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    授業内容詳細

 現代社会学
   Contemporary Sociology
授業科目区分
共通教育科目・一般教養科目(学際分野)
担当者 樋口 くみ子(准教授)
グレード G2
テーマ 現代日本社会をとらえる視点を獲得する
キーワード 家族,ジェンダー,福祉,教育,労働,格差,貧困,メディア,社会運動
開講年度
2017
開講時期
配当年次
1・2・3・4
単位数
2

授業の目的及び概要  この授業は、高度に成熟した現代社会における社会事象や社会問題について、人々の具体的生活と関連付けた広い社会的脈絡から総合的で包括的に把握できる知識・理解の促進を目的とする。授業では、現代社会論とともに現代の若者、女性、高齢者、社会病理、ライフスタイル等の個別的なテーマも取り上げ、具体的に解説する。社会学の諸研究の方法や成果を学び、現代社会が抱えるさまざまな事象や問題について、多角的・複眼的見地から考察する力を養うことが目標である。
履修条件
科目の位置づけ(DP・CPとの関連)  この科目は教養部開講の共通教育科目のうち、一般教養科目(学際分野)です。この科目では、学問分野の垣根を超えて、それぞれの専門科目のベースとなり、かつ、実社会で役立つ知識を身につけることができます。
 この科目は、各学部の学位授与の方針(DP)に定める、学生が本学における学修と経験を通じて身につける知識や能力のうち、以下に該当します。
(国際学部)
1. グローバル化する現代社会の諸問題を理解し、理論と知識をもってその解決に向けて自ら考え、取り組む姿勢を身につけている。
(経済学部)
1. 日本語及び外国語の活用能力、数的処理能力、情報活用能力とともに幅広い教養及び国際感覚を身につけている。
(法学部)
4. 論理的な思考力と豊かな表現力とともに幅広い教養および実践感覚を身につけている。
学修の到達目標  次の二点を到達目標とします。
1. 社会学の諸概念を用いて、身近な社会の出来事をとらえなおすことができるようになる
2. 身近な社会の出来事について多面的にとらえ、自分なりの意見をもつことができるようになる
授業の方法 (1) 基本的に講義形式でパワーポイントを使って授業します。受講生のみなさんは授業を聞きながら配布資料の穴埋め部分を記述し、資料を完成させてください。
(2) この授業では双方向型授業の一環としてクリッカーを使用し、リアルタイムで受講生の意見を聞いたり、質問に回答してもらったりします。
(3) 毎回、授業の終わりにはリアクションペーパーを配布し、その日の講義内容や関連する最新の新聞記事を読み感想を書いてもらったり、質問などを記入してもらったりします。リアクションペーパーへのフィードバックは、翌週の講義の冒頭で行います。これらの双方向型の授業を通して、クラスの全員で多様な意見を交わし、現代日本社会についてより理解を深めていくことを目指します。
(4)欠席者のために、毎回の配布資料は授業終了後にWeb(IT’s Class等)でも配布予定です。
(5)ICTとしては、上記に述べた①パワーポイントによる授業の実施、②クリッカーの使用、③It’s classの活用のほかに、④映像教材も使用します。
授業外の学修(予習・復習等) 1. 授業時に配布するレジュメや資料をよく読み、定期試験にそなえること
2. 授業時に紹介する文献のうち、関心のあるものを各自読み進めるかたちで事後学習を行うこと
3. 毎回の授業では日々の生活に直結したテーマを取り扱うため、関心のあるテーマについては、事前事後学修の方法として、新聞などのメディアを通して積極的に情報を収集し目を通しておくことが推奨される
テキスト・参考書  最新かつ多岐にわたるテーマを取り扱うため特定のテキストは指定せず、プリントを配布する。
 なお、参考書としては以下の図書をお薦めする。授業で関心をもったテーマについて事後学修を進めるうえで必要に応じてぜひ活用してほしい。
参考書:
長谷川公一・浜日出夫・藤村正之・町村敬志 (2007) 『社会学』有斐閣(¥ 3,500+税)
日本社会病理学会監修(2016)『関係性の社会病理』学文社(¥2,500+税)
成績評価の基準・方法 (1) 成績評価は授業中のリアクションペーパー(50%)、定期試験(50%)で行います。
(2) 定期試験では、「学修の到達目標」に掲げる二つの目標についての理解習熟度を問います。
履修上の注意事項など (1)毎回の配布資料をまとめて保管できるよう、フォルダーを用意しておくとよいでしょう。
(2)この科目は、社会学をはじめて学ぶ学生を対象にしています。特に事前に学んでおかなければならない関連科目はありませんので、今生きている社会について知りたい、考えたい学生の受講を歓迎します。
この科目の履修にあたって  働くことをはじめ、結婚や子育て、老後に至るまで、現代社会は不確実かつ不安定なものが多く、かつてのように「こうすれば大丈夫、安定した生活が送れる」という確固たる生き方が見えづらくなっています。この科目では、これからの社会で生き、これからの社会を考えていくための重要な基礎を提供します。この授業が終わる頃には、身の回りの出来事や将来の生き方がもう少し見えやすくなることでしょう。
オフィスアワー 月 13:00~14:30 花岡コモンズ 授業の質問、メンタル支援
金 10:40~12:10 相談ラウンジ(八尾4階) 


第1回 オリエンテーション

現代社会が抱える諸問題とともに各回の授業のテーマとその概要、授業の目標、方法、成績評価などについて説明する

第2回 家族とライフコース

昔と今では家族はどのように変化しているのだろうか?そもそも生涯ずっと結婚しない人が増えている現在、「家族」というものをどのようにとらえたらいいのか?第2回では家族をテーマに、家族像の変遷と、とりわけ結婚をめぐりどのような変化が生じたのかをふまえ、次回以降に続く内容として、現在いかなる問題が残されているのかを学んでいく

第3回 ジェンダーとセクシュアリティ

ジェンダーとセクシュアリティをテーマに、①「夫婦別姓」問題など、婚姻をめぐる生きづらさのなかに「男」「女」であることがどのようにかかわっているのかを把握する。②そのうえで「男女」の違いというものがどこまで生物学的なものなのかを、ジェンダーの視点をもとに考え直す。なぜ、女子大はあるのに「男子大」はないのか?なぜ理系の大学に女子が少ないのか?これらの問いに答えていくかたちで、「男女」に関して社会的・文化的に作られた違い(ジェンダー)をめぐって生じる生きづらさを理解し、パートナーシップ条例など男女の区分を超えて近年大きな変化を遂げようとする社会について自分なりの意見を培うことを目指す

第4回 医療・福祉と自己決定(1)家族と福祉

なぜ、今日の日本社会では少子化が進んでいるのに保育園に入れない「待機児童」問題が生じるのか?また、なぜ、高齢化が進むことが随分前から分かっていながら「2025年問題」への対策が追いついていないのか。第4回の授業では家族と福祉のうち、こうした子育てと介護の問題に焦点を当てるなかで、女性と男性のそれぞれに課せられたジェンダーの問題や、日本社会に根強い子育て観なども浮かび上がらせていく

第5回 医療・福祉と自己決定(2)障害者をめぐる問題

「出生前診断」やアイデンティティ問題など、障害者をとりまくさまざまな問題について、障害者の当事者運動の展開や「障害学」などの議論を紹介しながら検討していく。映像教材として、NHK大阪放送局の番組『バリバラ』も視聴する。事前・事後学習として『バリバラ』を観る、井上雄彦の『リアル』など障害者関連の漫画を読んでおくとなおよい

第6回 医療・福祉と自己決定(3)認知症を事例に考える

今回は、おもに「家族」に関するテーマを扱ってきた第2-5回までの講義のまとめを行いつつ、今後の家族社会を考える上で福祉国家の実践なども紹介していく。映像教材も使用する

第7回 格差と貧困(1)今、働くということ

第7回-10回は「労働」の在り方と関連して生じる格差・貧困に着目していく。大学を出ると多くの人が労働社会に参入していくことになるが、「労働」をとりまく現状はどのようになっているのか。第7回では、労働をめぐる概論として、非正規雇用の増加などにみられる不安定な雇用の現状と、現状のような労働環境になった背景(日本型雇用の形成と崩壊)、女性の労働環境を取り扱う

第8回 格差と貧困(2)拡がる貧困

今回は、就労を超えて、もはや生きる権利が脅かされる状態にあたる貧困に着目していく。近年、貧困問題がしばしばメディアなどで多く報道されるようになっているが、それはごく新しい問題なのか?もしそうでなければ、これまでなぜ貧困が問題になりにくかったのか。都市社会学者をはじめとした貧困研究の数々を紹介しながら、貧困問題について考えていく

第9回 格差と貧困(3)階層文化と再生産

第8回では大人の貧困を扱ったが、今回は大人の経済的格差などの影響を受けて生じる「子どもの貧困」に着目する。現在、6人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあるという日本社会。その子どもたちはどのような暮らしをしているのか、更に「子どもの貧困」は単に経済的支援を行えば解決できるのか?この点について、文化的再生産論や社会階層といった社会学の視角をもとに検討していく

第10回 格差と貧困(4)排除と包摂のあり方を考える

今回は「労働」の回のまとめとして、これまでの講義内容をまとめつつ、貧困問題にどのように対応していったらいいのか、排除と包摂の在り方について実践や理論をもとに考えていく。映像教材も使用する

第11回 グローバル化のなかのメディアとコミュニケーション

第11回と第12回はメディアに着目していく。例えば英国のEU離脱や米国のトランプ政権の発足が日本社会に影響を与えるといったように、今日の社会は時間と空間を超えて、遠く離れた地球の裏側で起きた出来事が身近な生活の出来事に関わりあってくるといった、不思議な社会となっている。第11回の講義ではそのような今日の社会の仕組みがどのようなメディアの変化と相互行為によって成り立っているのかを読み解いていく

第12回 犯罪報道と厳罰化

メディアで報道されることはどれほど「真実」を表しているのか。今回はメディアの報道と実態のズレについて少年犯罪報道を例に考えていく。そのうえで社会の風潮としての厳罰化がもたらす弊害について検討する

第13回 原発と地域社会を考える

福島第一原子力発電所事故の発生から6年の年月が経ち、メディアの報道数も事故発生当初より著しく減少した。しかし、この問題はまだ終わってはいない。第13回では日本の原発をめぐり今何が起きているのか、なぜ日本で原発が増えたのか、更にその背後にある日本の中央-地方間関係を、戦後の国土開発の経緯や地方自治の在り方も含めながら学んでいく

第14回 市民活動の展開

これからの社会をつくるという観点から第14回では市民活動の展開に着目する。具体的には1970年-1980年代の生協運動や、1990年代半ば以降のNPOによる活動などに着目していく

第15回 まとめ

第1-14回までの講義内容をまとめ、総合的に現代社会をとらえなおす。そのうえで、これからの社会をどのように生きていけばいいのか、今後時間をかけて検討しなければいけない論点もふまえながら考えていく