| 〈講義内容〉
「もっと働いて、もっと稼ぐ社会を」。2007年5月、大統領に就任したサルコジのスローガンのひとつである。失業者は働くのが嫌いで失業手当をあてにする怠け者と糾弾され、勤勉な人が仕事に見合った報酬を得る社会が理想として掲げられた。しかし、実際には、マクドナルドでのアルバイトやホテルの清掃業など、低賃金の仕事を複数かけもちしても、貧困ライン以下の生活を強いられる者が数百万人にのぼる。このような現状に対して、不安定就労層が、社会的排除と不安定な社会的地位に反対して声をあげはじめたのが90年代末以降のことである。講座では、フランスの不安定就労の現状と、これに抗する社会運動を紹介する。
〈講師プロフィール〉
1968年5月生まれ、茨城大学教員。大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。フランスの失業者やホームレスなど都市底辺層の社会運動研究を専門とし、現在は、新自由主義的なグローバル化に反対してサミットで数万人が参加するデモなど、グローバル化と貧困をめぐる社会運動を中心に社会調査を行っている。おもな論文は、「『持たざる者』からの脱出:そして何処へ」『現代思想』2006年、第34巻第9号など。
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