経営学科

経済学部学生研究発表大会

経済学部の各ゼミが日頃の研究成果を発表する「経済学部学生研究発表大会」(2016年12月1日開催)。
5回目を迎えた今回は、過去最多の116チームがエントリー。
また、昨年度から追加された特別セッションに加え、卒業研究セッションが新たに誕生し、学生たちの"真剣勝負"があちこちの会場で繰り広げられました。

経済学部学生研究発表大会とは

研究成果の発表と交流を通じて、将来につながるチカラを養う

経済学部学生研究発表大会は、

  1. (1)学生が演習などにおいて明確な目標を持ち、それに向けてモチベーションを維持しながら活発に取り組むことができるように、1つのゴール地点として研究成果を発信する機会
  2. (2)取り組んできた研究を、他者からのコメントやアドバイスを通してさらに発展させるとともに、演習などの垣根を越えた交流を通して互いが刺激を受ける機会
  3. (3)「ここまで取り組んだ」という達成感を味わうことにより、自信とさらなるやる気を引き出し、新たな目標を見出す機会
  4. (4)主体的に準備から当日発表まで取り組むことで「社会人基礎力」の育成、キャリア形成において、大きな強みと自信につながる機会を提供することを目的に2012年度より開催されており、今回で5回目の開催を迎える大会です。

2016年度は過去最多の116のチームが白熱した発表を展開

2016年度第5回経済学部学生研究発表大会は、過去最多の116チームがエントリー。観衆となる学生たちも年々増加しており、今年度も過去最多の1,094名が参加。出場チーム・学生は、B号館内の各セッション会場で、教員審査員や学生たちが見守る中、これまでの努力を遺憾なく発揮すべく、堂々とした発表を展開しました。発表終了後には、時に鋭い質問が投げかけられ、議論が白熱する一幕も。学生たちの“真剣勝負”が、あちこちの会場で繰り広げられました。

経済学部学生研究発表大会における同友会企画について

2015年度より、大阪府中小企業家同友会との共同企画を実施しています。企画の内容は、午前中は特別セッションの学生発表の審査、午後は学生とのグループ討論に同友会の皆様にご参加いただくものとなっております。2回目となった今回も、大阪府中小企業家同友会同友会八尾支部より4名の経営者をお招きして、特別セッションの審査ならびに就職活動を控えた経済学部3年生とのグループ討論にご参加いただきました。グループ討論では、社会に求められる人材とはどういうものか、学生の間に何をすべきかといったテーマで熱のこもった議論が繰り広げられました。

2016年度上位入賞者

一般セッション

1
教育格差
杉山騎士団

概要

本発表では、日本の教育格差の問題について分析し、今後の対策について考える。教育格差とは、親の収入による所得格差が子供の教育に影響する問題である。今回は特に、「教育格差の負のスパイラル」について考察を行い、それを止めるための解決策を見出すことを目標に掲げた。考察の結果、「親の経済格差」が「子供の教育機会の喪失」を生み「子供の低学力、低学歴」が「若者の貧困」に繋がることがわかった。また、様々な資料を分析することで、世帯収入差による所得格差問題が、小・中学校の学力格差に直結していることが判明した。さらに諸外国に比べ日本政府の教育に対する財政支出は大幅に少ない。これらのことが、子供の教育機会の喪失を生み、子供の低学力になるという関係性を示した。報告の結論では、「教育の無償化」や「より充実した奨学金制度」、「学習習慣や学習機会に対する支援」が解決策として必要であるとした。こうした施策の実施によって、「教育格差の負のスパイラル」を断ち切り、日本の経済状況を改善していくことが期待されている。

学生コメント

私たち杉山騎士団は、「誰とでもグループワークができる能力を身につける」という先生の方針もあって、ゼミの中でくじ引きで決まったメンバーです。しかし、5人全員が役割を持ち、協力して準備を進めることができました。教育格差は私たちの将来に大きく関わる問題であり、深く考えなければならないことが沢山ありました。難解なテーマでしたが、最後まで諦めずに前日まで修正を重ねてきたことが、良い発表に繋がったのだと思います。今回の経験はメンバー全員にとって、大きな成長の機会となりました。今後とも積極性をもって活動していきたいと思います。

教員コメント

「経済格差と教育格差の関係」というテーマは、これまでの発表大会でも何度か取り扱われてきたテーマでした。そのため、教員の側も「どれだけ斬新な発表内容にできるか」が気がかりでした。しかし、「学校外教育費とテストの点数との関係」など興味深いデータを自分たちで見つけ出し、興味を引くプレゼンテーションに仕上げてくれました。事前の発表練習では、「あれもやりたい、これもやりたい」という気持ちから、ごった煮状態の内容でした。そこで、限られた時間で印象に残る発表をするためには、大胆に内容を削ることも大切と指導したところ、非常に的確な取捨選択をしてくれたことが印象に強く残っています。106チームの中で最高の成績を残したチームメンバーを心から祝福したいと思います。おめでとう!

2
河内木綿の産業化について
河内木綿プロジェクト

概要

本研究では、八尾市の伝統的な河内木綿を取り巻く文化を、どのように産業化して継承するかを考察する。考察としては、産業化の可能性として生産・加工・販売を地域で行う6次産業化に着目し、タイプ別分析を行った。分析において、6次産業化のタイプを「多角化タイプ」、「連携タイプ」、「流通チャネル活用タイプ」、「交流タイプ」の4つに分け、河内木綿の産業化に適したタイプを検討した。発表では、河内木綿の6次産業化に適したタイプは、地域と連携した「交流タイプ」であることを、具体的に発表者が行っている活動に基づいた検証によって示した。

3
日本アニメ映画業界の未来~「君の名は。」を事例に~
レボリューション

概要

本発表は日本アニメ映画業界の未来を、「君の名は。」が大ヒットした理由から紐解いたものである。まず、「君の名は。」の概要を説明して、アニメ映画に詳しくない人にもわかりやすい報告となるようにした。次に、日本アニメ映画の代表格であるジブリ映画と比較して、制作・公開の時代背景にどのような違いがあるのか、また客層にどのような違いがあるのかを考察した。分析に際しては、映画の業界団体資料や経済・ビジネス雑誌など色々な情報源を元に探っていった。また、今後のアニメ映画業界についてどのような客層をターゲットにすべきか、広告・宣伝に何を活用するべきかを導き出した。そして最後に、先行きが明るいとは言えない日本アニメ映画業界に大ヒット作品が生まれることで、巨額の興行収入が発生し、投資を行う人が増え、アニメ業界の労働環境も改善し、さらに良いアニメを作るきっかけになるという好循環が出来ると、業界の未来も明るいだろうという結論を提示した。

特別セッション賞

成長する中小企業の条件~「守り」と「攻め」のバランス~
成長企業研究班

概要

本報告では、中小企業の経営資源のうち「資金」に注目し、今年度公表された『中小企業白書』のデータやインタビュー調査等を通して、成長企業の条件を見出そうした。
まず、中小企業の資金繰りの実態について、借入金依存が高く、資金繰りの状況は大企業に比べて総じて厳しいことを確認した。続いて、企業のライフサイクルのうち成熟段階以降に注目し、今後存立・成長させるためには新規事業展開等の取り組みが必要であるとし、さらにそのために不可欠な設備投資の動向に注目した。設備投資のためには借入等の対応が求められるが、『中小企業白書』では、無借金企業の割合が年々高まってきていることが報告されている。借入をしない理由として、「資金を借入するニーズがない」の回答が最も多かった。私たちは、企業の成長には、この「ニーズ」の追求が不可欠であると考えた。一方、ある程度の借入のある企業の方が無借金企業よりも経常利益率が高いことも確認した。さらに、中小企業経営者へのインタビュー調査にも取り組み、無借金に対する姿勢について尋ねた結果、肯定的・否定的な意見の両方とも確認されたが、計画的な借入は、経営への意欲を高め、企業の成長につながるとの意見が強く響いた。
以上から、成長する中小企業の条件として、特に成熟段階において自社のシーズと時代のニーズをすり合わせ、今後存立・発展できるビジョンと計画を立て、資金調達も含め、積極的に実践できる経営者がいる事である、とまとめた。

学生コメント

特別セッションで与えられた「成長する企業」というテーマに対して、私たちは経営資源のうち「資金」の視点で、無借金企業に焦点を当てて、無借金の理由や借入のある企業との収益力の差などから考察を進めました。
今回の私たちの研究内容の場合、データや理論での考察結果を踏まえた上で、インタビュー調査を通した確認にも取り組みましたが、さらに詳細な実証データを集めることができれば、より説得力のある研究につながったのではないかと考えています。また、経営者の審査員の方からの質問では、今回の私たちの考察内容だけでは、詳細にお答えできるものではなかったため、まだまだ研究が必要だと実感しました。
これからの研究では、より多くの実証データを取っていくことができるようにして、考察を深めていきたいと思います。

教員コメント

今回の発表は、資金調達、すなわち金融によるアプローチで進めていくことになりましたので、発表原稿の作り込みの前に、まず、中小企業金融の仕組みがどのようになっているのかについて、基本書による学修と指導に相当力を入れました。難しい分野のため、ついてくることができるか心配しましたが、自主的に勉強会も開き、真剣に読み込み、お互いに教え合うなど、理解を深めてくれました。そのため、発表原稿の作り込みの作業では、指導の上でもスムーズにできたと思います。この段階では、論理構成にこだわるように、特に指導しました。中小企業研究では、特に理論研究だけではなく、実証研究が大切であることも合わせて理解してくれました。これから実証研究にも力を入れていくそうですので、応援していきたいと思います。受賞、おめでとうございました。今後のご活躍に期待しております。

卒業研究セッション

1
日本のODAの現状と課題ーカンボジアの教育支援を事例にー
金澤 龍馬

概要

本発表では、カンボジアに対する国際援助が効果的かつ効率的に運用されているのかについて検討を行う。具体的には、カンボジアの経済や財政状況、そして国際援助に関する指標を用いて理論的に分析した。カンボジアの財政収支によると継続的に財政赤字の状態であることが確認できる。また、国際収支を確認すると貿易赤字の拡大に加え、貯蓄・投資ギャップが存在していることが明らかとなった。それらの赤字やギャップを埋め合わせるために国際援助が必要となる。カンボジアは政府開発援助受取額を1960年から現在にかけて大きく増加させている。大量の援助がカンボジアへ流れ込んでおり、援助依存の問題が懸念される。破綻国家指数によると、ガバナンス指標は悪化しており、大量の援助が政府の腐敗を助長させ、援助が非効率かつ非効果的に運用されている可能性が高い。援助依存の問題は、将来カンボジアの経済発展の桎梏となりかねない。今後の研究課題については、日本の自助努力型支援を取り上げた。自助努力型支援のように援助が無駄に用いられない援助方法を考察することは示唆に富むものであると考える。

学生コメント

今回第一回目の卒業論文セッションということで、不安や緊張もありましたが、様々な方々の支えがあり、賞を頂くことが出来ました。この結果は、ご指導していただいた先生方や、切磋琢磨し合える友人たち、そして勉学・研究に励めるようにサポートしていただいた両親のお陰です。現状に満足するのではなく、今回の経験を、次のステップへと活かせるよう今後も精一杯努力していきたいと思います。

教員コメント

金澤君は日頃のゼミ学修において優れた成果を挙げているため、今回の大会に出るように勧めました。すでに卒業論文の準備もしっかりと進めており、プレゼンテーション資料については初期段階でかなりレベルの高いものを用意してくれました。そのため、私からは、「出場するのは卒業論文のセッションであり、そのために最適化されたプレゼン資料を作るべきだ」という視点からの指導がメインとなりました。こちらの指摘にもしっかりと対応してくれ、内容がどんどんレベルアップしていったのが印象的でした。また、表彰式で彼のプレゼンを再度見せてもらいましたが、大勢の聴衆がいるにも関わらず、非常に堂々とした発表をしていたこともすばらしいと思いました。

経済学部長からのメッセージ

経済学部長 教授 山垣 真浩

第5回目の今回も盛大な大会となりました。100を超えるチームが真剣勝負で挑んでいる姿は、見ていて本当に素晴らしいものです。今回新しく卒業研究セッションを設けましたが、さすがは4年生、内容の充実度、プレゼンテーションの技術、ともに他のセッションを上回っていたように思います。今回発表した1~3年生のみなさんは将来の卒業研究セッションへの出場を目標に、現在の研究をさらに深められることを期待します。



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