスト:『人権は二つの顔をもつ』金泰明著、トランスビュー
●参考書:『共生社会のための二つの人権論』金泰明著、トランスビュー
テキストは、必読文献なので、必ず購入して毎回の授業に持参すること。
成績評価の基準・方法 授業への参加態度を重視する。最終講義日に期末試験(設問と小論文)を実施する。期末試験は、①授業の内容の理解度(設問)、②自分なりの考えが示されたかを見る(小論文)。評価は授業への参加度(コメントシート)が5割、期末試験が5割。授業を休まず出席するのが肝要。
●期末試験は、設問と小論文形式で実施する。人権に関する思想や社会の問題から2問、小論文1問を出題する予定。期末試験は、①授業の内容の理解度、②自分なりの考えが示されたかを見る。
※教科書持ち込み可、電子辞書等持ち込み不可
履修上の注意事項など 毎回、簡単なプリントを配布する。教科書は、関連する「章」を必ず読んで授業に参加すること。
この科目の履修にあたって日頃から、インターネットや新聞・雑誌などをとおして、いま、自分の周りや社会、世界で起こっている出来事に関心をもって知るようにしてほしい。新聞・雑誌は図書館を積極的に利用すること。
この科目の履修にあたって 日頃から、インターネットや新聞・雑誌などをとおして、いま、自分の周りや社会、世界で起こっている出来事に関心をもって知るようにしてほしい。新聞・雑誌は図書館を積極的に利用すること。
オフィスアワー 火 12:10~13:00 相談ラウンジ(八尾4階) 授業の質問、英語の基礎、レポート作成支援、キャリアと進路、大学院進学(人文系)、メンタル支援、その他(人間関係、人生の悩みなど)


第1回 なにが問題か

21世紀の世界が向き合うさまざまなアポリア(難問)を概観する。

第2回 現代の人権観と問題点

現代の人権観の抱える問題点、とくに天賦人権論の内容と問題点を探る。道徳から哲学への人権の視点の変更が必要である。

第3回 人権成立の歴史的条件

人権概念成立の歴史的条件として、①ルネッサンスと宗教革命、②哲学と自然科学の発展、③市民革命と市民社会の成立を検討する

第4回 天賦人権思想の成立

米独立宣言とトマス・ペインの『人間の権利』、そして天賦人権論の概念を知る。

第5回 「権利」と天賦人権論

明治以降、日本において人権思想はいかに受容されたか、そしてそれは現代日本にいかに影響を与えているか。

第6回 ホッブズの人権思想

「万人による万人の戦争状態」で有名なホッブズ。その人権思想は、自己保存(いのち)からの出発し、平和へと向かう。

第7回 ロックの人権思想

私の身体とこころは絶対的である。労働にもとづく所有権(労働価値説)や議会制民主主義などは、ロックに由来する。

第8回 ルソーの人権思想

自分自身の主人になる―ルソーの人権思想「人間は自由に生まれた、しかも鎖につながれている」で有名な『社会契約論』を中心にルソーの思想に触れる。

第9回 カントの道徳的自由論

カントは、人格として自由で平等な人間の産みの親。道徳的な最高の価値に向かって生きよと説く。それは義務的な人権思想といえる。

第10回 ミルの「自由論」

ミルの『自由論』は、個人の自由とともに、市民の自由と義務を説く。市民社会には、少数者の意見の尊重は絶対不可欠と見なした。

第11回 人権思想への批判

ヘーゲルとマルクス―ヘーゲルの「相互承認論」とマルクスの『ユダヤ人問題によせて』を中心に、人権批判に耳を傾けよう。

第12回 人権をめぐる仮象と実相

二つの人権原理(価値とルール)人権概念は、〈価値的人権原理〉と〈ルール的人権原理〉と全く異なる2つの原理から成立していることを明 らかにする。

第13回 NGOの特徴と実際

NGOとは何か?その基本的性格と特徴を概観し、教員が過去関わった人権NGO運動の経験を紹介する。

第14回 人権NGOの現場から

外部の人権NGOの活動家を招いて、人権活動の実際と問題を話してもらう。

第15回 総まとめ

授業全体をふりかえって理解度を確認する。問題は2問。ともに小論文形式で行う。